2013年8月31日土曜日

Vol.1148 百日紅 -5-66



「そうよ 私たちが楽しく話をしていて何処が悪いのもう」
「そうです 神山さん みんなが言うとおりです」
「ほーら桃子ちゃんだって こう言っているでしょ」
「わかった もう いや そのぉー 目立つ存在だからさ それだけ」
神山はそれだけ言うのが精一杯の抵抗で 6人の女性たちに相手に
されなかった
女将が見かねて神山に冷酒を注ぐと
「あーあ ありがとう ほら泰子 香織 真由美 秘書だろ もう」
「まぁー 嫌だ そんなタイミングで言うなんて最低 ねぇー桃子ちゃん」
「ほんとです神山さん 幻滅しました わぁー幻滅」
桃子が大げさに両手で顔を被い伏せた格好をするとみんな大笑いした
女将もつられて 大笑いすると大将が
「おーい ほらそこで油売ってるんじゃないよ ほら 刺身だ」
神山の左に泰子 右に祐子が座っていて 時々お酌をすると神山の
機嫌が良くなってきたのか 普段のペースに戻った
「うん 泰子も祐子もありがとう うん 嬉しいよ」
「まあ はっきり言えば良いのにねぇー もう」
「そうだ 香織 真由美 明日だけど ガス 水道 電気 朝一番で
連絡をしてくれるかな 夕方6時に間に合うように」
「はーい 大丈夫ですよ 家電量販店のところで連絡しました」
「えっ そんな事ができるんだ 知らなかった へぇー」
「ええ 泰子さんから聞いていたので予め調べたんですよ そしたらOK」
「へぇー ありがとう泰子」
「いいえどういたしまして ねぇー神山さん 由貴さんと桃子さんの車
あの車に買い換えたらどうですか ねぇー祐子さん」
「そうですよ 神山軍団の女性としてはVWがいいなぁー ふふふ
それでさ ゴルフとかでみんな一緒の車でしょ 格好いいじゃん ねぇ」
「わかった 後日購入しよう でもあそこ喜ぶぞ」
「だって 由紀枝さん 祐子さん 泰子さんでしょ あと4台も売れるもの」
「うん そうだね じゃ由貴と桃子の休みはいつなの?」
「ええ 私は明日よ 桃子ちゃんはその次の日がお休みです」
「二人一緒はないのかな」
「うーん 6日の木曜日なら私は午前半休できますよ」
「うん 決定 6日木曜日に 由貴 桃子 香織 真由美の車をかおう
それで集合場所は えーと スタジオに10時にお願いします
尚 今の車の車検や賃貸借契約でしょ 印鑑 運転免許証 忘れないでね」
「はーい そうしたら 前日からお泊まりですか 私 女性になるわ」
由貴が言うと真由美も
「私も 駄目です ふふふ」
「うん 参加したい人だけで良いよ 無理にとは言わないからさ
そうだ 前日はゴルフをしてくるから バーベキューでもしよう
それでさ 無理な人は翌日集合ってどうかな」
由貴と真由美が顔を見合わせ
「はーい でも神山さん私は7時までだから キャンセルさせて」
「うん わかったよ じゃ翌日集合にしようね お願いします」
真由美も
「私も 翌日集合にさせて その方が良いわ ふふふ」
「分かった あっ 桃子ちゃん 7時だけど大丈夫かな」
「ええ 5時にあがらせて貰うから 大丈夫よ ふふふ」
「はい 分かりました しかし喜ぶな」
最後は神山の独り言になった
お寿司を食べ終わると神山はタクシーを呼んでもらい みんなに
タクシー代を渡した

由貴と桃子 泰子 真由美 香織と全員を見送ると神山もタクシーで
スタジオに戻った
神山は戻ると直ぐに顧問ご祝儀や書留を事務室に運び勘定した
昨日の書留が現金278社で6億2千万円 ギフトカード36社で
1億7千万円顧問ご祝儀が6社2億4千万円 その他相談料として9千万円
本日分書留が現金37社8千万円 ギフトカード10社で3千万円
顧問ご祝儀が10社で4億2千万円 その他相談料が7千万円あった
合計で現金が15億2千万円 ギフトカードが2億円分となった
神山は銀行担当員の携帯電話に電話をして 明日朝一番でスタジオに
受け取りに来て欲しい事を伝えると快く引き受けてくれた
事務室から出ると祐子がウイスキーを用意していた
「ふふふ お疲れ様でした でも2人一緒に引越しって凄いわ」
「うん ほんとたまたまだよ 運が良かったんだね」
「そうね だって最上階で隣通しが空き部屋なんて運が付いていたのよ」
「ほんと それに最上階はその2部屋だけなんだよ それも運だね」
「へぇー そうすると下の部屋より広いんだ」
「うん でねテラスがめちゃくちゃ広くてさ 驚いたよ あれだったら
パターの練習が出来るしね バーベキューだって出来るよ」
「へぇー そんなに広いの 羨ましいけれど 私はここがいいわ ふふふ」
「まあね ここも広いし 天井が高いから気分が良いよ」
二人が話していると電話が鳴った
祐子が出てみると亜矢子からだった
「やあ こんばんわ どうした?」
「まあ 携帯に繋がらないから家に電話をしたのよ」
神山は直ぐに携帯電話を見たがバッテリーが切れていた
「ごめんごめん バッテリーが切れていた 失礼しました それで」
「ええ 明日のお昼だけれど 大丈夫?」
「また急だね 大丈夫だよ スケールモデルが出来たんだ」
「ええ それと見積もりも出来たと言っていたわ」
「了解 で何時?」
「ええ 10時にいつものお寿司屋さんよ 大丈夫?」
「うん そうだな10時半にいけるよ ごめんね」
「ううん こちらこそごめんなさい ちょっとバタバタしていて ふふふ」
「うん じゃ10時半に伺います」







2013年8月30日金曜日

Vol.1147 百日紅 -5-66



「はい 分かりました でも凄い金額ですよ」
「うん 無駄遣いしないで 貯金でもしなさい」
神山と真由美は顧問ご祝儀を車に乗せると 渋谷に向った

シブヤ ハイアット ホテルのラウンジに着くと泰子と香織が手を振って
合図をした
神山たちが席に着くと香織が
「食器類は泰子の提案で全て同じものを揃えました ふふふ 私も
柄にとらわれない 大きさにとらわれない そんなのが好きです」
「よかった それで泰子 足りたかな」
「ええ 充分でしたよ それで不動産屋に聞いたら 食器なら運んでも
OKと言われたので 私の車で運んで置きました」
「そうか ありがとう こんな時便利だね」
「それで神山さん 香織さんも欲しいって あの車」
「うん いいよ でもマーチはどうするの」
「ええ あれは母親の車なんですよ お願いします」
「そうすると 真由美も欲しいよな」
「へへへ お願いします」
「よし 車は後日だ じゃ家具を買いに行こうよ」

渋谷の家具専門店に行くと店員が神山の事を覚えていて話は早かった
いつもと同じようにチェストなのどの家具 キングサイズベッド
羽毛布団やタオルなど そのほかに30畳用のクーラー2台や照明器具
全て明日の18時配達にしてもらい 435万円をギフトカードで支払い
店員が勘定するのに手伝い店員も勘定をした
「神山様 確かに435万円ございます ありがとうございます」
「それで同じセットをもう1組ください 大丈夫かな」
店員は在庫を確認したが大丈夫という事なので更に435万円を払った
配送伝票に届け先を記入すると 部屋番号が隣なので
「あのぉー お部屋がお隣でよろしいですね」
「ははは そうそう うん 間違っていないよ お願いします」
「はい では明日18時にお届けに伺います いつもありがとうございます」
「では 明日18時にお願いしますね」
神山たち4人は家具専門店を出ると 家電量販店に行った
家電量販店では 中型の冷蔵庫 洗濯機 電子レンジ パソコンやTV
など 殆どの家電製品を揃えた
ここでもギフトカードで330万円を支払い 明日18時に
届けてもらう事にした 店員に
「あのぉー もう一組隣の部屋に届けて頂けますか」
店員は在庫確認をすると神山に
「はい 大丈夫です そうしましたら あと330万円です」
神山はここでもギフトカードで支払いを済ませた

「さあ みんな 忘れ物は無いかな」
「はーい ありません でもお腹がすいた」
「ははは そうだね そうしたら上原の駅前寿司に行ってくれる 僕は
車を置いて 直ぐに行くから そうだ香織 一緒に来てくれるかな」
「はーい 了解です」
神山は泰子と真由美を見送ると自分の車でスタジオに戻った
祐子が食事の支度をこれからと言うので 一緒に寿司屋に向った
「それで香織 昨日顧問になったところ以外で流通体制が確立されている
会社をリストアップして欲しい」
「はい 例のグラスですね」
「うん そうだ それでこちらから話しかけると足元を見られるから
絶対にこちらからは連絡を取らないで欲しい」
「ふふふ やりますね わかりました それで飛びついて着たらですね」
「うん その方が面倒はないよ 生産体制も整ったしさ 後は売るだけさ」
「はい 分かりました しかし凄いことですね」
「うん まあ僕ひとりでは出来ないが 周りが頑張ってくれているしね」
話していると上原の駅前寿司についた
暖簾をくぐり店内に入ると 由貴と桃子も同席していた

「わぁー 神山さん お久しぶりですね ねぇー桃子ちゃん」
「ほんと この頃全然だもの いいわね香織さん ふふふ」
「おいおい 苛めないでくれよ これでも大変なんだから」
「そうね 真由美さんと香織さんのマンション探しと 家具や家電の購入
うん すごーく大変ね ふふふ」
由貴の一言でみんなが大笑いした
神山はみんながこの様に楽しく話せるのも ゴルフの時に顔合わせを
したからだと思った それ以上に学生時代に語学で切磋琢磨した仲で
大人になった今は 神山を中心に色々と話ができると思った
「ねぇー お嬢様 お願いだからさ もう少し声を小さくしてくれる
さっきから他のお客さんがこちらを見ているんだよ お願い」
「まあ 神山さんらしくないわね いいじゃない 見たければ ねぇー」






2013年8月29日木曜日

Vol.1146 百日紅 -5-66



ドアがノックされると香織と泰子が紙袋を提げて部屋にきた
「やあ ご苦労様 ありがとう」
「ほんと 凄いですね まだ来るんですもの ふふふ」
「おいおい 泰子 一杯きたほうが嬉しいでしょ」
「まぁー 私は理事に抱いてもらった方がいいわ もう 香織さんばかり」
「また 嫉妬しないの よしそれでは真由美 いこうよ」
4人は台車に書留が入った紙袋を乗せ 神山の車に積み込んだ

タクシーで日比谷パレスホテルに着くと 最上階のレストランに入った
入り口で予約を聞かれたので神山と名乗ると 受付嬢が厨房に消えた
暫くするとここの支配人 二ノ宮が現れお辞儀をすると席を案内した
「神山様 ご無沙汰しています」
「うん 申し訳ないね こちらも色々な所に伺うもので」
「それで本日は コースでよろしいでしょうか」
「うん お願いします 最初は生ビールをください それと簡単なおつまみ」
「はい 畏まりました 少々お待ちくださいませ」
生ビールとおつまみが運ばれると乾杯したが神山がウエイトレスを呼んだ
「申し訳ない 二ノ宮さんをお願いします」
ウエイトレスが厨房に入ると直ぐに二ノ宮が神山のテーブルにやってきた
「神山様 なにか不具合がございましたか」
「いやいや ごめんなさい お肉を注文したいのですよ ほらコースの
お肉より美味しいお肉を2人前 半分にして頂き4人で頂きます」
二ノ宮は苦情でない事が分かりほっとして頷き 厨房に戻った
生ビールが終わると泰子が赤ワインを注文してコース料理をたべた
「美味しいわね ねぇ神山さん」
「でもさ 御殿場のホテルの方が美味しいでしょ」
「ええ 言われるとそうですね ふふふ」
「うん ここはお肉の仕入れに気を使わないほうだと思う 以前来たときと
そんなに変わっていないもの」
「へぇー そうですか でも私は久しぶりだから美味しいわ」
3人の女性たちは一人でも充分目立つのに 3人が楽しそうに話して
食べているので余計に目立った
周りの観光客などが泰子や香織 真由美をじろじろと見始めた
「おいおい 少し静かに食べようよ 楽しいのはいい事だけどさ ねっ」
3人は顔を見合わせてクスクス笑いながらステーキを食べた
デザートを食べ終わり神山がギフトカードで精算すると泰子が
「じゃ 私と香織さんはここで失礼しますね」
「うん でも6時になったら建築協会のビルに着てよ ほら家具を買うから」
「はーい 了解です ふふふ 渋谷でしょ」
「うん そうだよ そうしたらさ食器類を2組 香織と真由美の分
僕の趣味っていうか そこら辺で買っておいてよ どうかな?」
「ふふふ 大丈夫よ そうしたら食器類は買って良いですね」
神山は泰子にギフトカード300万円分を渡し
「明日から入居可能だよ そうだ 明日の夕方に配達 うんそうして
ほらガスや電気も明日夕方に来てもらうからさ」
「ふふふ 了解です では失礼します」
泰子と香織を見送ると 次のタクシーで建築協会のビルに戻った

神山はいつものように30分寝かせてもらい起きるとすっきりした
「いつもありがとう」
「ええ 時間を作ってくださいね ふふふ」
「うん 分かった」
「ふふふ さあそろそろよろしいですか」
神山は時計を見ると14時少し前だったがOKをだした
顧問依頼会社が10社で 各社とも事前に内容を検討していたのか
顧問契約に関する契約書に簡単にサインをしてもらい顧問を引き受けた
会社名は株式会社ヤマト資材 株式会社愛知建材 株式会社福島建設
株式会社キューブ 株式会社西部建築 株式会社石川道路建設
株式会社池田設計建設 株式会社宮里建材 株式会社青木組 株式会社
中島建設 10社で 給与と顧問手当で月1000万円 毎月18日
スイス銀行振り込み 当日が土日祝の場合は前営業日 賞与6千万円
7月14日と12月14日の年2回と決めた
真由美も6社の専属秘書として手当や給料 賞与も貰えるようにした
面談が早く終わり 真由美は香織に電話をした
「うん そうなの 30分位早く終わったわ ふふふ 待ってね
理事 今 香織が出ています」
「うん 替わるよ
神山です」
「はい お疲れ様でした それで今 渋谷ですが 何処で会いますか」
「うん そうしたらさ 今朝のラウンジでお願いします」
「はーい 分かりました お待ちしています」
電話を切ると真由美が神山にキスをして
「あなた ありがとう ふふふ あんなにお給料を頂けるなんて」
「うん お願いしますね 僕のガード役だからね」





2013年8月28日水曜日

Vol.1145 百日紅 -5-66



話したら お家賃だけ援助してくれれば ここに来たいって」
「そうか その方が安心だよな うん 分かった そうしたらタクシーで
大至急不動産屋に来るように伝えなさい」
香織は真由美に連絡すると ニコニコしながら頷き
「神山さん OKです 直ぐに不動産屋さんに来るそうです」
「了解 じゃ 部屋の中を確認しようか」
担当員の説明で部屋の隅々まで説明をしてもらい 不動産屋に戻った

不動産屋で手続きをしていると真由美が現れ
「理事 おはようございます ありがとうございます」
「うん まあ 隣が男性より良いだろうと思ってさ」
「まぁー そんな 品行方正ですよ ねぇー香織」
「そうですよぉー 心を入れ替えたんですもの ねぇー真由美」
二人の話を聞いていた女性担当員がクスクス笑った
「そうすると 入居は明日からでもOKですね」
「ええ 神山様のご紹介でしたら大丈夫です ふふふ」
「分かりました そうすると仲介手数料と敷金礼金 前家賃で5ヶ月分
それと日割り家賃ですね」
「はい 日割りが明日ご入居で93548円と50万円です」
神山は2部屋分の日割り家賃 手数料 敷金礼金 2年分の家賃として
600万円を支払うと
「はい 少々お待ちくださいませ」
女性担当員はお札を3回数えると お釣りを用意した
「一部屋6452円ですので12904円のお返しです」
「うん ありがとう それでこのカードキーを1枚ずつ追加して欲しい」
「はい 一枚1万円ですから2万円です」
神山は2万円渡すと 担当員は予備のカードを製作した
カードキーを受け取ると神山は二人に
「そうしたらさ 今夜にでも渋谷で家具を買おうよ」
「えっ 大丈夫ですか 時間がタイトですよ」
「ははは 膳は急げでしょ そのくらい大丈夫だよ」
「まぁー でもありがとうございます 嬉しいわ香織」
神山に寄り添う香織をみて真由美が
「香織 昨夜抱いてもらったでしょ いいなぁー」
「うん 一杯抱いて貰ったわ ふふふ でもこれから近いからいいでしょ」
「そうね 隣通しだから 直ぐだものね ふふふ」
「じゃ お仕事お仕事 送っていくよ」
神山は香織と真由美を車に乗せると 建築協会が入っているビルで止めた
「じゃ香織 お昼に来てね 待っているわ」
「はーい 書留を持って行きますね」

建築理事室に入ると真由美が神山に今日の面談会社資料を手渡した
神山は真由美の入れてくれたコーヒーを飲みながら目を通した
「おーい 真由美 この資料って大丈夫?」
「えっ 何がですか?」
「だってさ 顧問契約したいって会社が10社もあるんだ」
「ええ 先方から電話があったときに 顧問契約に関する契約とか顧問料も
きちんと伝えたうえでの話です だから私も驚いているんですよ」
「だよな ほんと顧問料で会社が潰れたらこちらも責任感じるしね」
「そうですよね だからFAXでも資料を送らせて頂いていますよ」
「そうか 分かった しかし大丈夫かな 真由美 この10社を調べてよ
分かる範囲で良いよ 悪いけれど どうも心配だ」
「はい 直ぐに調べられますから お待ちください」
真由美はPCで顧問依頼を希望している10社の経営状態や入出金状態
金融機関借入れ状況など多角度で調べてみた
「理事 全ての会社がクリアーしています 調べたのは5年間の経営状態
これは株の配当まで調べました 入出金ですがこれもここ5年間 取引が
ある金融機関だけになっています 最後に金融機関の借入れですが
これも5年間では全然問題ありません」
「そうか しかし余り聞かない企業ばかりだね」
「ええ 資料にもあるように地方で活躍している一流企業です」
「そうみたいだね 分かりました」
神山は再び資料を熟読した
暫くすると真由美が
「理事 そろそろお昼です 香織さんと泰子さんも来ますよ」
「おお もうそんな時間か ありがとう で何を食べる?」
「ふふふ 以前食べられたステーキ どこだぁー」
「うーん ここいらでステーキっていうと、、、日比谷のパレルホテル?」
「ピンポーン 如何ですか?」
「うん そうしたらさ 担当支配人の二ノ宮さんに電話をしなさい
きっといい席を用意してくれるよ そうそう僕は鈴やにした方がいいな」
真由美は早速 日比谷パレスホテルに電話をすると二ノ宮に席の予約をした
「理事 OKですよ ふふふ」
「うん あそこも美味しかったな 懐かしいな」






2013年8月27日火曜日

Vol.1144 百日紅 -5-66



香織は更に早くなると自分の腰を動かし始めた
神山も香織の腰に合せて動かすとすぐに気持ちよくなり亀頭も
反応して充血が始まり硬くなった
「もう だめ いきそう あつっ あうぅ あぅ~ あっ あっ」
「だめだ でるよ」
「きて あっ あっ ぎゃあ~」
神山と香織は一緒に果てた
香織はまだ体を痙攣させていて神山が抱いても収まらなかった
「わぁ~ 素敵よ 久しぶりよ こんなに歓びの大きいSEXって」
「少しは役にたったかな」
「ううん 一杯よ 私 おりこうさんにするから一杯抱いてね」
神山は答える代わりにキスをすると香織は舌を絡めてきた
香織の仕度が終り部屋の電話で帰る事を伝えると仲居が
「ありがとうございます お会計はお料理とお飲物の追加で8万円です」
神山は仲居が部屋にきたので8万円を支払うと仲居が玄関まで案内した
予めタクシーを頼んでいたので そのまま渋谷の駅に向った

渋谷駅に着くと神山は宝くじ売場に香織を連れて行き いつものように
スクラッチ宝くじで運試しをした
神山は500円の投資で18万円当てると香織も500円で20万円当てた
「さあ ではこれからが本ちゃんだよ」
神山と香織は記念になる番号をメモをし 連番で10枚購入した
傍のキオスクでマンション情報誌を買い シブヤ ハイアット ホテルの
最上階にあるラウンジでカクテルを飲みながら探した
神山は以前利用した不動産屋が扱っているマンションに目をつけた
場所を確認すると桃子や由貴などと近くで練習場も近いと思った
「香織 ここにしようよ たぶん練習場に近いよ」
「えっ でもお家賃が駐車場込みで10万円はちょっと」
「うん いいよ 足りない分は僕が援助するよ」
「ほんと 嬉しいわぁー 最上階でしょ いいなぁー」
「よし 決まった それで家具はどうするの 今のを持ってくる?」
「うーん 大丈夫 新しいのを買うわ ふふふ」
「そうしたら今夜は遅いから 月曜日にでも家具を買いに行こうよ」
「はーい お願いします 嬉しいなぁー ふふふ」
神山は明日の朝9時に渋谷で待ち合わせを約束した
「そうそう 契約するから 印鑑 運転免許証かな 忘れないようにね」
「はーい お願いします」
二人は別々のタクシーに乗り分かれた
スタジオに戻ると
「わぁ~お帰りなさい」
「ただいま まだ起きていたの」
「ええ 今までTVで映画を見ていたの もうすぐ寝るところよ」
「そうか 祐子 2階においで 一緒に寝よう」
「わぁ~嬉しいわ 仕度をしますね」
神山は2階の主賓室にいくと着替えをし 下着やシャツをバスケットに
入れると棚からブランディーを出して祐子の分も用意してまった
祐子が2階の主賓室にくると二人でブランデーを呑み寛いだ
シャワーを浴びベッドで交わると抱き合って寝てしまった

8月2日 日曜日 晴
「やあ おはよう 遅刻しなかったね」
「勿論ですよ でもね母親がこんなに早くから何処に行くのって ふふふ」
「そうだよな 久しぶりの休日だから家事手伝いだよね」
「ふふふ それでお部屋探しのことを正直に話をしたら 複雑でした」
「うん なんとなく分かるよ さあ いこうか」
神山と香織が不動産屋へいくと いつもの担当員がニコニコして向かえた
「おはようございます お客様」
神山は情報誌を見せると 直ぐに案内してくれた
驚いた事に そのマンションは桃子や由貴と歩いて直ぐの所にあった
「ゴルフの練習場って ここから何分位ですか」
「ええ 歩いても10分だと思いますよ」
神山は泰子のマンションがゴルフ場の正反対の場所にあると思った
「こちらは 普段の生活にも全く支障が無い所です」
部屋の作りは桃子や由貴たちと同じだった
「どうする ここでいい?」
「ええ 最高よ テラスも広いし 素敵だわ お隣とのプライバシーも
しっかりしていそうだし 大丈夫です」
「あのぉー 隣って男性ですか?」
「いいえ 今は空き家です 広告にはこちらの部屋を出しましたが
向こうのお部屋も見ますか ただ西日が入るのでどうかと思いまして」
「そうしたら こちらの部屋が良いですね ねぇ香織」
「ええ お願いします ふふふ 最高です」
香織は神山に断って携帯電話で連絡を取り合った
「ねえ 神山さん 真由美も引越しを考えているのね それでココの事を






2013年8月26日月曜日

Vol.1143 百日紅 -5-66



仲居がビールや料理を運ぶ前に神山に酌婦を聞かれたが断った
神山は二人きりになると香織を自分の脇にくるよう言うと
ニコニコして神山の隣に座った
「やっぱりこうして座ると嬉しいわ」
香織は神山にキスをすると目を潤ませた
仲居が障子を開け入って来ると香織は慌てて座りなおすと
料理がテーブルに並べられしゃぶしゃぶ鍋も置かれた
神山達は前菜にあたる料理を食べると香織は美味しいといい箸が良く動いた
「どう このごろゴルフの練習はしている?」
「ええ たまにですよほんと 練習場が少し遠くて毎晩は通えないです」
「そうか 難しい所だね」
「それで今度 練習場が近いところに引越しをしようと思っているんです」
「えっ 今はご両親と一緒でしょ 大丈夫かな?」
「ふふふ ほら理事が私を各企業の専属秘書にしてくれているでしょ
だから 家のほうにも入れて助けられるし 大丈夫です」
「じゃ 僕が理事を辞めたらどうするの」
「その時はその時です だって半端な金額じゃないし最悪は実家に戻ります」
「そうか わかった そうしたら 明日の午前中にでも探そうか」
「えっ だって真由美さんのところでしょ 明日は」
「ははは 9時ごろから探せば12時までには見つかるよ」
「えっ そんな 大丈夫ですか?」
「なにが?」
「だって タイトですよ」
「うん そうしたらさ ココを出たら マンション情報誌を買おうよ ねっ」
香織はニコニコして神山にキスをした
丁度 その時に仲居が襖を開けたので 香織は顔を真っ赤にしてしまった
仲居がしゃぶしゃぶのお鍋に火をいれると神山は赤ワインを注文した
牛肉の量を見ると少なかったので神山は仲居に
「あと300g位追加してください」
仲居はニコニコして襖を閉め部屋を出て行った
二人はしゃぶしゃぶを食べきしめんも食べ終わり仲居を呼んだ
食器類の後片付けをするとテーブルが綺麗になった
香織がお茶を入れると神山に渡し
「よかったです 美味しかったわ ふふふ」
神山はお茶を呑むと真由美に
「向こうの部屋にいこう」

香織は先に立ち上がり神山の手を引いて襖を開けると神山に抱きついて
「あ~あ ようやく二人きりになれたわ ふふふ」
神山に抱きつくとそのまま布団に横になり香織は神山にキスをした
香織はブラウスを脱ぐと衣桁にかけて神山の着ている物もかけた
「香織 そのままおいで」
「えっ パンストでいいの ふふふ 前に来た時と同じね ふふふ」
香織はパンストを穿いたまま神山の横に寝ると神山のショーツを脱がせ
おちんちんをパンストのざらざらで刺激を与えた
神山は上になると香織のブラジャーの上から乳房を揉むと喘ぎだし
自分でフォックをはずすと豊かな乳房が現れた
神山が乳房を揉みながら乳首を優しく振動させると香織は更に喘ぎ
肉棒を上下に動かし亀頭をパンストに擦りつけた
「香織 気持ち良いよ」
「まあ 私のあそこよりパンストの方がいいのかしら ふふふ」
香織はそう言うとパンストとショーツを脱ぎ肉棒をクリトリスに擦りつけた
「わぁ~ 香織 凄いぞ ヴァギナがもうべちょべちょだよ」
「当たり前でしょ ずーっと我慢していたんですよ」
神山は指でクリトリスを愛撫すると香織は体を反らせて
「ねえ だめよ いくわ やめて」
神山は更に膣にも指をいれて動かすと香織は体をがくがく震わせ
「いく~ あっ~ あっ~ あっ あっ」
香織が果てると神山は空かさず肉棒を膣に挿入した
「ぎゃあ~ あうぅ あぅ~ いいわ~」
「僕も 気持ち良いよ」
神山は香織の体を裏返しにしたり体位を楽しむと
「もうだめ いきそうよ きて おねがい」
香織を仰向けにして 白い足をV字型に持ち上げ腰を少しあげると
肉棒を下から思い切り突きあげた
「あっ あっ きて いきそうよ ね ほんと あっ あっ」
神山も香織の膣が狭まり亀頭の充血が充分になると
「だめ かたいわ うっ~ あっ~ あっ~ あっ あっ あっ」
香織は体をガクガクさせた時に神山もスペルマを発射した
神山は香織の上に伏せると香織はキスをしニコニコして神山を見つめた
肉棒を抜こうとしたとき 香織が制止しそのままでいると
膣の中が動き始め香織が喘ぎだした
「久しぶりよ うっ~ うっ~ きもちいいわ」
「中に生き物がいるみたいだ 早くなってきたよ」








2013年8月25日日曜日

Vol.1142 百日紅 -5-66



今日は6社が顧問依頼をしてくるので よく見ていると
清涼飲料を販売しているギャオ・コーラの東日本 西日本 中部日本と
3社が顧問を依頼してきていた よく考えるとここも輸送ルートが確立され
グラスの販売ルートに使わない手は無いと思った
先日 泰子から教えてもらった貿易会社もリストに上がっていたが
もう一つ気になる会社があった
資料をよく読むと洋酒関係の輸入を専門に手がけていて 有名なビールも
ここを経由して国内販売されていた
「香織 この資料で 東亜貿易という会社と 富士輸入って会社だけど
資料を読んでいると 内容は同じみたいだね」
「ええ 東亜さんは東日本で富士さんは中部ですね 業務内容は殆ど
同じだと思っていただいて構いませんよ」
「しかし あの有名な輸入ビールが東と中部と輸入会社がちがうんだね」
「ええ 私も驚きました ほら 輸送ルートがあるじゃないですか
その関係もあるようですね」
「なるほど しかし 面白い世界だね ははは」
「ええ 可笑しな世界ですね ふふふ さあそろそろよろしいですか」
神山は時計を見ると14時少し前だったがOKをだした
この日は顧問依頼会社が6社あり 共に神山の顧問契約に関する契約書に
サインをしてもらい顧問を引き受けた
会社名は株式会社ギャオ・コーラ東日本販売 株式会社ギャオ・コーラ
西日本販売 株式会社ギャオ・コーラ中部日本販売 株式会社東亜貿易
株式会社富士輸入 株式会社三重畜産 と6社で 給与と顧問手当てで
月1000万円 毎月18日 スイス銀行振り込み 当日が土日祝の場合は
前営業日 賞与6000千万円 7月14日と12月14日の年2回と
決めた 香織も6社の専属秘書として手当や給料 賞与も貰えるようにした
今回は三重畜産を除き5社にシドニーオリンピック記念限定クリスタル
グラスの販売の件を話しをすると快く引き受けてくれた
正式なパンフレットを渡し まずは会社でクリスタルグラスを購入するよう
勧めると 購入についてもいい返事が貰えた
神山は卸販売については全て アレックスジャパンが行うということを話し
宣伝媒体も全てARXJPから配布される事も付け加えた
神山は面談が終わると杉田に電話をした
「翔 グラスの件だが 今 大丈夫かな」
「はい 大丈夫です」
「実は国内販売を前倒しで行いたい そこでシリアルナンバーだが1番から
ではなくて 5000番からお願いしたい それが一つ それと最初は
バラを作って欲しい これが2つめ 最後はいんちきだが 輸出輸入を
行わないで 販売できる方法をJrと詰めて欲しい 以上」
「はい 最後だけですね 難しいのは そんなに早く売れるんですか」
「うん まだ正式ではないけれどね かなりの数が捌けそうだよ」
「はい 早速Jrと詰めます ありがとうございます そうそう あの後の
会議内容は洋子先輩が全て先輩に話されると言っていました」
「そうか わかった ご苦労様」
「では 失礼します」
神山は電話を切ると香織と一緒に顧問契約のご祝儀を車に積んだ
「香織 これから赤坂のたなかに行こうか?」
「えっ 予約をしていないからどうかしら」
「じゃ 聞いてみて 電話番号は分かる」
「はい 大丈夫です」
香織は直ぐに赤坂料亭たなかに電話をした
「理事 大丈夫でした これから30分で伺いますと伝えました」
「うん ありがとう」
神山は次長室で留守番をしている洋子に電話をした
「神山ですが お疲れ様 それで今日はそちらには戻らない それと先ほど
翔に宿題を出しておいたので それを解決して欲しい」
「はい 分かりました 本当にごめんなさい」
「それから アルタの会議室で話された報告は月曜日に聞きます そうそう
明日は休んでいいよ 以上かな」
「はい 分かりました では失礼します」
洋子は少し元気が無かったが 神山が元気づける事ではないと思い
そのまま電話を切った
杉田に出した宿題を何処まで手伝いできるか ちょっとばかり楽しんだ
「さあ では行こうか」

眞鍋香織はニコニコして蒼いBMWに乗ると銀座を後にした
赤坂の料亭たなかにつくと香織を降ろし
「近くの駐車場に置いてくるよ」
神山はスタジオに蒼いBMWを置くと祐子に
「祐子 これからまだ仕事があるので先に寝ていいよ」
「は~い 分りました 気を付けてね」
神山は歩いて料亭たなかに戻ると仲居が部屋まで案内してくれた
前回とは違う部屋だったが間取は同じで襖が2箇所有り一つは舞妓さんが
芸を見せる場所でもう片方は床が用意されていた







2013年8月24日土曜日

Vol.1141 百日紅 -5-66



4人が受付で話をしていると 内藤が来て
「やあ 山ちゃん 早いですね」
「ええ 遅れると不味いですからね なあ翔」
「そうしたら 会議室に行きましょうか 準備は出来ています」
4人はエレベーターで会議室に行くと 秘書課長の案内で席に座った
会議室は過日の役員が全員並び 神山と洋子も並んだ
全員が並び終えると内藤社長が辞令を読み始めた
「杉田 翔 殿 右のもの 本日を持って株式会社アルタ
意匠担当常務を任命する
平成10年8月1日 株式会社 アルタ 社長  内藤 一哉」
杉田が辞令を受け取ると 丁寧にお辞儀をして下がり 奈々子が呼ばれた
「安井 奈々子 殿 右のもの 本日を持って株式会社アルタ
意匠担当常務 杉田 翔の専属秘書部長を任命する
平成10年8月1日 株式会社 アルタ 社長  内藤 一哉」
奈々子も深々とお辞儀をすると 辞令を手にし 席に戻った
儀式が終わり役員からは拍手が沸いた
社長室に行くと杉田にご祝儀が渡され 雑談が始まった
暫くすると神山が
「内藤さん 私はこれで失礼します」
「はい 分かりました 杉田さんと今後のプランを練ります」
「はい 翔 あまり大きなプランは控えなさい 洋子 翔の車で帰りなさい」
洋子はココに残る意味を感じ取り 笑顔で
「はい ありがとうございます」
「じゃ 失礼します」
神山はみんなに見送られアルタを後にして銀座の食品協会に向った

「やあ こんにちわ」
「今日は忙しかったですね 理事 こんにちわ」
「うん まあ 仕方がないな」
神山は時計を見ると12時になっていたので
「よし 先に食事をしよう どこにいく?」
「ええ いつものうなぎでお願いします 神山さんもう直ぐ泰子さんと
真由美が来ますので待って頂けますか」
「ははは いいよ ではそれまで資料を読んでおくよ ありがとう」
「それから理事 これが書留で 礼状は出しておきました」
「そうか ありがとう でもまだこんなに来るんだね」
「ええ お中元やお歳暮って関係ないですね ほんと凄い人気ですね」
神山は台車に乗せられた紙袋を数えると5つつもあった
暫くすると繊維協会の泰子と建築協会の真由美が台車に紙袋を乗せて
やってきた
「やあ ありがとう 大変だったね」
「ほんと 凄い人気ですね この時期でもこれだけ来るなんて初めてです」
「ははは その代わり有名税が大変だよ ありがとう さあうなぎに行こう」
4人は台車に乗せてある紙袋を2台の台車に纏め 神山の車に積んだ

台車を片付けるとタクシーで鈴やのうなぎ屋に入った
暖簾をくぐると奥座敷部屋に案内され いつものように注文した
生ビールが運ばれると神山が3人に
「いつもありがとう 感謝しています かんぱーい」
「ふふふ ご昇進おめでとうございます 専務」
「おいおい なぜ知っているの?」
「ええ これは企業秘密ですよ 政府機関が絡んでいますから ふふふ」
「こら泰子 教えてくれよ 僕だって理事職だよ もう」
「先ほど 洋子さんから連絡がありました 喜んでいましたよ」
「なぁーんだ うん そのホットラインは企業秘密だね ははは」
「でしょ それで名刺は休み明けに手配をさせて頂きます」
「うん お願いします でも500枚もいらないよ ほんと使わないから」
「はーい では300枚作りますね」
「うん お願い 足りなくなったら連絡するよ」
「そうね でも9月23日には使われるでしょ どうですか」
「ああ 合同披露宴か まあその時はその時さ それもホットライン情報?」
「ええ そうですよ ふふふ ほらスケジュール管理がありますから」
「そうか そうだよね」
「理事 5日のお休みお願いします」
泰子が有給休暇証をテーブルに出したので 認めを押印した
「理事 今度私たちも そこへ連れて行ってくださいね ふふふ」
「うん 大丈夫だよ 連れて行くよ 楽しみにしていなさい」
ゴルフの話をしながら うなぎを食べ終えると 泰子と真由美は鈴やを
出たところで別れ 帰っていった
香織とタクシーで協会事務所に戻ると神山は30分昼寝をした

「理事 起きてください 30分経ちましたよ」
「おお ありがとう あーあ スッキリした」
香織がアイスコーヒーを渡すと美味しそうに飲みながら資料をみた







2013年8月23日金曜日

Vol.1140 百日紅 -5-66



「はい 秋山ですが どうされましたか専務」
「うん あのぉー 杉田理事の各理事に対しての挨拶がまだなんですよ」
「あっ そうでしたね 申し訳ございません それで」
「ええ これからアルタの人事命課があるものですから お昼前には
伺えると思いますので 宜しくお願いします」
「はい 分かりました あのぉー洋子は」
「ええ いますが 替わりましょうか」
「はい お願いします」
神山は洋子を呼び電話に出るようにいった
「どうしたの洋子 びっくりよ専務から直接電話なんて」
「だって 若いと初々しくて助けたくなるんですって もう 知らないわ」
「まあ またけんかしたの ねえ それはそれとして どの位包むの」
「知らないわ 聞いてよ もう」
「まあ 洋子らしくないわね 分かったわ 大きいのを2つでいいでしょ」
「うん どうかしら もう一つあげて貰えるかしら お願いします」
「ふふふ 分かったわ じゃ3つ用意して頂きますね」
「ねえ 時田副社長の所にも伺った方が良いでしょ 順序として」
「分かったわ 奈々子ちゃんに注意しておくわ」
「そうね 私が頑張る所じゃないもんね」
「ねえ けんかしちゃ駄目よ わかった」
「はーい でも 悔しいわよね ほんと もう」
「はいはい こんど また呑みましょうね では失礼します」
「はーい お願いね」

電話を切ると洋子は結果を報告せず 机に向かい仕事をこなしていた
神山はそんな態度の洋子に
「洋子 業務だぞ 結果報告をきちんとして欲しい なんだその態度は」
言われた洋子は
「はい 済みません 秘書室から安井のほうに連絡がいくようになります
今回は私たちの事ではありませんので報告をしませんでした」
「わかった いつまでもその態度を改めないのなら クビだ いいよ
すぐにこの部屋から出て行って」
洋子は何も言えず俯いていると
「僕は 若い人間は初々しくて助けたくなると言っただけだ それを
勘違いしてもらっては 今後の仕事にも影響がでる 洋子の考え方が
改められないなら ここに居る資格は無いよ そうだろ」
洋子は神山の言っている事がよく分かりすぎるので辛く涙した
「はい ごめんなさい」
神山は洋子の涙を見るのは久しぶりだが 今日だけは許せなかった
「業務命令に従わなければ クビです いいですか いくら時田さんが
血縁関係でも 業務は仕事です そこが分からなければクビ」
洋子は机に伏せ声を出して泣いていた
「いいかね 洋子だけじゃない 僕だって辛い思いをしている それを
仕事に持ち込んでは駄目だ 特に今回はまだ初体験の奈々子ちゃんだ
こちらで準備してあげなければ 先方にも失礼に当る
その位分からないなの よく考えなさい」
洋子は泣きながら神山の言葉をかみしめ聞いていた
自分の行き場がなくなり 泣いているしかなかったが一言神山に
「そうしたら もう 私の前で辛い事を言わないようにしてください
お願いします」
「なんだ そんな甘い考えだったのか それは自分の事だろ いいかね
よく考えなさい 僕は洋子に対し辛い事で強要したか していないよ」
この言葉も洋子には辛かった 言われれば神山は洋子に対し 辛い事の
強要は一切ないし 逆に楽しい事ばかりだった
今までの事が走馬灯のように頭の中をぐるぐる回り始めると
ふたたび机に伏して大きな声を出し泣いてしまった
神山は事態を見切り
「洋子 アルタにいくぞ 泣いているんだったら不参加だぞ
自分だって 僕の秘書で参加しなければいけないんだから」
洋子は自分を取り戻し 涙を拭くと化粧を全部落とした
涙声ながら
「はい いきます 参列します 済みませんでした」
神山は何も言わず 次長室を出ると車をビルに付けた

洋子が乗車すると
「ごめんなさい あなたの言うとおりです ごめんなさい」
神山は何も言わないで 運転をしていると洋子は簡単に化粧をした
アルタに着くと杉田と奈々子は既に来ていて奈々子が洋子に
「先輩 遅いですよ もう」
「うん ごめんごめん ふふふ」
奈々子は余り多くを語らない洋子を不審に思ったが杉田に
「では お嫁さんに挨拶をしてきますね」
「うん まあ ほどほどに ははは」
杉田は少し照れて奈々子に話していた








2013年8月22日木曜日

Vol.1139 百日紅 -5-66



本日は お忙しい所 ありがとうございます」
時田が頷き神山がお辞儀をするとみなでお辞儀をして部屋を出た

次長室に戻るとアレックスたちが再び神山に
「凄いですね 専務って」
「おいおい 僕にとっては肩書きは不要だよ 仕事だよ 仕事 ははは」
「まあ さっきは喜んでいたのに ねぇー涼子さん」
「ふふふ でも素晴らしいですよ 専務って」
「うーん わかった ありがとう それでこの分は今日持っていける?」
「ええ 大丈夫です 車2台で来ていますから」
「うん お願いします それからアレックス氏に宜しく伝えてね
こちらからもFAXを流しておきます」
「はい 了解です しかし美しいグラスです ねぇ涼子」
「ええ これが引き出物になるなんて 嬉しいです ふふふ」
「これからは 別部門で売り上げを見込めるから 安心だねJr」
「ええ 父親に感謝していますよ」
「でもね Jr 日本でも売り上げを伸ばそうと考えている 大丈夫だよ」
「へぇー 神山さんがそんなマジックをするんですか 楽しみです」
「うん まだはっきりは話せないのでココで 勘弁してね」
アレックスたちが部屋を出て行くと神山は改めて命課をみて
「しかし 専務だって もう怖いね」
「下のものからすると羨ましいわよ 凄いわね おじ様と一緒でしょ」
「うん いいのかな 困ったものです」
「でも 協会で理事をされているでしょ そこで顧問を受けていると
結構 常務より専務の肩書きが強いと思うわ あなたが考えているより
まわりはもっと敏感に反応していると思うの」
「そうかな だってさ 牛肉の焼き方にしろワインのうんちくにしろ
プライベートな部分がだよ それが顧問になるんだよ ほんと疲れるよ」
「ふふふ いいじゃない 有名税よ ねえ 11時のアルタですが
車でいくんでしょ」
「うん そうだ 翔の車に乗せてもらうのも手だね どう?」
「ふふふ 私たちは自分の車で行きましょうよ」
「うん そうだね わかった」

10時少し前に次長室に山崎絵里華が訪ねてきた
「やあ いらっしゃい」
「神山常務 じゃない専務 おめでとうございます 私 本日付けで
催事課勤務になりました ありがとうございます」
「うん あそこには倉さんや翔 屋敷君も頑張っているから 仕事は
凄く楽しいよ まあ大変だけどね」
「はい 奥村課長からも言われました 頑張りますのでお願いします」
「うん 焦らないでいいから じっくりと学んでくださいね」
「はい ありがとうございます では失礼します」
山崎絵里華が部屋を出て行くと神山は
「へぇー 若いと初々しいね ねぇー洋子」
「まぁー 若くなくて失礼ね もう」
「いやいや 変な意味じゃなくてさ 男でも そう翔だってロボットだろ
そういう部分が初々しくて なんかさ助けたくなるってそんな感じ」
「いいですよ 私の事は助けて頂かなくても はい」
「おーい そんなに自画自賛してどうするの もう」
「まあ 自画自賛 嫌ねぇー ほんと あなたがそうだから杉田君も
奈々子ちゃんに 色々と言われているのよ もう 分からないの」
「何が だって なにも悪い事は話していないよ もう」
「はい いいです もう さあ 支度をしましょうよ」
洋子が機嫌を損ねているので 神山もアルタにいく支度をしてソファーで
寛いでコーヒーを飲んだ

暫くして神山は
「洋子 翔と奈々子ちゃんの理事挨拶はどうなったの?」
「知りません ご自分で確認してください」
神山は杉田に電話をすると
「そうか わかった そうしたらさ アルタから帰ってからにしよう
ごめんな 手配していなかったよ」
「そんな 先輩 もう専務ですよ 大丈夫ですよ」
「うん これから秘書室に連絡するから 時間を聞いてくれ」
「はい 分かりました 済みません」
神山は電話を切ると本社秘書室に電話をした
「あっ 神山です」
「はい 専務 どうされましたか」
「あのぉー 杉田理事部長の そのぉー」
「はい 杉田理事部長さまがどうされたんですか」
「あのぉー 秋山さんはいますか?」
「はい ちょっとお待ちください」
電話の向こうで神山から電話だといいキャーキャーと喜んでいる声が聞こえ







2013年8月21日水曜日

Vol.1138 百日紅 -5-66



権田社長秘書の前田のこの一言で みな大笑いした

「社長 そろそろ時間ですが お願いします」
「おお もうそんな時間か じゃ杉田君 あがらない様に」
杉田は既に気分が高騰していて お辞儀もまともに出来なかった
「翔 どうした またロボットか おいおい」
それを聞いていた奈々子が杉田のお尻を叩きながら
「男でしょ 何しているの もう 嫌いよ」
杉田はその言葉に反応して
「何言っているんだ もう 動かないんだよ もう」
しかし 奈々子に言われ体が動いている事に気が付かなかった
「ふーん 大丈夫じゃん ほらしっかりして 美佳さんが可哀相よ
そんな姿を見せたくないでしょ しっかりしてよ」
杉田は美佳の事を言われ 発奮すると普段の動きに戻った
アレックスは秘書室に入る事が出来ないので 外で待つことにした

中村本社秘書室長が
「これから 特別人事命課を行います 杉田部長どうぞ」
杉田は呼ばれて 権田の前に行った
「杉田 翔 殿 右のもの 本日を持って東京本社理事部長を任命する
平成10年8月1日 株式会社鈴や 社長  権田三朗」
杉田は深々とお辞儀をして命課を手にした
中村部長が安井奈々子を呼ぶと
「安井 奈々子 殿 右のもの 本日を持って東京本社理事部長 杉田翔 の
専属秘書部長を任命する
平成10年8月1日 株式会社鈴や 社長  権田三朗」
奈々子は落ち着き払い 命課を手にした
中村部長が神山を呼ぶと 神山は参列者のところから権田の前にいくと
「神山 龍巳 殿 右のもの 本日を持って鈴や次長専務を任命する
平成10年8月1日 株式会社鈴や 社長  権田三朗」
神山は命課を手にし下がった
参列者みなから拍手が起こり 神山は少し照れていた
そんな神山に時田が近づき
「山ちゃん ワシと一緒だ 専務だよ これで正真正銘のトップ3だよ」
「はい ありがとうございます」
時田と話していると権田が
「山ちゃん お願いしますね 私財投資の件も考慮しています」
神山はこのとき 今回は権田が動いたと感じ ありがたく思った
「はい 大森さんをより大きな会社に育て 我が社に利益を産むようします」
「うん 大森さんは大変喜んでいらっしゃった 頼みます」
神山はこの温情を更にパワーアップしようとお辞儀をし挨拶した

参列者の理事がいなくなると アレックスたち4人が呼ばれ時田は秋山に
「椅子の用意と シャンパンだ 頼んだよ 急いでな」
洋子と奈々子が秋山と一緒に席を作ったり グラスを洗ったりした
「じゃ 改めて 杉田君 おめでとう」
「はい ありがとうございます」
みんなで乾杯をしてシャンパンを呑むと 杉田が奈々子に
「ねえ 専務って常務より偉いの?」
「もう 当たり前でしょ あなたより全然雲の上の存在よ もう」
「おいおい なんだよ もう 部長がそんな事言っていいのかな もう」
「あら だったらもっと勉強してよ 私 恥ずかしいわ もう」
やり取りを聞いていた隣の篠原涼子が奈々子に
「まあ 可哀相よ 秘書でしょ だったらもっと尊敬して教える事ね」
「だって 分からないのにもう」
反対側に座っていたナタリーが
「奈々子さん あなたは杉田さんの秘書でしょ 秘書って支える事なの
それと外敵から主人を守る事なのよ 二人がけんかをしていると
牙城はすぐに潰れるわよ それは本当よ 仲良くしてね」
その話を聞いた篠原涼子が
「Jrだって 我侭よ でもね私思ったの 彼が日本で仕事をしやすい環境
これって私のお仕事だって あなたも同じだと思うわ ふふふ」
二人に言われた奈々子は暫く考え杉田に
「ごめんなさい これから気をつけます ほんとごめんなさい」
杉田も
「うん 僕も勉強するよ ただ仕事が忙しいから 少し後になる」
奈々子は仕事と聞いて グラスの事を思い出し涙ぐんでしまった
一方 神山と洋子 時田は
「山ちゃん 権田さん 例のコースに行くそうだよ かなり気に入った様子」
「へぇー 楽しみですね それでいつごろですか」
「うん 秋になったら行こうって 誘われている その時はいこうよ」
「ええ そうですね お願いします」
みなで暫くの時間を過ごすと神山が
「では そろそろ次もありますので失礼します






2013年8月20日火曜日

Vol.1137 百日紅 -5-66



「えっ だってまだ3時半ですよ 大丈夫ですか」
「大丈夫も何も だって仕事が終わったんだよ さあ帰ろうよ」
神山は次長席で帰り支度をすると洋子も帰り支度を始めた
「ねえ 今夜だけど バーベキューでもしようか」
「ええ でも早い時間ね」
「うん 庭の練習場で少し動けば大丈夫だよ」
「はーい そうしたら地下で買い物をしていきましょうね」
神山は祐子に電話をすると留守電になっていたので これから帰ると
メッセージを残した
次に泰子に電話をすると
「はい 分かりました 大丈夫ですよ」
「そうしたら 近くに行ったら電話をするよ」
「はーい お待ちしていますね ありがとうございます」

8月1日 土曜日 快晴
朝8時半次長室
「じゃ Jr悪いけれど これがアレックスに渡すグラスです」
神山はJrにオリンピッククリスタルグラス記念の試作品を渡し
本国のアレックス氏のところにも配る分を渡した
この時点で100組が出来上がっていて 日本には10組を残し 残りは
全てアレックスに渡す事にした
「神山さん ありがとうございます そうするとこの60セットを
私たちに譲って頂けるわけですね」
「うん 僕も使わせて貰うし まあ有効活用をしてください」
「了解です」
神山は各協会の顧問になっている会社に売り込む員数と今後を考え15組を
手元において 残りをアレックスに渡した
「さあ そろそろ時間だから本社秘書室へいきましょうか」
神山は洋子に杉田と奈々子にこれからいくことを伝えるよう指示した
本社ビルにいくと杉田と奈々子が迎えお辞儀をしてくれた
「ははは 翔 今日くらいは スーツだろ まあいいか」
その言葉を聴いた奈々子は
「ほら 言われたでしょ もう 恥ずかしいわ」
「ごめん さあ いこうよ 仕方ないさ 先輩のようなスーツないもの」
杉田と奈々子はJrの後ろを歩き エレベーターでも最後に乗った
9時少し前に本社秘書室に着くと 秋山が笑顔で向かえ
「権田社長がお待ち兼ねですよ 常務」
「うん ありがとう」
一回も入った事の無い社長室に入ると権田がニコニコと神山たちを迎えた
「やあ 神山さん じゃない山ちゃん おはよう」
「おはようございます 朝早くからありがとうございます」
神山たちは深々とお辞儀をして挨拶すると神山が ARXの紹介をした
権田は紹介されるたびに皆なの手を両手で握り親交の挨拶をした

「では わがプロジェクトの試作品ですが進呈をさせて頂きます」
神山と杉田 Jrの3人がシドニーオリンピック記念グラスセットを
権田に手渡した
「うん ありがとう」
権田は直ぐに桐の化粧箱を開けると グラスを取り出し眺めた
「うん 素晴らしい ありがとう 山ちゃん」
傍にいた秘書がグラスを洗い シャンペンを注ぐと権田は
「うん 時田さんから聞いていたが 素晴らしい いいぞ山ちゃん 乾杯だ」
みんなで乾杯をすると権田はJrに
「アレックスさん ありがとう 素晴らしい夢を届けてくれた」
「はい 神山さんの夢ですから 楽しく仕事が出来ます 父親も大変喜び
近いうちに来日します」
「ほぉー そうですか 是非 名古屋に来てくれるよう伝えてください」
「はい 了解です」
女性群 洋子 前田加奈子 奈々子 篠原涼子 ナタリーの5人が
立っているので 権田は前田加奈子に
「おいおい ほらそこの空いている席に座りなさい ははは」
たまたま同席していた浮田慶子が椅子を用意し皆を着席させた
「しかし 美女ばかりだね 山ちゃん どうだね」
「はい、、、」
洋子は直ぐに
「ええ 以前にもお話をさせて頂きましたが スーパーマンでも弱点が
あるようで とんと女性には無関心です」
「ははは そうか 勿体無いな」
洋子が更に
「ここにいらっしゃるナタリーはジャックの奥様 篠原涼子さんは 9月の
23日にアルタの方と挙式 残っているのは私と安井です」
「あーあ なんと 我が社の最優秀な社員が残っているのか おい前田君
何とかならんのか えっー」
「あのぉー 私も残っています 他人のことは考えられません」






2013年8月19日月曜日

Vol.1136 百日紅 -5-66



だからゆっくりは出来ませんが 出席します」
「ええ 鈴やさんでは9時15分に行うと話されていました 私のところは
11時で充分だと思います お願いしますね」
「はい 畏まりました」
神山が電話を切ると洋子も内線電話で話をして驚いていた
「はい 常務に伝えておきます はい 失礼します」
「おやおや 大変な事になってきたね」
「今 おじ様から直接電話があったの 杉田君が理事部長だって」
「うん 内藤さんが仕掛けたらしいね ははは 参ったね」
「それでほら権田社長がいらしているでしょ 9時15分に本社秘書室で
人事命課ですって」
「あーあ ほんと知らないよ もう ははは」
「まあ のんびりしているのね 奈々子ちゃんも部長よ」
「えっ 課長を飛び越して部長なの へぇー おいおい大丈夫かな」
「ほら 今度の人事命課で本社扱いなのね だからおじ様の一声って訳」
「はぁー 凄いね 大丈夫かな」
「でも いいんじゃないの あなたや私の特例があるし ふふふ」
「まあ そうだね そうすると 軍資金も2つの会社から出るんだね」
「そうね そちらの心配も要らなくなるし ふふふ」
「そうしたら時田さんに電話をしておくよ」
「そうね その方が無難ですね」

神山は次長席に戻ると時田に電話をして 杉田と安井の特進について
御礼の電話をした
「ははは 凄いじゃないか 内藤さんが喜んでいたよ」
「はい ありがとうございます」
「それで 9時にアレックスJr氏と会うだろ 少しタイトだが頼むよ」
「はい 畏まりました ありがとうございます」
電話を切ると洋子に
「時田さん 喜んでいたよ よかったね」
「でも 1日は大変な一日になりますね」
「うん 僕も忙しいよ ははは しかし催事課は大丈夫かな 仕事があるし」
「そうですね 理事部長で本社の人事命課でしょ 催事課のお仕事は
どうなるのかしら?」
「まあ 部長職で理事が付くんだと思うよ それとも理事なのかな?」
「会社規約だと部長でしょ その上が部長でも理事が付くでしょ
理事部長って何かしら 秘書室に聞いてみるわね」
以前にも記述したが 課長職の上が部長職でその上が部長職に理事が付く
理事の上が神山の常務になり副社長の時田は専務になる
鈴やの会社規約では理事部長という職級はなく 神山のように次長常務と
同じように新しく作られたポジションだった
通常の理事にしてしまうと 鈴や銀座店催事課の仕事が出来なくなり
そこで販売促進部の専門部長を兼ねると意味合いで部長を理事の後ろに
付ける事にした これも時田が考えた苦肉の策だった
「なるほど そうすると理事なんだね へぇー凄いね翔も」
「ふふふ あなたが敷いたレールでしょ 助かるわね」
「しかし時田さんも 頑張るね ははは」
「そうね ふふふ」

二人で話していると杉田と安井が次長室に尋ねてきた
「先輩 ありがとうございます 感謝しています」
「ははは 凄いな翔 理事だものな 追い越さないでな」
「それは無いですよ そうそう奈々子も課長を飛び越し部長です
ありがとうございます」
「先輩 常務 ありがとうございます」
「ははは 今回 僕は何もしていないよ 内藤さんだよ」
「でも グラスの限定数だって追いつかない所を 私財を投資して
アルタの利益を産むようにしたでしょ そこですよ」
「ははは まあ それはそれで動かさないとね そうだ 奥村さんに連絡だ」
「あっ 大丈夫です 今 話してきました」
「そうか うん」
「驚いていましたよ 特に奈々子の特進には」
「だろうな まだ若い女の子に抜かれたんだもの ショックは大きいよ」
「ですね がっかりしていました」
「でも 奈々子ちゃんの席は部長席だろ 催事課には無いよね」
「ええ 僕の所だけです」
「そうすると翔がこけると 奈々子ちゃんの行き場所がなくなるな
ほら 部長になると何処でもっていかないだろ 頑張れよ」
「そうですよね 分かりました ありがとうございます」
「そうすると これからはアルタや鈴やでも理事で通るんだ うん
翔 早速 考ちゃんにお願いをして 部屋のプレートを差し替えだね」
「あっ そうですね 分かりました 早急に話します」
杉田と安井が部屋から出て行くと
「さあ 少し早いけれど僕らは帰ろうか」





2013年8月18日日曜日

Vol.1135 百日紅 -5-66



7月28日 火曜日 快晴
神山と洋子 杉田と奈々子は朝一番でクリスタル大森の会社にいた
「って訳で 各1万セットを作るとすると現状の生産能力では追いつけない
そこでセットやバラの上限を7777個にすれば約38万客で マシンを
あと7台購入すれば大丈夫です」
大森が言うにはマシンの生産が時間当たり3客から4客だったが
PCオペレーターのお陰で 精度が格段に上がり現在は6客彫れるように
なり 3台稼動させると1日に144客彫れる事になったと説明した
神山と杉田は昨夜電話でやり取りをして 限定数を7777客にすれば
オリンピック開催までに何とか間に合う事を確認した
工場の12時間16時間稼動も考えたが 人件費などの圧迫を考えると
長期の策ではなく 結局マシンを大量に投入する事になった
「神山さん 杉田さん わかりました そうしましょう」
「ええ ただし最初の1ヶ月は12時間位の稼動をしてください
でないとGOLに間に合わないのです お願いします」
「大丈夫ですよ 私も杉田さんから限定数をお聞きした時に果たして
間に合うか計算はしていました 今年一杯は15時間稼動するつもりで
スケジュールを組んでいます 人件費についても融資してくださった分で
充分賄えます 大丈夫です」
「では2億1千万円を振り込みます 大至急マシンを注文してください」
「そうですね ありがとうございます オペレーターの腕が良いので
最終チェックをしなくても手彫りグラスが仕上がりますよ 大丈夫です
本当にありがとうございます」
「今回の融資分はアレックスからの入金が発生してからで構いませんが
返金をお願いします」
「ええ 勿論 充分に心得ております ありがとうございます」

神山は次長室に戻ると直ぐに銀行へ向いクリスタル大森に2億1千万円を
振り込んだ
席に戻るとアレックスジャパンのJrに電話をした
「うん そういう訳で限定数を7777個にさせて貰いました」
「了解です でも私財を投資するって凄いですね 2億でしょ うーん」
「ははは でもARXがちゃんと現金で仕入れてくれれば直ぐに戻るよ」
「大丈夫です でも GOLのオープンに間に合いますか?」
「うん 今年一杯は工場を一日15時間稼動と話していたから 大丈夫だよ」
「はい それでは8月1日を楽しみにしていますね」
「うん お願いします そうそう利益は半分に見ておいたほうがいいよ
ほら 原価割りで販売する分が出てくると思うんだ」
「ええ 大丈夫ですよ いつもの事です」
「ははは そうだね ではお願いしますね」
「はい 失礼します」
電話を切ると洋子に
「ははは 凄い事になったね これで順調にいけば限定数を増やせるし
勿論 マシンを購入しないといけないけれどね」
「ええ 私も驚いているわ 全世界で38万客でしょ へぇー凄い」
「それでね 昨夜泰子とも話したんだ 今度の面談で輸入貿易会社が
名乗りを上げていて そこが国内の洋酒メーカーを抑えているんだよ
で そこにこのグラスを販売するようにすれば 国内の隅々まで
行き渡ることになるんだ」
洋子がよく分からない様子なので
「ほら トップダウンだよ 洋酒メーカーって販売網が確立されていて
輸送方法もしっかりとしているでしょ あえて開発しなくてすむわけさ
って事は 村の外れにある酒屋さんまでこのグラスが行き渡るわけさ」
「あーあ なるほど そうですね でも凄い事になりそう」
「だろ 考えているだけで楽しいよ お金の問題じゃなくてさ」
「そうね 杉田君とあなたの結晶が日本中の酒屋に行き渡るって凄いわ」
「まあ 二人だけでは出来ないけれど でも このスタッフで凄いよな」
「ええ あーあ私は幸せ ふふふ」
洋子は神山にキスをして おちんちんを触り求めてきた
暫くぶりに部屋でのSEXは1回果てた後もお互いが求めあい
快楽の時間を楽しんだ

昼食をしゃぶしゃぶで済ませ次長室に戻るとアルタの内藤から電話があった
「山ちゃん 凄いですね 杉田さんから聞きました」
「ええ 限定1万にすれば51億の売り上げでしたが残念です」
「いえいえ それでも38億じゃないですか 凄いです
それでお電話をしたのは杉田さんを8月1日付けで担当常務にします
勿論 安井奈々子さんも部長になります」
「えっ 翔が常務ですか はぁー」
「ええ それで時田副社長にお話をしたら 鈴やさんでも理事に昇進と
言われていました」
「えっ 理事ですか はぁー 凄いですね」
「ほら 山ちゃんがレールを敷いたから 動きやすいですよ」
「分かりました でも8月1日は午後から協会で面談なんですよ





2013年8月17日土曜日

Vol.1134 百日紅 -5-66



「うん それが難しい 下手に力むとヘッドの返しが上手くいかないんだ」
「ふふふ それもタイミングだから 練習しかないわ」
神山はそう言われると 1球ずつタイミングを計りながら打ち込んだ
泰子は祐子の後ろで見ていると
「祐子さん だいぶ慣れてきたわ 大丈夫よ」
「わぁー 嬉しいわ ありがとうございます ふふふ」
「後はどんな状況でも 真っ直ぐに打てるようにすることね その後に
ドローボールやフェードボールを覚えると良いと思うわ 大丈夫よ」
「はーい ありがとう 褒められると励みになるわ」
3人は各自の課題に取り組みながら2時間ほど練習した
「さあ それでは食事にしようよ どう泰子」
「ええ いい汗をかいたわ ふふふ」

3人はタクシーで泰子のマンション近くにある寿司屋に入った
威勢のいい掛け声で迎えられ 座敷のテーブルに案内された
神山がおつまみや生ビールを注文すると直ぐに運ばれてきて乾杯をした
「ところでさ 8月5日だけれど 伊豆山カンツリークラブにいこうよ
それで祐子 悪いけれど留守番をお願いします」
「ええ 全然気にしていませんよ 大丈夫よ」
「うん 今回はメンバーだけで行って来ます ごめんね」
「ううん 全然 そんな変に気を使わないでください 大丈夫ですから」
それを聞いていた泰子が
「そうね 隠していても後で分かるのって嫌だもの これも神山さんの愛情」
「おいおい でもね そうなんだよ 隠すと後で言い訳になるしさ」
「私は凄く幸せよ だってお仕事が楽しいもの ふふふ」
祐子は痩せ我慢をしている様子ではなく 心から刺激を楽しんでいた
「でもね 神山さん みんなが行くときには誘ってね ふふふ」
「それは勿論の話しだよ 大丈夫だよ」
ゴルフの話がひと段落すると泰子が
「ごめんなさい お仕事の話で」
「うん いいよ」
「今度の8月1日の面談ですが 飲料関係の貿易会社が来るんですよ」
「へぇー そんな会社も関係しているんだ あの協会は」
「ええ それで大手のワインやビールを輸入している会社で
国内に卸している貿易会社なんです 眞鍋香織が話していましたよ」
「へぇー でもなんで僕が顧問なの?」
「やはりネームバリューですね そう言われてましたよ 以前 ホテルの
ソムリエと戦った事がもう知れ渡っているんですよ」
「ああ 戦ったと言うより うん 分かった へぇー」
「ですから噂が広まっていて 洋酒業界やワインを取り扱う業界では
神山理事を是非 顧問にと電話が殺到しています」
「うーん そうか しかし困ったものですね 前回は牛肉の焼き方で
顧問でしょ 今回はソムリエと話した事で顧問か 困ったもんだ
ほんとプライベートが無くなる感じだね」
「仕方ないですよ それだけの事実があるんですから」
神山は洋酒関係の会社と聞いて 頭の中で何かが閃光したが形にならず
黙り込み考えてしまった
泰子と祐子はそんな神山を心配したが 仕事の事だと思い二人で喋った
「へぇー そこの会社って凄いですね 大手のメーカーさんに卸すなんて
そうすると そこを抑えるといいワインやビールが優先的に輸入できて
儲かるわけですね」
「そうなの 普通缶ビールなんかには貿易会社の名前は入っていないのよ
ただし そこを通さないと入手できないの 大した仕組みよ」

このとき神山が
「ねえ そこの会社でオリンピック記念クリスタルグラスを配る事って
出来るかな」
突然の話しなので泰子と祐子はきょとんとした
神山はクリスタルグラスの販売計画を掻い摘んで話すと泰子は
「凄いわね 出来るわよ だって顧問でしょ 絶対に大丈夫よ
そうすると例え販売にしても 流通は現在の運送を利用できるでしょ
それから 小さな規模のお店まで浸透しているから 凄い事になるわ」
「そうか うん 面談が楽しみだな ははは」
その話を聞いていた祐子が
「ねえ 神山さん でも51万客でしょ 生産能力はどうなんですか?
オリンピックまで約800日ですよ 単純に計算しても一日に630客の
生産能力がないと 追いつきませんよ」
神山はしまったと思い 考え込んでしまった
暫くして
「そうすると 販売計画を見直すか投資をしないと無理だね ありがとう」
「しかし 凄い事を考えられますね 驚きです」
「うん よし 明日話をしよう 助かったよ ありがとう」






2013年8月16日金曜日

Vol.1133 百日紅 -5-66



「はい お願いします 失礼します」
電話を切ると洋子に
「8月1日は9時に権田さんと会う その時Jrも一緒だよ」
「そうすると8時半にココに来れば良いですか」
「うん 早いけれどお願いします さあ 忙しくなったぞ ははは」

帰り際に
「洋子 今夜はどう 空いている?」
「ごめんなさい 母の買い物に付き合うのよ」
「そうか うん 分かったよ そうだ8月5日にいこうか」
「伊豆山カンツリークラブですか?」
「うん 前日から泊まりでどう?」
「ええ 大丈夫よ ふふふ楽しみだわ」
「そうしたらさ 由紀枝と泰子に連絡を入れておいてくれるかな」
「はーい 分かりました 明日でもいいでしょ」
「うん お願いします ホテルは僕が抑えるから」
「そうすると 車はどうするの?」
「うーん 洋子が運転で泰子は自分の車でしょ きっと」
「そうね ふふふ 嬉しいわ」
「店が定休日だから まあ罰は当らないよ」
「そうね では失礼します」
「うん ご苦労様 送っていくよ」
「ありがとうございます」
神山は洋子を車に乗せると代々木の自宅まで送りスタジオに戻った

「わぁー 早いですね お帰りなさい」
「どうだった 鎌倉のお蕎麦は」
「うーん 騒がれているほどじゃなかったわ ふふふ」
「そうか それで由紀枝は何時ごろ帰ったのかな」
「ええ 鎌倉でゆっくりして ホテルのプールでひと泳ぎしてから 
ココを4時半過ぎにでました」
「うん 渋滞になると大変だからね いい判断です」
「あの車って 全然疲れないわよ 鎌倉の渋滞でも全然平気でした」
「へぇー ストレスを感じなかったんだ よかった
それで えーっと 今夜は何か用意をしているの?」
「いいえ これからです ごめんなさい」
「ううん そうしたらさ 泰子を誘って練習でもするか」
「わぁー そうしましょうか」
「じゃ 泰子に連絡して ゴルフ練習場にいきますよって」
「はーい 了解です」
祐子は神山が一番に誘ってくれるのが嬉しくて仕方ないのか
ニコニコして泰子に電話をした
「はーい 良いわよ うん 大丈夫 30分で着きます」
「はい お願いしますね」
祐子は電話を切ると神山に
「30分ほどで練習場ですって」
「そうしたらさ 祐子 ビールを呑むからタクシーで来るよう伝えて」
「あっ そうか 忘れていたわ はーい」
祐子が泰子に連絡すると
「はい 大丈夫よ そのつもりだから ありがとうございます」
「では お願いします」
電話を切ると ニコニコして
「泰子さん そのつもりですよって言われてましたよ」
「そうだよな ビールを呑むから車を犠牲にしなければね ははは」
祐子は直ぐにタクシーを手配した

練習場に着くと泰子は既に来ていて体をほぐしていた
「やあ こんばんわ 突然でごめんね」
「ふふふ 大丈夫ですよ さあ 時間が勿体無いわ 練習 練習」
泰子が打ち始めると神山と祐子は体をほぐしはじめた
最初はピッチングウェッジからはじめ 徐々に番手をあげていった
神山と祐子も同じように小さいクラブから振り出し番手をあげた
泰子は5番アイアンをさかんに練習をしているので聞いてみると
「うーん トラブルの時を考えて練習をしているの ほら5番アイアンって
角度の調節がしやすいでしょ だからラフだけじゃなくて 例えば
そうそう 御殿場の10番のように崖から出すにもこれで練習をすれば
慌てなくてすむし」
「そうか なるほど それで5番か 分かりました」
「でも神山さんは まだ慣れが必要だから 万遍に打ち込んだ方がいいわ」
「わかった その後の課題だね」
「そうね ふふふ 楽しいでしょ 課題が沢山有って」
「まあね」
神山が打ち始めると泰子は神山の後ろについてスイングチェックをした
「だいぶ慣れてきたわね 今度はヘッドスピードを上げる練習ね」






2013年8月15日木曜日

Vol.1132 百日紅 -5-66



だって アレックスだって輸送費をどこかで消化しないといけないでしょ
でアレックスの利益を1万円じゃなくて1万7千円にすればどうかしら」
「そうだね そうすると流れとしてアレックスはクリスタル大森から
2万4千円で仕入れをして 卸す時には3万5千円で卸す でアルタには
デザイン料と化粧箱代として1万円の支払いか うーん」
「先輩 それで今 計算したんですが セットが各1万セットで3万で
18万客 バラが暫定ですが各1万で31競技種目で31万客 合計で
51万客ですよ 大丈夫ですか」
「ははは 大丈夫さ アレックスが全て買い取る事になっている
そうすると単純にアルタには51億の利益 げぇー凄いな」
「ええ そういう計算ですね アレックスの支払いはクリスタル大森に
122億4千万円でアルタに51億 五輪権利料が5億1千万円です」
「ははは 大丈夫だよ 安心しなさい そうすると時田さんに話して益率を
特別に下げてもらうよう交渉しないといけないな
いやぁー早い時期に分かって助かったよ じゃ早速いこうか」
神山は洋子に頼んで時田との面談をお願いした

本社副社長室で神山と杉田が時田と打ち合わせをした
「うん この数字でいくと仕方がないな分かった ワシからも各店店次長に
通達を流す おーい秋山君 山ちゃんのメモをコピーしてくれ」
「それで遅くなりましたが これが試作品です」
神山が時田にクリスタルグラスセットを渡すと 嬉しそうな顔をし桐の
化粧箱を開けた
「おおぉー 素晴らしい出来だね 杉田君 頑張ったね うん いいぞ
おーい 誰かいないか ビールかシャンパンだ」
時田の声を聞いて浮田が神山と杉田にお辞儀をしていると洋子と奈々子は
クリスタルグラスを洗いにいった
シャンパンが用意されグラスに注がれると時田が
「おおぉー 素晴らしい この泡も絵柄に会うな なあ山ちゃん」
神山はこのときはっと思い
「社長 冬季オリンピックのグラスにはシャンパンも付けましょうよ」
「おお そうだな いいアイデアだ うん 鈴や食品でも扱えるからな」
「ええ そうしましょう」
「では 乾杯だ 山ちゃん ありがとう」
時田に神山 杉田 洋子 奈々子の5人がシャンパンを味わった
部屋を出るときに神山は時田に
「申し訳ないのですが このカタログで宣伝をしてくださいお願いします」 
「うん 分かった でもこれだけで足りるかな」
「ええ 1週間しましたら もっとお持ちいたします
それから権田社長にもこのセットをお渡ししたいのですが 上京の時で
いいでしょうか それとも名古屋に伺った方がいいでしょうか?」
「うん 大丈夫だよ 8月1日に上京される その時でいいよ」
「はい 畏まりました では失礼します」

次長室に戻ると神山と杉田はほっと安堵した
「あーあ 良かったですね 先輩」
「うん あの件が通らないと うちとしても不利になるからね よかった」
暫く話をすると杉田と奈々子が部屋を出て行った
神山は早速ARXJPに電話をした
「やあ Jr 神山です」
「はい こんにちわ」
「Jr早速だけれど例のクリスタルグラス 日本国内販売価格を設定したよ」
「早いですね」
神山は経緯を説明すると
「大丈夫ですよ 100億単位でしたら 父親にも了解もらってます」
「うん それで本国に送るときの手続きなどはそちらで行ってください」
「うん 大丈夫 いつも使っている運送会社を利用するから」
「いやぁー よかった 助かったよ」
「ははは お疲れ様です でも鈴やさん以外で一杯売るとうちが儲けすぎ
そこは大丈夫?」
「うん ほら輸送費なども経費が掛かるでしょ だからそれを見越してさ」
「うん 助かります ありがとうございます」
「そうそう 試作のセットがあるんだ 近いうちに そうだ 8月1日に
社長が来るんだ その時にきてくれるかな」
「うん 大丈夫 何時がいいの?」
「そうだな 朝9時にお願いします」
「了解です 篠原涼子と副社長も伺います」
「はい 秘書室に伝えておきます ありがとう」
「では失礼します」
神山は直ぐに時田に電話をした
「おお そんなに早い時間に来られるのか うん 分かった
権田さんにはそのように話しておく いつもありがとう」
「では お願いします こちらは僕と杉田 あと秘書が伺います」
「うん 分かった シャンパンでも用意するよ」






2013年8月14日水曜日

Vol.1131 百日紅 -5-66



「どうするって?」
「うん 車で行こうか新幹線にしようかってところです」
「そうしたら新幹線の方が良いわよ でもどうかしら 上京の時に渡す」
「うーん それも考えたんだが 折角だから名古屋に出向いた方がいいかな
ってところなんだ それで翔も連れて行きたいんだよ」
「そうね 大本山に顔を売っておけばあとあと楽ですものね」
「うん 勿論 奈々子ちゃんや洋子も一緒だよ いいね」
「えっ 私たちも一緒ですか?」
「勿論だよ だって秘書じゃないか 当たり前だよ」
「はーい 分かりました」
「それで 時田さんのところに10セット位置いてもらい配ってもらうんだ
どうだろうか?」
「そうね 大丈夫でしょ でも10セットで足りるかしら」
「そうしたら もう少し大目に渡しておこうよ 驚くかな ははは」
「ねえ 名古屋はどうするの?」
「どうだろう 時田さんに聞いてみようか」
「そうね その方がいいわね 名古屋も偉い方が多いから」
「でもさ 100組しか作らないんだよ うちでそんなにキープ出来ないよ
アレックスだって世界規模で配ると思うし」
「そうか そうしたら いいじゃない 1セットのみで」
「そうしようか そうだね そうしよう」

お蕎麦を食べ終え次長室に戻ると杉田から電話があった
「うん 今は大丈夫だよ」
「では これから伺います」
杉田が次長室に入ってくると早速クリスタルグラスのカタログを見せた
「おお いい出来じゃないか 素晴らしいよ 本物のカタログと
見分けが付かないくらいだ」
「まあ 先輩 程ほどに それで一応ココには300部用意してあります
2,3日のうちに本物のカタログが7000部来ます」
「うん そうすると1セットに100部位だね」
「ええ でグラスの試作ですが もう少し作りますか って言うのも
ARXに渡す分はダンボール化粧箱がいいかなって思っているんです」
「うーん 難しい所だね 日本の桐箱か本ちゃん用の化粧箱か だね」
「ええ でシリアルナンバーはPⅡのって振れば問題ないしと考えています」
「翔 試作は100セット限りにしよう でないといくら投資をしても
追いつかなくなるよ 今は良くても来年になると大変だよ
それより 販売時期を早める方向性のほうがいいように思う どうかな」
「はい 分かりました それから鉛の含む量ですが もう少し入れると
バカラのように美しい透明感と音が楽しめるんですよ ただ日本の場合
ある部分で決められている所があって ルール違反すると
販売出来ないんです そこがネックなんです」
神山は暫く考え
「そうしたら アメリカのアレックスに輸出しようよ それで逆輸入だね
どちらにしてもアレックスが世界販売をしてくれるわけだ 流通経路も
ノウハウがあるし 向こうに任せておけば問題ないだろ」
「そうですね 生産国:日本と大森クリスタルを入れておけばOKですね」
「うん 僕はその方が得策だと思うよ 大森さんのところで 配送を
心配するより アレックスに全部納品する それが基本だから
輸送費などはアレックスと交渉をして 安く抑える そうしようよ」
「はい 畏まりました」
「そうすると 本ちゃんのグラスはもっと鉛が入るんだね」
「ええ そこがクリア出来たので大丈夫です バカラと同じように
美しい透明感と音が楽しめます」
「単価はどうなる?」
「ええ そこも大丈夫ですよ 実は今までの2万円ですが 大森さんと
色々と話したら 先方のマシン代など結構乗せていたんです
なので1客2万円の卸値段が1万4千円でOKです それでも大森さんの
ところには結構な金額が入ってきますよ」
「うん わかった そうすると1万4千円で卸 アルタのデザイン料1万円
五輪権利料1万円 アレックス利益1万円 合計4万4千円のグラスか」
「ええ そこですがJrに確認したんですよ五輪権利料は
1客に付き1000円で良いそうです それと内藤さんからOKを
頂いたんですが 化粧箱はデザイン料に含んで良いそうです」
「ほぉー そこまで詰めているんだ たいしたものだ そうすると
1客3万5千円の売り セットで21万円になるわけか うーん」
「どうしたんですか?」
「うん 翔 うちで販売する時の価格を考えていたんだ ほら利益を
仕入れ価格に上乗せするだろ そうすると販売価格に差が出来てうちで
取り扱うと在庫が出来てしまうんだよ」
「そこですね 問題は うーん困りましたね」

二人が考えていると洋子が
「いいじゃない 国内販売価格を例えば1客42000円にすれば







2013年8月13日火曜日

Vol.1130 百日紅 -5-66



神山がグラスの底を見てみると【P-001/P-101】となっていた
「なに このPって」
「試作のプロトタイプのPです 100組作りました それで半分ほど
買っていただけませんか?」
「ははは いいよ 全部買うよ えーっと1400万円だね
でもさ なぜ100組なのに101番なの」
「ええ ほら4番って嫌われているでしょ なので101番です」
「そうか 分かった では100組買いますね 宣伝にしては安いよ」
「店をとおしていませんから それにデザイン料も入っていません」
「ははは で誰に渡せばいいの?」
「ええ 自分です お願いします」
「わかった それからカタログを早急に作りなさい 考ちゃん頼むね」
「ええ 大丈夫です 写真撮影も終わり 本ちゃん用のパッケージも
綺麗なダンボールで手配しています 見本はこれです」
高橋孝一から見せられた化粧箱は藍紺のデザインで纏められ 作りも
ダンボールと思えないほど頑丈な作りだった
「今 化粧箱の試作をいくつか作っています」
「うん これなら配達の時に落下してもグラスは大丈夫そうだね」
「ええ そこに気を使っています ダンボール屋も初めてではないので
結構ノウハウを持っていていい化粧箱が出来そうです 期待しています」
「うん お願いします まずはこの試作を配る時に カタログがないと
訴求力が無いので お願いします それから翔 現物は何処にあるの」
「ええ まだ半分も出来ていないんですよ 30組程度です 私の部屋に
積んであります」
「そうしたら 自分で配る分を抜いて 後は僕の部屋に運んでください
そうそう 時田副社長や会社関係は二人で配りに行こう いいね
単独行動するとダブりが出てくるし あとダブりそうな所は
洋子にリストを渡しておいてくれるかな お願いします」
「そうですね 社内は完全にダブりますね 分かりました
早急に奈々子にリストを作ってもらいます」
「うん シンプルに自分が配りたい所でいいよ 考えると抜けるからね」
「はい 分かりました ありがとうございます」
「じゃ これは頂いていきます ありがとう お金は洋子が持ってくるよ」
「はい お願いします」

神山は次長室に戻ると洋子に事情を説明しグラスを見せた
「わぁー 素敵なグラスですね 良く出来ましたね」
「うん 翔も頑張っている様子だったよ それでこれを翔に渡して」
神山は引き出しから現金2000万円を取り出し洋子に渡した
「はい 分かりました では行ってきます」
神山はグラスを洗い冷蔵庫にいれ冷やした 洋子が戻ってくると
「ふふふ 杉田君ったら以前ならいいですって言っていたのが 今は
はい ありがとうございます って 大人になったわね」
「ははは あれも軍資金で調達したんだろう うん いいことだ」
神山はグラスを冷蔵庫から出し ビールを注ぐと綺麗な絵柄が浮き出た
「わぁー 何ともいえない美しさですね 素敵だわぁー」
「うん こうやって呑むと美味しいし 心が癒されるね」
「そうね このオリンピックが思い出されて良いと思うわ」
二人がビールを呑んでいると杉田が台車でグラスを運んできた
「おお ありがとう」
4人でグラスを下ろすと神山が
「翔 自分の分はどうした」
「ええ 後で良いですよ 残り物には福があるって」
「そうか そうしたら 2番を持っていきなさい そうそう奈々子ちゃんは
5番を持っていきなさい」
「えっ いいんですか?」
「うん いいよ 持っていきなさい」
杉田は化粧箱に書かれているシリアルナンバーを確認すると
「ありがとうございます 頂きます」
「先輩 常務 ありがとうございます 大切に使いますね」
「うん これからも頼むね そうそう奈々子ちゃん 少し休みなさい
仕事がきついのは分かるけれど 休むのも仕事だよ いいね」
「はーい 了解です」
「それから 翔 カタログを大至急作らせなさい 本式の印刷でなくてもOK
ほら この試作品を配るのに必要だろ カラーコピーでいいよ」
「はい 畏まりました 早速手配します」
二人が部屋から出て行くと神山は洋子に3番のグラスセットを渡した
「では プレゼントだ どうぞ」
「わぁー ありがとうございます」

神山は祐子や由紀枝に触発されお昼に お蕎麦が食べたくなり店内の
レストランへ食べに行った
おつまみのとりわさなどを食べながら
「ねえ 洋子 グラスをさ権田社長の所に持っていくの どうする?」





2013年8月12日月曜日

Vol.1129 百日紅 -5-66



「ところで由紀枝 今日はどうするの?」
「ふふふ ドライブよ 祐子さんと一緒に」
「へぇー どこに行くの?」
「ええ 鎌倉に美味しいお蕎麦屋さんが出来たって そこが評判だから
祐子さんと食べにいこうねって 前から決めていたの」
「そうか 気を付けてね そうすると夕方に帰るんだね」
「ええ アルコールが入ると不味いしね ふふふ」
「そうだね じゃ 僕はこれから出勤するよ」
「はーい 行ってらっしゃい 又 御殿場に来てね ばいばーい」
神山は二人に見送られ玄関を出た

次長室に入ると洋子が近寄ってきて
「どうでしたか 納車は」
「うん 二人とも喜んでいたよ 早速鎌倉までドライブだって」
「へぇー そうか、、、新しいお蕎麦屋さんでしょ きっと」
「うん へぇー 洋子も知っているんだ」
「ええ 女性週刊誌などで取り上げられているわよ」
「じゃ そのうちに行こうね」
「ふふふ 祐子さんに情報を聞いてくださいね」
「そうだね ホヤホヤの情報だものね うん 聞いておくよ」
神山はGプロの部屋に行くと高橋孝一と打ち合わせをした
御殿場アウトレットの見積りが出てきたが どのブースも予算を下回り
各企業には喜ばれるかもしれないが 共用部分の地下イベントスペースが
予算をオーバーし悩んでいた
「そうすると1億がどうしても出ないんだ 困ったな」
神山たちは共用部分は各社ブース予算から案分で割り当てるよう進めて
いたが 一番予算計上高くしているアレックスの出資割合を高くしても
追いつかなかった
「これ以上 アレックスに負担をかけられないね どうしようか 参った」
「そうしたら 共用部分にアレックスのスペースを設けるってどうかな」
「うーん でもさ考ちゃん これで説明しているでしょ 予算がありません
共用部分にブースを設けます 1億出してくださいじゃ 納得しないよ」
「そうですね 困ったな」
「全体の予算は余っているのに どうするか あーあ 参った」
「ねえ 山ちゃん そうしたらさ 腹を割って話したらどう」
結局 アレックスジャパン 東都食品 鈴や食品 ニーナ・ニーナと
4社が同額2千5百万円を出資してもらう事で話は落ち着いた
神山は直ぐ各社に電話をし 経緯を説明すると快く承諾してもらった
4社とも1千万円から3千万円戻ってくるので2千5百万円出資には
目を瞑りいいものを造ってもらおうと考えていた
「良かった でも地下を造るってお金が掛かるんだね 参ったよ」
「ええ それにミニ工場でしょ そこでお金が掛かるんですね」
「まあ 各社とも戻りが有るから目を瞑ってくれたと思うよ これが
そのまま予算オーバーです ったら出すのを渋るよきっと」
「そうですね でも良かった では早速報告します そうそう山ちゃん
このオーバー1億だけど 安くなる可能性は有るんだ だから安心して」
「ははは お願いします」

神山がGプロの部屋を出ようとしたときに杉田が部長席からでてきて
「先輩 ちょっとお待ちください」
「うん」
神山が振り返ると桐の箱を持っていた
「実はシドニーオリンピックグラスが完成しました 箱は桐箱ですが」
「へぇー 早いね よくやった」
杉田と神山は会議テーブルに座り 箱を開けてみるとグラスを手に取った
「へぇー これが大会キャラクターのグラスか良く纏めたね ねえ考ちゃん」
「ええ Gプロのスタッフと論議して決めました」
「あとは陸上競技・競泳・バレーボール・体操・柔道だね うんいいよ
そうすると この5種目でセットにするんだね」
「ええ セットはこの組み合わせをAプランで一押しのセットです
その他にもサッカーやテニス バドミントンや射撃などと 5種目プラス
大会キャラクターを入れて6客のセットを作ります」
「そうだね でもさそうすると31種目だから6プランでも1種目余るよ」
「ええ そこで全部の種目を網羅すると組み合わせが出来なくなるので
種目人気度や競技の多さを考慮して3プランに絞りました」
「そうだね その方が選びやすいね でその他の種目はバラで販売か」
「ええ そこなんですよ 全てバラで販売します って言うのは各グラスの
底にシリアルナンバーを振ります でAプランだとAの何番ってなりますが
バラのグラスにはA B Cと入らないんですよ」
「なるほど そうするとシリアルナンバーで揃えたい場合は バラで購入か」
「ええ そうした方が 売り上げが伸びると協議した結果です」
「いいね そうしよう うん」
「で このセットはP-1のシリアルが振ってあります」






2013年8月11日日曜日

Vol.1128 百日紅 -5-66



「そうね」
「それはそうと 練習はしている?」
「ふふふ 分かるでしょ あなたと一緒の時が多いのに そんな出来ないわ」
「まあ そうだよな」
二人は顔を見合わせ笑った
寿司を食べ終わるとマンションに戻り 気持ちの良い部屋で寛いだ
洋子は久しぶりの交わりに何度も快楽の頂点を迎え果ててしまった

7月27日 月曜日 快晴
昨日は由紀枝がスタジオに来て 外でバーベキューを予定していたが
あいにくの雨で急遽 ホテルでの食事になった
今朝は昨夜の雨が嘘のように快晴で 早い時間に起き由紀枝と祐子の
寝顔にキスをするとテラスでビールを呑んだ
蝉の鳴声や野鳥の歌声が聞こえてくると 祐子と由紀枝が目を覚ました
「わぁー 神山さん 早いですね まだ7時前ですよ」
「うん まあ 昨夜は早く寝られたからね さあ練習でもしようか」
「わぁー 熱心ですね ふふふ ねぇー祐子さん」
「そうなのよ 以前は朝もSEXしてくれたのに この頃は練習ばっかり」
「ふふふ そうなの でも夜はたっぷりしてもらえるからいいじゃん
さあ 練習 練習 いきましょうよ」
「私は朝食の支度をするから 良いわよ 私のクラブ使っても」
「へへへ 実はもって来ているんだ マイクラブ」
「へぇー 凄いわね」
「だって ほら時間があれば練習が出来るでしょ だから車に積んでいるの」
「そうか なるほど そこから考え直さないと駄目ね ふふふ」
神山と由紀枝は庭に出てスイングチェックをしながら 素振りの練習をした
先日祐子が購入した通称鳥かごで実際にボールを打つ練習もした
22日の大掃除が終わった時に 庭の掃除もしてもらい祐子が植木屋に
ゴルフ練習ネット設置を聞くと 植木には全然影響ないと言われた
23日に鈴やのゴルフ用品売場で練習ネット一式を購入し
庭でゴルフの練習が出来るようにした
「相変わらずいいスイングで 凄いですね ふふふ」
「うん 泰子からまずクラブに慣れて それからスコアアップと言われたよ」
「そうね 私もあそこの練習場でレッスンプロに言われました ふふふ」
「そうだね 折角のいいクラブだから いいところを引き出さないとね」
祐子は神山と由紀枝の練習が1時間と読み それに合わせ調理をした
焼き魚の香ばしい匂いが神山と由紀枝のところに漂うと
「おお そろそろ朝食だね いい匂いだ」
二人がスタジオに戻ると ちょうど料理がテーブルが並べられていた
神山が思い出したように東都食品から買ったサラダ缶詰を出し
試食をする事にした
「由紀枝 ホテルにもこの缶詰が届くよ それでパテントの件があるので
公にしないで欲しいんだ お願いしますね」
「はーい 支配人から伺っています 大丈夫よ うん 美味しいわよ
前回のサラダより美味しいわ レタスだけじゃなくて パプリカや
赤玉ねぎも入っていて 見た目も綺麗ね」
「うん どうだろう 売れるかな?」
由紀枝と祐子は顔を見合わせて
「300円でしょ 大丈夫よ 絶対に ねぇー祐子さん」
「ええ これだけ入っていて ドレッシングも付いていて 大丈夫よ
私も買うわ だって3年はもつんでしょ だったら買うわね」
「そうよ 夜勤の時やサラダだけお買い物ってめんどくさいし ふふふ」
「そうか よかったよ それでホテルにはアンケート用紙も入れたので
お願いしますね」
「はーい 了解です」
朝食を食べ終わると3人は朝寝をした

9時を過ぎた頃にVWの社員が来て納車が行われた
「わぁー いいわね ポジションが凄く良いわ」
「ほんと これなら御殿場からココまで来ても疲れないわ ふふふ」
「まあ 程ほどに運転してね」
「はーい 了解でーす」
祐子と由紀枝は玄関までの敷地内をクルクルと運転していた
「じゃ 東京駅まで換金に行こうよ 自分の車に乗って」
「わぁー 嬉しいわ ふふふ」
由紀枝と祐子は神山の先導で東京駅近くにある銀行にいった
換金をする時に神山が
「換金の額は 祐子と由紀枝が1億5千万円 そう書いてね」
「えっ 1億で良いですよ そんなぁー ねぇー祐子さん」
「そうですよ 私も1億で充分ですよ」
「うん まあまあ 洋子と僕は5千万円と決めているんだよ」
「はーい 分かりました では1億5千万円頂きますね」
「うん そうしてください」
換金の手続きを終えるとスタジオに戻った






2013年8月10日土曜日

Vol.1127 百日紅 -5-66



「そこで悩んでいるんですよ 実は」
「そうしたらどうでしょうか パッケージに和風ドレッシングとか
洋風ドレッシングって完全に差別化をすれば いけるんじゃないかな」
「そうかぁー その手がありますね」
「そうですよ ほら焼き鳥の缶詰だってタレと塩味ってあるじゃないですか
あの感覚で パッケージの色も変えていけば 消費者にわかり易いし
生産段階で調整が出来ると思いますよ」
「そうですね ありがとうございます」
「それで試食は幾つあるんですか?」
「ははは 参りました そこまで読まれているんですね 実は和風を200
洋風を200用意してきました」
「良いですよ 仕入れで買いますよ で以前のようにアンケートですね」
「はい 前回同様お願いします いつも気を使ってくださり
ありがとうございます 感謝しています」
神山は4万円を支払うとサラダ缶詰を受け取りアンケートに協力してくれる
人間を頭の中で整理をしていた
神山は田宮が帰るとゴテンバ グランド インの椿に電話をしてアンケートの
協力を要請した
快く引き受けてもらい次に伊豆赤沢ホテルの山本にも電話をした
「良いですよアンケート ありがとうございます」
「済みませんが パテントの関係で公にしないでください」
「はい 大丈夫です そうそう ゴルフ場の件ありがとうございます
神山様がメンバーになってくださると 大変ありがたいです」
「ははは まあ 皆様にご迷惑の掛からないよう プレーを楽しみますよ」
「はい こちらにも遊びに来てください お待ちしています」
電話を切るとアルタの内藤社長に電話をし掻い摘んで話すと
「大丈夫ですよ 小田原には私から電話を入れおきます」
「ありがとうございます 早速送らせていただきます」
電話を切ると洋子に ゴテンバ グランド インや伊豆赤沢ホテル アルタの
小田原工場にサラダ缶詰を送るよう指示をし
「さあ 残った分だが 本社人事に20、20渡して 後はお友達に渡すか」
「はーい そうね その方が色々と意見が出るわ きっと」
神山は由紀枝や亜矢子 泰子や香織など8人に2缶ずつ配る事にした
「じゃ アンケート用紙を準備して一緒に送ってください お願いね」
「はーい 了解です ふふふ 早速今夜にでも頂きますね」
「うん そうだね お願いします」

17時を過ぎた時に由紀枝から電話があった
「やあ こんにちわ」
「当ったわよぉー」
「おお 凄いや やったね」
「ねえ 祐子さんとも話をしたんだけど 5月の末に祐子さんと買った
宝くじの番号が同じなのよ これって凄いわ」
「へぇー そんな事があるんだ へぇー」
「ねえ 私 26日の夕方にいってもいいかしら」
「ああ 翌日納車だものね いいよ そうしたら納車の後に換金しよう」
「はーい では明日お願いしますね ふふふ」
電話を切ると洋子が
「ねえ 宝くじ 当ったの?」
「うん 1等の2億円と前後賞が当ったよ それでね5月末に祐子と買った
宝くじの番号が同じだったんだ 驚きだよ」
「へぇー そんな事があるんだぁー それこそ凄い確率ね
ねえ 私 1億もいらないわ 5千万円でいいわよ」
「うーん そうしたら僕も5千万円にして 祐子と由紀枝で分ければ良いや」
「そうね そうしましょう」
「洋子 久しぶりに代々木のアパートに行こうか 掃除もすんでいるし」
「そうね 行きましょうか」
二人は久しぶり代々木のマンションにいった

「ほんと 綺麗になっているわ」
「うん 祐子から聞いたが丸一日かかったそうだよ」
「そうね ほんとこの頃ご無沙汰だもんね ふふふ」
「そうしたら先に お寿司でも食べようか ほら先日行ったお寿司屋」
「ええ そんなに遠くないし歩いていきましょうよ」
泰子のマンションに近い寿司屋はココからも近く歩いても10分位だった
店に入ると大将の威勢のいい掛け声で迎えられ カウンターを案内された
おつまみや生ビールを注文すると直ぐに運ばれてきた
ゲタの鮮魚をつまみながら洋子に
「8月に入ったら 伊豆山カンツリークラブでもいこうか」
「いいわね そうするとこのあいだのメンバーを連れて行くの?」
「うーん 今回は洋子 由紀枝 泰子と僕の4人でいこうと思っている
ほら 正式なメンバーだからね」
「そうか でも祐子さんはどうかしら?」
「うん 仕方がないよ 今回は我慢してもらう」





2013年8月9日金曜日

Vol.1126 百日紅 -5-66



「ううん 先週買った ほら熱海で買った宝くじ 当ったわよ
ほら54組の192837を連番で買ったでしょ」
「えっ ほんとっ 凄いね あれって確かさ ゴルフのスコアだよね
へぇー連戦連勝じゃない でなん等?」
「ええ 1等と前後賞よ だから合計2億円当ったわ」
「へぇー 凄いね そうすると家の分はそれで充分間に合うね」
「ふふふ ありがとう それでね あなたが5千万円出してくれたでしょ
あれを お返ししようかと思っているのよ だから口座を教えて」
「うーん いいよ あれは僕からのプレゼントだよ だから気にしないで」
「でも そんなに甘えても罰が当るわ」
「大丈夫さ 当るのは宝くじだけだよ でもおめでとう ははは 凄いや」
「分かったわ じゃ あのお金は使わせてもらうわね」
「うん お母さんも喜ぶよ ほら細かい所を修正していくと金額が上がるし」
「ええ わかったわ でもほんとありがとう」
「うん モデルが出来たら連絡をください」
「はーい では失礼します」
電話を切ると洋子が
「亜矢子さん 又 当ったの?」
「うん これで4連勝か5連勝だよ 凄いよ 驚きです」
「へぇー そんなに当っているんだぁー 凄いわね」
「しかし 僕と一緒の時に買っているでしょ 亜矢子だけじゃなくてさ
だから思うんだよ 僕の運が逃げちゃうんじゃないかって」
「そんなぁー 大丈夫ですよ まだまだ運が付いているわよ」
「そうかなー 大丈夫かなぁー そうだ渋谷で買ったのはいつが抽選日?」
「確か 今日だから夕刊に載るわよ」
「運があれば 多分それも当りだね まあ期待しないでね」
「そうね 夢ですものね ふふふ」

神山が次長席で仕事に集中していると催事課の奥村課長から電話が入った
「山ちゃん じゃない常務 ありがとうございます」
「どうされたんですか?」
「うん 8月の人事移動で催事課に女の子がくることになって、、、」
「ああ 良かったですね」
「それがさ 常務の仕掛けだって分かったんです」
「ははは でも所詮女の子ですから 期待しないでくださいね」
「でも ほんとありがたいですよ」
「翔は完全には抜けませんが 多少感じる所があって 先手を打ちました」
「うん 時田社長からも伺いました ありがとう 助かった」
「まあ 屋敷君と頑張れば大丈夫ですよ なかなかの子でしたよ」
「へぇー もう会っているんだ」
「それはそうですよ でないとお勧め出来ないでしょ 大丈夫ですか?」
「ははは 嬉しすぎて頭が廻らないよ そうそう それで歓迎会と翔の
昇進祝いを兼ねて席を設けたいんだけど 都合はどう?」
「ええ 大体は空いていますよ ただ飛び入りがあるんではっきりとは」
「そうだよね どちらにしても8月に入ってからになります」
「早めに教えてください お願いします で場所は?」
「うん ホテル禅の日本料理 四季で行うつもりで話を進めている」
「はぁー それだったら早めにお願いしますね」
「うん 一応 時田副社長も呼ぶつもりなんだ だからお願いします」
「はい 分かりました」
神山は電話を切ると仕事に集中したが洋子が
「ねえ お店が開店しましたよ カード入れを買いに行かないの?」
「そうか そんな時間なんだ ありがとう じゃ一緒に行こうよ」
神山と洋子が店に入ると店員が丁寧にお辞儀をして挨拶をした
最初に行ったニーナ・ニーナで札入れと同じ皮で出来ている名刺入れを
洋子から勧められ買う事にした
「でも マチの部分が広いね 大丈夫かな」
「だって そんなに名刺を入れないでしょ このマチなら充分よ」
そんな話をしながら 店内の顧客状況を見ながら全館を廻った

お昼を食べ終えソファーで寛いでいると東都食品の田宮が訪れた
「先日はお世話になりました」
「いえいえ 北陸さんも頑張っているし 僕としては潰せないですからね
それで 今日は?」
「ええ 懸案だったサラダ缶詰のドレッシングが出来ましたので まだ
試作段階ですが是非ご賞味して頂き ご意見を伺いたいと思いました」
田宮は神山と洋子に缶詰を渡すと 用意した水でサラダを戻した
ドレッシングは缶詰の中に別な細長い袋に入っていて 切り口は手を
汚さないよう工夫され かける量も調整しやすかった
「いいじゃないですか 田宮さん 美味しいですよ」
「あーあよかった あとこちらの缶詰には別なドレッシングが入っています」
田宮は別なドレッシングをサラダに掛けると神山に勧めた
神山と洋子はドレッシングを食べ比べたが
「どちらも甲乙付けがたいですね」






2013年8月8日木曜日

Vol.1125 百日紅 -5-66



「そうでしょ だからここに居た方が 楽しいのよ ふふふ」
二人は渋谷の夜景を見ながらカクテルを楽しむとスタジオに戻った

7月25日 土曜日 曇り
「おはようございます 早いですね」
「うん ほら今日と明日は協会の面談が無いから少し早めに出て 仕事に
集中したかったんだ」
「そうね ほんと協会の仕事もこなさなければいけないなんて大変」
「うん しかし腕のいい秘書がガードしてくれているから楽だけどね」
「ここにも腕のいい秘書がいますよ ふふふ」
「ははは まあまあ」
洋子が席に着くと本社秘書室から電話があった
「秋山です おはよう洋子」
「おはようございます どうされたの 朝早くから」
「うん ゴルフ場から書留が来ているの お認めを持って来て」
「はーい 私だけかしら」
「ううん 常務のお認めもお願い でも凄いわね 聞いたわよ」
「うーん お友達の紹介ですって ふふふ」
「ほんと 羨ましいわ 綺麗になるしゴルフ場から書留だし ふふふ」
「じゃ 私と交代する?」
「うーん お休みが無いからこちらで我慢するわ」
「では 直ぐに伺いますね」
洋子は電話を切ると神山に伊豆山カンツリークラブから書留が来たことを
伝えると印鑑を借りて本社秘書室にいった

「もしもし 由紀枝でーす おはようございます」
「やあ おはよう」
「伊豆山カンツリークラブからメンバーズカードが届きました
ありがとうございます ふふふ」
「そうか 僕の所は今 洋子が秘書室に取りに行っているところだよ」
「へぇー 私のところは昨日の夕方届きましたよ ふふふ
これでゴルフが無料で出来るなんて 最高だわ」
「そうだね よかった 納車もあさってだろ そうしたら8月に入ったら
みんなで行こうか?」
「ええ いいわね 早めに教えてね」
「うん 了解です」
電話を切ると直ぐに電話がかかってきた
「泰子です おはようございます」
「やあ おはよう 伊豆山カンツリークラブのメンバーズカードが届いた?」
「あらっ そうなのよ よく分かったわね」
「うん 今 由紀枝から電話があったよ 僕の所にも届いたみたいだ
洋子が秘書室に取りに行っているんだ」
「ふふふ これで正式なメンバーね 頑張ろうっと」
「うん そうだね 由紀枝にも話したが 8月に入ったらいこうよ」
「ええ お願いします その時は自分の車で行くわね」
「どうですか 調子は」
「ええ 昨夜も首都高や東名を走ったの 全然ブレないわ凄く運転しやすいし
200k走っても全然疲れないわよ」
「へぇー そうなんだ」
「ただね 燃費が9kだからそこだけネックね」
「まあね 仕方ないよ」
「では 日にちが決まりましたら 早めに教えてくださいね」
「うん じゃ」

電話を切ると洋子が本社秘書室から戻ってきた
「はい これがあなたの分よ」
洋子が書留を渡すと神山が
「洋子がさ 秘書室に行っている間に 由紀枝と泰子からメンバーズカードが
昨日届きましたって 連絡が有ったよ 凄く喜んでいたよ」
「良かったわね でも早いわね」
「うん 入金を確認しているからだろと思うよ」
神山はカードを名刺入れに入れようとしたが 満杯になり
「参ったな もうカードが入らなくなったよ どうしよう」
「そうしたらカード入れを買った方が良いわよ 10枚くらい入るし」
神山は財布にカード入れや小銭入れが付いているのが嫌いで お札だけ入る
札入れをニーナ・ニーナブティックで購入したが 免許証は昔から
使っている少し厚いもので 名刺も入るようになっていた
「ねえ ビトロで見てくれば もしかしたらNNでもあるわよ」
神山は店が開店したら売場に行こうと決めた
洋子がソファーでメンバーズ規約を読んでいると電話が鳴った
「あなた 亜矢子さんからです」
「おお 分かった」
「亜矢子です 早い時間でごめんなさい ふふふ」
「うん もうスケールモデルが出来たの?」





2013年8月7日水曜日

Vol.1124 百日紅 -5-66



「そうか うーん でいくら掛かったの」
「ええ 450万円でした」
「えっ そうすると高い花瓶だったの そんなに高くない物だと思うけれど」
「ええ 花瓶自体は140万円ですが 周りのものとセットで 壊した花瓶が
もう現行品でどこを探しても無くて セットで入れ替えをしました」
「そうか それでアルタの内藤さんは知っているの?」
「不動産屋から直ぐに電話をして頂き 快くこの話を受けて頂きました」
「そうか わかった じゃ 電話をしておきます」
神山はアルタの内藤社長に電話をすると
「ははは 山ちゃん 大丈夫ですよ そんなに心配しないで 先方も
代替品を用意すると話してくれましたし 故意ではないですから」
「はい ありがとうございます」
電話を切ると祐子に
「よかったよ 怒っていなかった さあそれでは夕食にしようよ」
祐子が渋谷にある串揚げ屋に行きたいと言うのでタクシーを呼び向った

渋谷の繁華街にある串揚げ屋は女性週刊誌でも取り上げられた店で
店内に入ると 確かに会社帰りの女性グループが多かった
若いカップルも見掛けるが 男性だけのグループは少なかった
「しかし 大きなお店だね」
神山が驚いたのは 揚げている場所が3箇所あり そのうちの1箇所は
座敷専用に揚げていた
テーブル席は4人掛けだったが6人座っても充分な広さで 2人で
利用していても相席はされていなかった
丁度 カウンターが空いたので 座ると威勢のいい掛け声で迎えられ
仲居が注文聞きにきた
夜でもコースを設けていて 串揚げをリーズナブルに味わう事が出来た 
「うーん そうしたら 梅コース2人前とお好みでお願いします」
仲居が厨房に注文すると直ぐに生ビールと枝豆が出てきた
「じゃ 乾杯 しかし安いね ランチメニューと一緒じゃないの?」
「なにしろ美味しくて安いが ここのモットーですって
ランチは一番安いので700円ですよ それも凄いでしょ」
「へぇー 確かに安いよ ワインだって安いし 良く見つけたね」
「ええ ほら練習場のカフェなんかで女性週刊誌が置いてあるでしょ
それで見つけたの ふふふ」
「へぇー 大したものだ」
夜の松コースは1500円 竹コースは2300円 梅コースが3000円
それぞれにご飯やサラダ お吸い物まで付いてきて御代り自由の安さだった
あと女性に人気なのは明朗会計で メニューも細かくお品書きされていて
選ぶ楽しさも受けている一つの要因だった
「しかし 美味しいね うん久しぶりだよ」
「良かったぁー 喜んでもらって ふふふ」
神山たちはワインを1本貰い 梅コースを一通り食べると お好みで
何本か注文した
コースには入っていない松や竹の串揚げを注文し ご飯を食べ終えた
このお店でもギフトカードが使えたので精算すると神山が
「祐子 あそこのラウンジで カクテルでもどうだ?」
「わぁー 嬉しいわ ふふふ」
ふたりはシブヤハイアットホテルに向ったが祐子が神山の腕を絡め
楽しそうにヒットソングをハミングしながら歩いた

「祐子 夏休みを取ってもいいよ どう? だって5月の末から働きどおし
そろそろお母さんに会ってきなさい」
「ええ 大丈夫ですよ 母とはちょくちょく連絡を取っていますし」
「そうか 分かった 休みたくなったら遠慮しないで言いなさいね」
「はーい ここに居るほうが楽しいですよ 適当に刺激があって」
神山は祐子の顔をまじまじと見ながら
「こっちの事かな」
小指を立てるとクビを横に振り
「そんなぁー それだったら由紀枝さんと一緒よ 頭が幾つあっても
パニクッて 可笑しくなりますよ そっちは全然平気です ゴルフにしても
新しいお友達が出来るでしょ 練習をしないと駄目だし ふふふ」
「うん なるほど」
「それに この体形を維持したいし 一杯刺激があるわよ ふふふ」
「そうだね うん 分かるよ」
「今日もね メイドクラブの部長さんとお話しをしたんです そうしたら
いいオーナーさんや神山さんに恵まれているって 他の人はもっと
きついお仕事を言われたり 自由な時間が無くて辛い思いをしている仲間が
多いって そう言われたの だから幸せです ふふふ」
「ふーん でも祐子の仕事って そんなにきついのかな、、、」
「だって 奥様がいる家庭だと重箱の隅をつついた感じの苦情や 友働きで
夜遅い時間にお料理を準備したりって 結構大変ですよ あなたのように
こうやって食事に連れ出してくれる人って 殆どいないみたい」
「そうか まあ 金銭的にも気持ちにも多少余裕があるからね」






2013年8月6日火曜日

Vol.1123 百日紅 -5-66



大した情報も把握できていないじゃないか ねぇー」
「へぇー そんな部が出来るんだ そうね あなたの言うとおりよ
そんなの作る必要があるのかしら 理事を増やしてまで」
「そう そうだろ 理事を増やす事になるもの 時田さんに聞いてよ」
「まぁ ちょっと待ってね」
洋子は時田に電話をして理由を尋ねると
「うん ほら下の会計で部長が余ってくるんだ それで急遽考えたんだ」
「まぁー でも管理部だったら部下も何名か必要でしょ 勿体無いわよ
その分を各店で稼動させた方が メリットがあると思うわ」
「うん 分かっている でもな 降格は出来ないしな 悩んでいるんだ」
「その部長ってまだ理事じゃないでしょ」
「うん まだヒラ部長だ」
「そうしたら 会計の専門部長はどうなの おじ様」
「うーん それも考えたんだが 管理職から専門じゃ降格だろ うーん」
洋子も少し考えると
「そうしたら もう少し大きく捉えて 顧客情報管理部ってどうかしら
これは 外商部の顧客管理だけじゃなくて 色々な角度から情報を収集して
分析をするわけ それを売場や外商にフィードバックするようにすれば
作る価値があると思います」
「おっ そうかっ それはいい考えだ それなら本社に置いてもいいしな」
「ええ それに各店で余る部長を各店の情報管理部長にすれば良いでしょ」
「おお そうだな わかった そうしよう 早速堀田君に報告するよ
いやぁー 助かったよ ありがとう」
「いえいえ その方が責任あるお仕事だと思ったまでです」
「そうだな 外商ばかりではなく 顧客全体を考えれば凄い仕事だな」
洋子は電話を切ると神山に掻い摘んで報告した
「うん その方がいいね 特に銀座はね でも仕事量が半端じゃないな
大変な仕事量になるよ きっと 顧客の購買動向まで調べないといけないし」
「いいじゃない だって理事になるんでしょ そのくらいの仕事をしないと」
「まあ そうだね 翔や奈々子ちゃんのように休みなしで働かないとね」
「そうね でも 会計でそんなに人が余るのかしら、、、?」
「うん 先日 上野に行ったときの話しだけれどね 本社の会計と経理が
一つになるんだ 会計部が無くなって 経理部に吸収され スリムにする
そして各店と同じように経理部会計課にするって話しだよ」
「そうね 会計部って言っても 各店の確認作業だしね それはいい事ね」
「うん そんな事も考え合わさっているんだよ 今回の移動は」
「なるほど 人事を離れると 疎くなるわね ふふふ」
「仕方がないよ その分 こちらで頑張っているんだから」

神山と洋子が帰り支度をしていると時田から電話があった
「おお ワシじゃが」
「はい おじ様 急にどうされたの?」
「うん 先ほどの件だが 中止になった って言うより各店で情報管理部を
設けるようになった」
「へぇー 凄いですね」
「うん まあな まあそんな訳で 山ちゃんや洋子の人事命課参加はなし
って事で 連絡をしたまでじゃ」
「それで堀田理事から文章が来ないんですね」
「うん 彼も話していたが 各店で基盤を作り その後統括が良いだろう
って結論になった」
「そうですね その方がいいですね よかったですね」
「うん まあな ありがとう 助かったよ ハハハ」
「はーい それでは失礼します」
洋子が神山に報告すると
「へぇー まずは各店で基盤つくりか なるほどね まあその方が
情報を収集してどの様に活用するか まあ小手調べってところかな」
「そうね じっくり焦らずね ふふふ」
「うん 手探りで始めなければいけないから その方が動きやすいよ
本社にそれを作っても各店ではどこの部署が何をするか 慌てるだけさ
それだったら 最初から各店で作って 課長クラスで業務内容を
すり合わせた方が まだ効果的だよ うん」
「そうね 堀田さんも同じ意見ですって よかったわ」
「ははは さあ 夕飯はどこにしようか 何を食べる?」
「今日は早く帰るわ ごめんなさい」
「いいよ 昨夜だってゴルフの練習をしたし うん じゃ帰ろうか」
神山は洋子を自宅付近まで送るとスタジオに帰ってきた

祐子が居ないのでゴルフの練習に行っているのだと思いソファーで
寛いでいると祐子が戻ってきた
「あれっ 練習じゃないんだ」
「ええ ごめんなさい 実はゲストルームの置物を落として壊したんです」
祐子は今日の大掃除で置物を移動している時に 清掃スタッフが床に
置いてある置物に足を引っ掛けてしまい壊した事を話した
「それで不動産屋に届け出て 先ほど示談にして貰いました」






2013年8月5日月曜日

Vol.1122 百日紅 -5-66



「ええ 少しずつ前進あるのみです 焦ってもろくな事は無いですから」
「おや 翔 どうしたんだ へぇー」
杉田は少し顔を赤くして
「へへへ 実は美佳さんにも同じ事を言われているんです
なので 焦らない事がいいと そう決めています」
「うん そうだな まあ お金がいくらあっても センスが無ければ
なんか服が歩いているみたいだし ちんどん屋だもの いい心がけだよ」
奈々子が事前に注文した料理や生ビールが運ばれると杉田が乾杯をした
「でも 先輩 催事課ってほんと良く飲みますね 驚きました」
「ふふふ 丁度1週間ね 呑んべいの集団でしょ」
「ええ 流石に私もお手上げです」
「どうしたの そんなぁー」
「ええ 昨夜だって徹夜でしょ それで11時までお付き合いしたんですよ
ところが 9時前からお食事と言って ラーメン屋さんに直行でしょ
それで餃子や野菜炒めでしょ Gプロのスタッフとビールばかり
呑んでいて もうびっくり」
その話を聞いていた神山が奈々子に
「うん これはね 徹夜のときの儀式で って言うと格好いいな
実際は 徹夜作業の打ち合わせを兼ねているんだよ 大切な時間なんだ
普段話せない事など この時間を利用して打ち合わせをしているんだ」
説明を受けた奈々子は驚いて神山に
「えっ そうなんですか 私は全然分からなかったです へぇー」
「ほら 翔が話したように ゆっくり分かればいいよ なぁー翔」
振られた杉田は手を振って
「駄目なんですよ 先輩 人事ではお見通しでして 言い訳無用です」
神山は杉田の顔を見て
「なぁーんだ 早く言えよ まったく 言い訳したのに」

杉田や屋敷などと楽しく食事をすると次長室に戻った
「しかし 参ったね 翔には 折角言い訳したのにさ」
「駄目ですよ そんな言い訳は でもね呑んでもちゃんと仕事しているし
木曜日の開店には飾りつけが間に合っているわけでしょ いいじゃない
みんな知っているもの 大変な部署だって ふふふ」
「そうか なぁーんだ あーあ もう」
「銀座店の店長 池上さんだって 昔は催事課長だったでしょ だから
限られた時間の苦労は知っているし ふふふ大丈夫よ」
「そうだよな 池上さんが課長の時って もっと人数がいて 予算も
今では考えられないほど有ったって聞いた事があるよ」
「ええ ほんと 予算だけ見ると凄い数字だったわ 逆に屋敷君や杉田君は
予算が少ないし人は少ないし 大変は大変ね」
「うん そうだね 8月に来る山崎さんも可哀相は可哀相だな」
「でも 現状としては居ないより居た方がいいでしょ」
「それは勿論さ 翔はこれから軌道に乗れば 僕の分身だよ
それを考えれば催事課だって 人が居た方がいいに決まっているよ
そうそう 8月1日って 人事命課部長列席に参加するのかな?」
「どうなのかしら?でも銀座店の事でしょ 大丈夫よ どうして?」
「うん 協会の面談があるからさ うーん」
「だって 理事だって参加はしないわよ 大丈夫よ」
「そうだね 理事が参加しないのに僕が参加したら可笑しいよね ははは」
「そうよ もう 驚かせないで そんなことしたら 又 本社で大騒ぎよ
お願いだから 静かにしていてくださいね」
「おいおい だってそんな規約みたいに縛り付ける事はないと思うよ」
「あのぉー 銀座で理事が出席されると上野店はどうするんですか
もう 少しは考えてください 常務ですよ トップ3ですからね もう」
「はいはい 分かりました では気兼ねなく協会の仕事をします」

神山がソファーで横になっていると洋子が
「ねえ あなた 起きて下さい 堀田本社総務部長(理事)から電話です」
「えっ 堀田さんから電話 なんだって?」
「ええ 直にお話だそうです」
神山はこの時期になんの用件があるのだろうと考え電話に出ると
「常務 誠に申し訳ないのですが 実は8月1日の人事命課ですが
ご出席をお願いしたいのです」
神山は銀座店の話だろうと思っていたが 本社に外商管理部が新たに
設けられるようになり 本社でも人事命課が行われることになり
儀式に参加して欲しいという社命だった
「はい 分かりました で9時15分でいいのですね」
「ええ お願いします それと田所理事にもご出席をお願いします
尚 正式な文章は本日 お部屋までお届けに参ります」
「はい 分かりました」
神山は電話を切ると洋子に
「おいおい 洋子 本社に外商管理部が出来るんだって それで人事命課の
儀式に参加をお願いしますだってさ 洋子もだよ もう 大変だな
そんな 管理部なんてさ 各店で良いのに 本社が統括したって






2013年8月4日日曜日

Vol.1121 百日紅 -5-66



「ねえ 神山さんこの秋にアレックスや他のメーカーから 新しい
ゴルフクラブが発売されるんですって ご存知ですか?」
「ううん そんな話は聞いていないよ Jrも言わないし」
「へぇー 今日の新聞で取り上げられていました」
「しかしさ クラブが出たからって スコアが10縮まないよ」
「そうね でもあのクラブにしたら10縮んだでしょ ふふふ」
「うん まあ そうだね でもね 100万円以上するクラブだったら
今のを練習をして使いこなして もっとスコアを良くしたいな」
「そうね まずはクラブに慣れることが先決で スコアアップはその次ね」
「そうだな 何しろ慣れていないのにがむしゃらに振っても
いいスコアは期待できないからね」
4人はゴルフの話をしてお寿司を堪能した
前回のように洋子に泰子を任せると タクシーでスタジオに戻った

7月22日 水曜日 快晴
「って事で 泰子の納車に立ち会ってきます」
神山は洋子に泰子の納車が今日の午前中に行われる事をはなした
「ふふふ 昨夜 タクシーで帰るときに話をしていたわよ 大丈夫です
何かあったら 携帯に電話をします」
「うん ではお願いします」
神山はいつものように30分寝ると泰子のマンションに出かけた
部屋に入ると普段着で泰子が待っていて
「まあ 早いのね」
「うん まあね 今日も暑くなりそうだね」
泰子はアイスコーヒーを神山に出すと
「そうそう お中元 ありがとうございます 凄い量ね」
「ああ 届いた まあ ほんの少しでごめんね」
「あの量だったら 12月まで持つわよ それに高価な缶詰がぎっしり」
「そう? そんなに入っていた」
「ええ 一杯入っていて 普段買えない缶詰が一杯 ふふふ」
神山と泰子が食品協会や各協会の事で話をしていると VWの販売員が来て
VWゴルフ3VR6の納車が行われた

「じゃ泰子 首都高を走ってみようか」
「ええ そうね ふふふ ほんと運転しやすそうね」
泰子はそう言うと渋谷から首都高に入り1週すると
「うん 全然運転しやすいわね 気に入ったわ」
「そうだね まだまだ余裕があるし 東名でも250出しても全然平気だね」
「そうね ぐいぐいと引っ張ってくれる気がするわ」
「でも 泰子の運転って 上手だよ うん」
「ふふふ そうかな 隣に座った人が素敵だからよ きっと ふふふ」
「おいおい なにも出ませんよ ははは でもこの車だったら 祐子や
由紀枝も喜ぶだろうな」
「ええ きっと喜ぶわよ ねえ お昼はどうされるの」
「うん 戻るよ」
「じゃ 乗せていってくれる?」
「うん いいよ でも休みにすればいいのに」
「ううん そんなに休暇証を使うと罰が当るわ ふふふ」
「今日はどうしたの?」
「ええ 半休でーす だけどゆっくりも出来ないし」
神山は泰子を自分の車に乗せると 銀座の繊維協会が入っているビルで
下ろし 次長室に向った

「あら 早いですね どうでしたか?」
「うん やはりドイツの車だよ しっかりしているよ」
「へぇー 乗ってみたいわね ふふふ」
「でも どうだろう 洋子だったら真紅のポルシェの方が合うと思うけど」
「まあ さあお仕事お仕事 ふふふ」
神山は洋子が我慢しているのを知っているので それ以上話さなかった
ソファーで寛いでいると杉田から電話が入った
「先輩 こんにちわ」
「おお 翔 今日は定休日だろ そうか徹夜だったね」
「ええ それでどうですか? お昼は 久しぶりに」
「もう そんな時間か 分かった で何処にする?」
「えーっと 角の中華でお願いします ほら良く食べるのがいるでしょ」
「ははは 翔とテツだろ 分かった これから出るよ」
神山と洋子は鈴や近くの中華料理の店に入った
まだ12時前だが サラリーマンの常連が1Fを占めていた
2Fの窓際に行くと 翔と奈々子 屋敷が手を振って待っていた
「やあ 奈々子ちゃん 休まないの」
「ええ だってGプロのスタッフも出勤しているし 大丈夫です」
「しかし Gパン姿も格好良いよ ねぇー 洋子」
「ええ センスが良いわ 大丈夫よ 杉田君も少しセンスがよくなったわ」
言われた杉田はお返しをしようと思ったが 喉で止め






2013年8月3日土曜日

Vol.1120 百日紅 -5-66



それについて アイデアを出し合っていった
「祥子さん そろそろいいでしょう 随分といいアイデアが出てきて
ランニングプランが楽しくなりそうです それでこのアイデアを
実際に使えるようにしていきます ありがとう」
「ええ 私も楽しかったですよ そうするとメンズは基本的にはこの
方向性でOKで 試作を製作します 私も楽しみです」
「うん しかし思い切ったデザインだ Gパンの裾をこんなに細くして
うーん 大丈夫なのかな 脱ぐ時が大変じゃないかな ははは」
「ええ 大丈夫ですよ シルエットが今までに無い形で綺麗ですよ」
「分かりました 楽しみに待っています」
祥子とデザイナーが部屋を出ると 17時を廻っていた
Gプロの高橋孝一も次長室をでると洋子に
「さあ それでは帰ろうか 何も無いよね」
「ええ ふふふ 杉田君からお誘いがありますが ふふふ」
「ああ オリンピックグラスだろ うーん まあ今夜は帰るよ」
「はーい 連絡しておきます」

神山は泰子に電話をした
「やあ こんばんわ ねえ泰子 これからゴルフの練習ってどう?」 
「ふふふ 大丈夫ですよ」
「そうしたら 1時間くらいでマンションにいくよ」
「あら 皆さんは?」
「うん 祐子と洋子だよ 由貴や桃子はどうだろうか まだ連絡していない」
「はーい 分かりました では用意して待っていますね」
電話を切ると洋子に
「今夜は泰子のゴルフレッスンだよ 参加出来るでしょ」
「へぇー お願いします」
神山は次長室を出ると赤坂のスタジオに戻り ゴルフクラブを準備して
タクシーで泰子のマンションにいった
泰子は駐車場で神山を見つけると タクシーに乗り込み練習場にむかった
「ねえ 神山さん伊豆山カンツリークラブって 難しそうよ」
「へぇー」
「ええ 距離はバックティーで9ホール3400yはあるって それから
コースレートも36から40あるって言っていたわ」
「へぇー 良く調べたね」
「ふふふ だってプレミアム会員でしょ 向こうに聞いたのよ」
「へぇー」
「なので 落としどころでしょ 難しいみたいね 池も配置されているし
フェアウェイでも微妙なアンジュレーションがあるそうです」
「へぇー 楽しみだね」
神山と泰子が話していると練習場についた
早速4人は 軽い運動をしボックスに入りボールを打ち出した
泰子も最初 自分の練習をしていたが洋子や祐子のスイングをチェックした
洋子も祐子もレッスンを始めると 少しずつ玉筋が安定してきて
「ほんと ちょこっとしたところね ありがとう泰子さん」
「うん さっきより全然いいわよ それを体に染込ませてくださいね
今夜は基本中の基本です 祐子さんもいいスイングよ」
「ありがとうございます 泰子さんってわかり易い説明だもん
すぐに実行できるし 納得しちゃうわ ふふふ」
泰子は二人に教えると 神山の後ろに立ちスイングを見ていた
「どう 泰子?」
「うん 全然 問題ないわ そうね 応用としてフェードやドローボールの
正確性かな それと持ち球をどれにするかね 例えばストレートなら 
風の具合を読んで 正確にピンポイントに落とせるようにしないとね」
「そうか そうするとストレートだけを磨くんじゃなくて 色々な状況で
色々なボールが打てるように練習をするんだね」
「ええ プロじゃないからどうだろう でもね 風によって使い分けて
スコアをよくしていかないといけないし ふふふ」
「そうか 分かりました」
「でも 神山さんのストレートボールって威力があるわよ 低い弾道で
ものすごい速さで出て行くでしょ あれって風に負けないもの
だから もう少し打ち出しスピードが早くなると 強力な武器になるわ」
「へぇー そうか わかった」
神山は泰子から褒めてもらい ストレートボールに磨きをかけようと
何回も打ち続けた
2時間くらい練習をすると神山が
「じゃ そろそろあがろうか洋子?」
「そうですね お腹もすいてきたし ふふふ」
4人は練習場を出ると泰子のマンションに近い寿司屋にはいった

「さあ 泰子 レッスンありがとうございますでかんぱーい」
4人が乾杯すると鮮魚の盛り合わせやおつまみが運ばれてきた
神山は祐子が伊豆山カンツリークラブの会員権を取得できないので
極力話題にしないよう気を配り 泰子や洋子もその件に触れないようにした





2013年8月2日金曜日

Vol.1119 百日紅 -5-66



デザインを打ち合わせをしているので 最終判断をして欲しいとの事だった
神山がGプロの部屋に行く事を洋子と泰子に告げると
二人はコーヒーを飲みながら話していたが
「では 失礼しますね ありがとうございました ふふふ」
泰子は二人に丁寧なお辞儀をすると部屋を出て行った

神山がGプロの部屋に入ると杉田やアルタの高橋孝一らが 立ち上がり
挨拶をした
「おいおい 考ちゃん どうしたの」
「ええ 実は杉田部長から言われまして はい」
「翔 何を言ったの?」
杉田は先ほどGプロの面々と会ったときに 挨拶が無かった事が気になり
礼に始まり礼で終わる事を話したと神山に伝えた
「分かった うん そうだね 考ちゃん達も気をつけようね」
神山は会議テーブルの上座に座ると 杉田がデザインを見せながら
説明をしていった
全てのデザインを見終わると
「良いじゃないか 良く短時間でこれだけ纏めたね 凄いよ うん
考ちゃん ありがとう」
「ええ 杉田部長のたたき台がよく こちらも仕事がしやすかったですよ」
「そうか 良かった」
「ほんと こちらに来られてから 休み無しですよ ははは 僕等も
頑張らないといけないですし 大変でした」
「そうか それで翔 これを1客づつでも彫ってみるといいよ」
「えっ だって31競技もあるんですよ 大丈夫かな」
「おいおい 遊びではないんだ どんな時でも試作は必要さ だろ」
第27回シドニー夏季オリンピックは 2000年9月15日から10月1日までの
期間 オーストラリア シドニーで行われる予定 競技種目は31競技
陸上競技・競泳・飛込・水球・シンクロナイズドスイミング・バレーボール
サッカー・テニス・ボート・ホッケー・ボクシング・ウエイトリフティング
体操・バスケットボール・レスリング・セーリング・卓球・馬術・自転車
ハンドボール・トライアスロン・フェンシング・ソフトボール・テコンドー
柔道・バドミントン・射撃・近代五種競技・アーチェリー・野球・カヌー
が行われる
「分かりました では早速試作に取りかかります」
「うん 向こうにいるオペレーターと相談しながら製作をしてください
そうそう 考ちゃん 出来上がったら 個別の写真と集合写真の撮影」
「ええ 了解ですよ カタログや商品に添える写真ですね」
「うん そうだな 翔 そうしたらシドニーオリンピックのエンブレムが
あるからそれも作ったほうがいいね そうしよう」
「そうか 分かりました 早速デザインを起こします」
「うん 裏側が問題だな オーストラリアをモチーフにしたものを
なにかデザインしないといけないね」
「先輩 大会マスコットが3種類あるんですよ それを使います」
「うん 分かった じゃその線でいこう 頼んだよ そうだ考ちゃん
ARXで販売するんだが CMを作ろう あとインターネット用の
デザインなど どこまで宣伝するか纏めて行こうよ」
「ええ 大枠はJr社長と決めています 詳細はまだ決まっていません」
「うん ありがとう 兎にも角にも商品が出来ていないと動けないね
翔 頼んだよ あと2年だからね 最低でもGOLのオープン時に
ARXブースに並べなければいけないんだ いいね」
「はい 急ぎます」
「うん 商品撮影や箱の製作などまだまだ未定の部分があるからね
考ちゃんもお願いします」
「ええ ほんと GOLが終わって 今度はこちらで大変ですよ ははは」
神山は杉田に10万円渡すと
「まあ今夜はスタッフと一緒に これで美味しいものでも食べなさい」
「はい ありがとうございます 高橋さん って事で今夜空けてください」
「はい 部長 分かりました」
神山は状況を確認すると次長室に戻った

部屋に戻ると直ぐにNNの祥子から電話があった
「こんにちわ」
「やあ」
「実は これからですが お時間よろしいでしょうか」
「ああ メンズの件ですか OKですよ それで何時ごろ?」
「ええ できれば直ぐにお願いをしたいのですが」
「了解です お待ちしています」
神山は次長席でNNブースのランニングプランを考えていた
暫くするとニーナ・ニーナの祥子とデザイナー2人がやってきた
今回はファッションデザインの方向性を決めるためだったが話は
GOLのランニングプランまで及んだ
二人のデザイナーと話していると いいアイデアが出てきたので 
Gプロの高橋孝一を呼び 打ち合わせに参加してもらった
神山は大きな流れ(年間ストーリー)を話すと デザイナーや高橋孝一は






2013年8月1日木曜日

Vol.1118 百日紅 -5-66



神山は田宮との電話を切るとGOLの仕事に集中した

「ねえ あなた 秘書課からです」
洋子が本社秘書室に呼ばれ郵便物を取りにいき 神山に渡した
「ああ 早いね ほら会員権の申込書だよ」
神山は封を開けるとそのとおりで
「洋子 時田さんにこの申込書を書いて貰わなければいけないんだ」
「ふふふ いいわよ お供します もう」
神山は時田と権田のゴルフ会員権申込書を持ち 本社へ向かった
副社長室に入ると時田が
「やあ 山ちゃん どうした」
「ええ 普段お世話になっている気持ちです お中元かな」
そう言うと 洋子に会員権申込書を時田に渡すよう指示した
受け取り眺めた時田は神山に
「おぉー いいゴルフ場だな しかし 今は買えないよ 残念だが」
「ええ 買ってあります 本人の申し込みだけです」
時田は狐につままれた表情で神山を見た
「ええ もう入金は済ませてあります ご本人の登録だけです はい」
「おーい 山ちゃん 本当かぁー」
「ええ 色々とお世話になっていますので 少しでもと思いまして はい」
「分かった ありがとう 嬉しいよ うん」
時田は席で少し涙ぐみ 神山を呼ぶと
「ありがとう うん 嬉しいよ」
「ははは もう 大丈夫ですか しっかりしてください」
そういうと もう一枚 権田の申込書を見せて
「社長 権田社長の分も支払いを済ませています そこで渡して頂けませんか
私より 社長からのほうがすんなりと行くと思います」
「うん 分かった ワシから渡しておく ありがとう」
神山と洋子は次長室に戻ると会員券申込書を熟読した

「泰子 こんにちわ」
「はい 理事 こんにちわ どうされました?」
神山はゴルフ会員権のことを掻い摘んで話すと
「わぁー 本当ですか ありがとうございます それで」
「うん 運転免許証など身分証明証と住民票 印鑑それで返信でOKさ」
「わぁー そうしたら 住民票は区役所で取り寄せ すぐに伺います」
「ははは 分かったよ」
「ええ 中央区役所でも発行してくれるので すぐに伺います」
神山は電話を切ると 洋子と一緒に中央区役所に住民票を取りにいった
「洋子 今は便利になったね 神奈川でもここで取得できるんだね」
「ええ ほんと便利ね でも そのカードを紛失しないようにね」
「そうだね ははは」
二人が本館庁舎を出るときに泰子が歩いてきて
「あら 神山理事 ありがとうございます これから取り寄せます」
「ははは 分かった 待っています お昼を一緒に食べようね」
泰子は頷くと駆け足で庁舎に消えていくと洋子が
「よほど嬉しいのね もうニコニコして 足取りも軽いし ふふふ」
「まあ 喜んで貰えれば僕も嬉しいよ」
「そんなぁー 誰だって 嬉しくなるわよ」
「まあね」
神山は昨夜 祐子に話したことを伝えると
「でも それも愛情でしょ 彼女の現状を考えれば その方がベターでしょ
逆に申込書を貰っても あなたに断ってゴルフですって言えないと思うわ」
「だよね だから正直に全部話した そうしたら 今は練習で腕を
あげることが先決ですって言われたよ」
「うん そうね まあ 仕方がないわね」
庭で話していると泰子が駆け足で神山たちのところに来た
「お待たせしました ふふふ 貰ってきました」
3人は泰子の希望でざる蕎麦をたべ次長室に戻った

「わぁー これが申込書ですか」
「うん じゃ泰子 間違わないように記入してね」
3人は申込書の記入を終えると返信用封筒にいれ ポストに投函した
「あとは 由紀枝だけだな どうするかな、、、」
「ふふふ 来て貰ったらどう」
「うん それもいいけれど うーん じゃ洋子 自宅に送ってください」
「まあ いいの?」
「うん 駄目なんだよ 祐子と由紀枝ってさ元気で 疲れるよ お願い」
「まあ ふふふ分かったわ」
神山は洋子と目を合わせないよう次長席に戻るとすぐに電話があった
「はい 神山です」
「やあ 山ちゃん 杉田さん 凄いね」
「突然 どうしたのさ」
アルタの高橋幸一はGプロの部屋で 杉田を交えオリンピックグラスの