2013年8月15日木曜日

Vol.1132 百日紅 -5-66



だって アレックスだって輸送費をどこかで消化しないといけないでしょ
でアレックスの利益を1万円じゃなくて1万7千円にすればどうかしら」
「そうだね そうすると流れとしてアレックスはクリスタル大森から
2万4千円で仕入れをして 卸す時には3万5千円で卸す でアルタには
デザイン料と化粧箱代として1万円の支払いか うーん」
「先輩 それで今 計算したんですが セットが各1万セットで3万で
18万客 バラが暫定ですが各1万で31競技種目で31万客 合計で
51万客ですよ 大丈夫ですか」
「ははは 大丈夫さ アレックスが全て買い取る事になっている
そうすると単純にアルタには51億の利益 げぇー凄いな」
「ええ そういう計算ですね アレックスの支払いはクリスタル大森に
122億4千万円でアルタに51億 五輪権利料が5億1千万円です」
「ははは 大丈夫だよ 安心しなさい そうすると時田さんに話して益率を
特別に下げてもらうよう交渉しないといけないな
いやぁー早い時期に分かって助かったよ じゃ早速いこうか」
神山は洋子に頼んで時田との面談をお願いした

本社副社長室で神山と杉田が時田と打ち合わせをした
「うん この数字でいくと仕方がないな分かった ワシからも各店店次長に
通達を流す おーい秋山君 山ちゃんのメモをコピーしてくれ」
「それで遅くなりましたが これが試作品です」
神山が時田にクリスタルグラスセットを渡すと 嬉しそうな顔をし桐の
化粧箱を開けた
「おおぉー 素晴らしい出来だね 杉田君 頑張ったね うん いいぞ
おーい 誰かいないか ビールかシャンパンだ」
時田の声を聞いて浮田が神山と杉田にお辞儀をしていると洋子と奈々子は
クリスタルグラスを洗いにいった
シャンパンが用意されグラスに注がれると時田が
「おおぉー 素晴らしい この泡も絵柄に会うな なあ山ちゃん」
神山はこのときはっと思い
「社長 冬季オリンピックのグラスにはシャンパンも付けましょうよ」
「おお そうだな いいアイデアだ うん 鈴や食品でも扱えるからな」
「ええ そうしましょう」
「では 乾杯だ 山ちゃん ありがとう」
時田に神山 杉田 洋子 奈々子の5人がシャンパンを味わった
部屋を出るときに神山は時田に
「申し訳ないのですが このカタログで宣伝をしてくださいお願いします」 
「うん 分かった でもこれだけで足りるかな」
「ええ 1週間しましたら もっとお持ちいたします
それから権田社長にもこのセットをお渡ししたいのですが 上京の時で
いいでしょうか それとも名古屋に伺った方がいいでしょうか?」
「うん 大丈夫だよ 8月1日に上京される その時でいいよ」
「はい 畏まりました では失礼します」

次長室に戻ると神山と杉田はほっと安堵した
「あーあ 良かったですね 先輩」
「うん あの件が通らないと うちとしても不利になるからね よかった」
暫く話をすると杉田と奈々子が部屋を出て行った
神山は早速ARXJPに電話をした
「やあ Jr 神山です」
「はい こんにちわ」
「Jr早速だけれど例のクリスタルグラス 日本国内販売価格を設定したよ」
「早いですね」
神山は経緯を説明すると
「大丈夫ですよ 100億単位でしたら 父親にも了解もらってます」
「うん それで本国に送るときの手続きなどはそちらで行ってください」
「うん 大丈夫 いつも使っている運送会社を利用するから」
「いやぁー よかった 助かったよ」
「ははは お疲れ様です でも鈴やさん以外で一杯売るとうちが儲けすぎ
そこは大丈夫?」
「うん ほら輸送費なども経費が掛かるでしょ だからそれを見越してさ」
「うん 助かります ありがとうございます」
「そうそう 試作のセットがあるんだ 近いうちに そうだ 8月1日に
社長が来るんだ その時にきてくれるかな」
「うん 大丈夫 何時がいいの?」
「そうだな 朝9時にお願いします」
「了解です 篠原涼子と副社長も伺います」
「はい 秘書室に伝えておきます ありがとう」
「では失礼します」
神山は直ぐに時田に電話をした
「おお そんなに早い時間に来られるのか うん 分かった
権田さんにはそのように話しておく いつもありがとう」
「では お願いします こちらは僕と杉田 あと秘書が伺います」
「うん 分かった シャンパンでも用意するよ」