「どうするって?」
「うん 車で行こうか新幹線にしようかってところです」
「そうしたら新幹線の方が良いわよ でもどうかしら 上京の時に渡す」
「うーん それも考えたんだが 折角だから名古屋に出向いた方がいいかな
ってところなんだ それで翔も連れて行きたいんだよ」
「そうね 大本山に顔を売っておけばあとあと楽ですものね」
「うん 勿論 奈々子ちゃんや洋子も一緒だよ いいね」
「えっ 私たちも一緒ですか?」
「勿論だよ だって秘書じゃないか 当たり前だよ」
「はーい 分かりました」
「それで 時田さんのところに10セット位置いてもらい配ってもらうんだ
どうだろうか?」
「そうね 大丈夫でしょ でも10セットで足りるかしら」
「そうしたら もう少し大目に渡しておこうよ 驚くかな ははは」
「ねえ 名古屋はどうするの?」
「どうだろう 時田さんに聞いてみようか」
「そうね その方がいいわね 名古屋も偉い方が多いから」
「でもさ 100組しか作らないんだよ うちでそんなにキープ出来ないよ
アレックスだって世界規模で配ると思うし」
「そうか そうしたら いいじゃない 1セットのみで」
「そうしようか そうだね そうしよう」
お蕎麦を食べ終え次長室に戻ると杉田から電話があった
「うん 今は大丈夫だよ」
「では これから伺います」
杉田が次長室に入ってくると早速クリスタルグラスのカタログを見せた
「おお いい出来じゃないか 素晴らしいよ 本物のカタログと
見分けが付かないくらいだ」
「まあ 先輩 程ほどに それで一応ココには300部用意してあります
2,3日のうちに本物のカタログが7000部来ます」
「うん そうすると1セットに100部位だね」
「ええ でグラスの試作ですが もう少し作りますか って言うのも
ARXに渡す分はダンボール化粧箱がいいかなって思っているんです」
「うーん 難しい所だね 日本の桐箱か本ちゃん用の化粧箱か だね」
「ええ でシリアルナンバーはPⅡのって振れば問題ないしと考えています」
「翔 試作は100セット限りにしよう でないといくら投資をしても
追いつかなくなるよ 今は良くても来年になると大変だよ
それより 販売時期を早める方向性のほうがいいように思う どうかな」
「はい 分かりました それから鉛の含む量ですが もう少し入れると
バカラのように美しい透明感と音が楽しめるんですよ ただ日本の場合
ある部分で決められている所があって ルール違反すると
販売出来ないんです そこがネックなんです」
神山は暫く考え
「そうしたら アメリカのアレックスに輸出しようよ それで逆輸入だね
どちらにしてもアレックスが世界販売をしてくれるわけだ 流通経路も
ノウハウがあるし 向こうに任せておけば問題ないだろ」
「そうですね 生産国:日本と大森クリスタルを入れておけばOKですね」
「うん 僕はその方が得策だと思うよ 大森さんのところで 配送を
心配するより アレックスに全部納品する それが基本だから
輸送費などはアレックスと交渉をして 安く抑える そうしようよ」
「はい 畏まりました」
「そうすると 本ちゃんのグラスはもっと鉛が入るんだね」
「ええ そこがクリア出来たので大丈夫です バカラと同じように
美しい透明感と音が楽しめます」
「単価はどうなる?」
「ええ そこも大丈夫ですよ 実は今までの2万円ですが 大森さんと
色々と話したら 先方のマシン代など結構乗せていたんです
なので1客2万円の卸値段が1万4千円でOKです それでも大森さんの
ところには結構な金額が入ってきますよ」
「うん わかった そうすると1万4千円で卸 アルタのデザイン料1万円
五輪権利料1万円 アレックス利益1万円 合計4万4千円のグラスか」
「ええ そこですがJrに確認したんですよ五輪権利料は
1客に付き1000円で良いそうです それと内藤さんからOKを
頂いたんですが 化粧箱はデザイン料に含んで良いそうです」
「ほぉー そこまで詰めているんだ たいしたものだ そうすると
1客3万5千円の売り セットで21万円になるわけか うーん」
「どうしたんですか?」
「うん 翔 うちで販売する時の価格を考えていたんだ ほら利益を
仕入れ価格に上乗せするだろ そうすると販売価格に差が出来てうちで
取り扱うと在庫が出来てしまうんだよ」
「そこですね 問題は うーん困りましたね」
二人が考えていると洋子が
「いいじゃない 国内販売価格を例えば1客42000円にすれば