「えっ だってまだ3時半ですよ 大丈夫ですか」
「大丈夫も何も だって仕事が終わったんだよ さあ帰ろうよ」
神山は次長席で帰り支度をすると洋子も帰り支度を始めた
「ねえ 今夜だけど バーベキューでもしようか」
「ええ でも早い時間ね」
「うん 庭の練習場で少し動けば大丈夫だよ」
「はーい そうしたら地下で買い物をしていきましょうね」
神山は祐子に電話をすると留守電になっていたので これから帰ると
メッセージを残した
次に泰子に電話をすると
「はい 分かりました 大丈夫ですよ」
「そうしたら 近くに行ったら電話をするよ」
「はーい お待ちしていますね ありがとうございます」
8月1日 土曜日 快晴
朝8時半次長室
「じゃ Jr悪いけれど これがアレックスに渡すグラスです」
神山はJrにオリンピッククリスタルグラス記念の試作品を渡し
本国のアレックス氏のところにも配る分を渡した
この時点で100組が出来上がっていて 日本には10組を残し 残りは
全てアレックスに渡す事にした
「神山さん ありがとうございます そうするとこの60セットを
私たちに譲って頂けるわけですね」
「うん 僕も使わせて貰うし まあ有効活用をしてください」
「了解です」
神山は各協会の顧問になっている会社に売り込む員数と今後を考え15組を
手元において 残りをアレックスに渡した
「さあ そろそろ時間だから本社秘書室へいきましょうか」
神山は洋子に杉田と奈々子にこれからいくことを伝えるよう指示した
本社ビルにいくと杉田と奈々子が迎えお辞儀をしてくれた
「ははは 翔 今日くらいは スーツだろ まあいいか」
その言葉を聴いた奈々子は
「ほら 言われたでしょ もう 恥ずかしいわ」
「ごめん さあ いこうよ 仕方ないさ 先輩のようなスーツないもの」
杉田と奈々子はJrの後ろを歩き エレベーターでも最後に乗った
9時少し前に本社秘書室に着くと 秋山が笑顔で向かえ
「権田社長がお待ち兼ねですよ 常務」
「うん ありがとう」
一回も入った事の無い社長室に入ると権田がニコニコと神山たちを迎えた
「やあ 神山さん じゃない山ちゃん おはよう」
「おはようございます 朝早くからありがとうございます」
神山たちは深々とお辞儀をして挨拶すると神山が ARXの紹介をした
権田は紹介されるたびに皆なの手を両手で握り親交の挨拶をした
「では わがプロジェクトの試作品ですが進呈をさせて頂きます」
神山と杉田 Jrの3人がシドニーオリンピック記念グラスセットを
権田に手渡した
「うん ありがとう」
権田は直ぐに桐の化粧箱を開けると グラスを取り出し眺めた
「うん 素晴らしい ありがとう 山ちゃん」
傍にいた秘書がグラスを洗い シャンペンを注ぐと権田は
「うん 時田さんから聞いていたが 素晴らしい いいぞ山ちゃん 乾杯だ」
みんなで乾杯をすると権田はJrに
「アレックスさん ありがとう 素晴らしい夢を届けてくれた」
「はい 神山さんの夢ですから 楽しく仕事が出来ます 父親も大変喜び
近いうちに来日します」
「ほぉー そうですか 是非 名古屋に来てくれるよう伝えてください」
「はい 了解です」
女性群 洋子 前田加奈子 奈々子 篠原涼子 ナタリーの5人が
立っているので 権田は前田加奈子に
「おいおい ほらそこの空いている席に座りなさい ははは」
たまたま同席していた浮田慶子が椅子を用意し皆を着席させた
「しかし 美女ばかりだね 山ちゃん どうだね」
「はい、、、」
洋子は直ぐに
「ええ 以前にもお話をさせて頂きましたが スーパーマンでも弱点が
あるようで とんと女性には無関心です」
「ははは そうか 勿体無いな」
洋子が更に
「ここにいらっしゃるナタリーはジャックの奥様 篠原涼子さんは 9月の
23日にアルタの方と挙式 残っているのは私と安井です」
「あーあ なんと 我が社の最優秀な社員が残っているのか おい前田君
何とかならんのか えっー」
「あのぉー 私も残っています 他人のことは考えられません」