2013年8月19日月曜日

Vol.1136 百日紅 -5-66



だからゆっくりは出来ませんが 出席します」
「ええ 鈴やさんでは9時15分に行うと話されていました 私のところは
11時で充分だと思います お願いしますね」
「はい 畏まりました」
神山が電話を切ると洋子も内線電話で話をして驚いていた
「はい 常務に伝えておきます はい 失礼します」
「おやおや 大変な事になってきたね」
「今 おじ様から直接電話があったの 杉田君が理事部長だって」
「うん 内藤さんが仕掛けたらしいね ははは 参ったね」
「それでほら権田社長がいらしているでしょ 9時15分に本社秘書室で
人事命課ですって」
「あーあ ほんと知らないよ もう ははは」
「まあ のんびりしているのね 奈々子ちゃんも部長よ」
「えっ 課長を飛び越して部長なの へぇー おいおい大丈夫かな」
「ほら 今度の人事命課で本社扱いなのね だからおじ様の一声って訳」
「はぁー 凄いね 大丈夫かな」
「でも いいんじゃないの あなたや私の特例があるし ふふふ」
「まあ そうだね そうすると 軍資金も2つの会社から出るんだね」
「そうね そちらの心配も要らなくなるし ふふふ」
「そうしたら時田さんに電話をしておくよ」
「そうね その方が無難ですね」

神山は次長席に戻ると時田に電話をして 杉田と安井の特進について
御礼の電話をした
「ははは 凄いじゃないか 内藤さんが喜んでいたよ」
「はい ありがとうございます」
「それで 9時にアレックスJr氏と会うだろ 少しタイトだが頼むよ」
「はい 畏まりました ありがとうございます」
電話を切ると洋子に
「時田さん 喜んでいたよ よかったね」
「でも 1日は大変な一日になりますね」
「うん 僕も忙しいよ ははは しかし催事課は大丈夫かな 仕事があるし」
「そうですね 理事部長で本社の人事命課でしょ 催事課のお仕事は
どうなるのかしら?」
「まあ 部長職で理事が付くんだと思うよ それとも理事なのかな?」
「会社規約だと部長でしょ その上が部長でも理事が付くでしょ
理事部長って何かしら 秘書室に聞いてみるわね」
以前にも記述したが 課長職の上が部長職でその上が部長職に理事が付く
理事の上が神山の常務になり副社長の時田は専務になる
鈴やの会社規約では理事部長という職級はなく 神山のように次長常務と
同じように新しく作られたポジションだった
通常の理事にしてしまうと 鈴や銀座店催事課の仕事が出来なくなり
そこで販売促進部の専門部長を兼ねると意味合いで部長を理事の後ろに
付ける事にした これも時田が考えた苦肉の策だった
「なるほど そうすると理事なんだね へぇー凄いね翔も」
「ふふふ あなたが敷いたレールでしょ 助かるわね」
「しかし時田さんも 頑張るね ははは」
「そうね ふふふ」

二人で話していると杉田と安井が次長室に尋ねてきた
「先輩 ありがとうございます 感謝しています」
「ははは 凄いな翔 理事だものな 追い越さないでな」
「それは無いですよ そうそう奈々子も課長を飛び越し部長です
ありがとうございます」
「先輩 常務 ありがとうございます」
「ははは 今回 僕は何もしていないよ 内藤さんだよ」
「でも グラスの限定数だって追いつかない所を 私財を投資して
アルタの利益を産むようにしたでしょ そこですよ」
「ははは まあ それはそれで動かさないとね そうだ 奥村さんに連絡だ」
「あっ 大丈夫です 今 話してきました」
「そうか うん」
「驚いていましたよ 特に奈々子の特進には」
「だろうな まだ若い女の子に抜かれたんだもの ショックは大きいよ」
「ですね がっかりしていました」
「でも 奈々子ちゃんの席は部長席だろ 催事課には無いよね」
「ええ 僕の所だけです」
「そうすると翔がこけると 奈々子ちゃんの行き場所がなくなるな
ほら 部長になると何処でもっていかないだろ 頑張れよ」
「そうですよね 分かりました ありがとうございます」
「そうすると これからはアルタや鈴やでも理事で通るんだ うん
翔 早速 考ちゃんにお願いをして 部屋のプレートを差し替えだね」
「あっ そうですね 分かりました 早急に話します」
杉田と安井が部屋から出て行くと
「さあ 少し早いけれど僕らは帰ろうか」