2013年5月27日月曜日

Vol.1052 百日紅 -2-63



若社長 ごめんなさい 隠していました」
「林さん どういう事ですか?」
林は涙して答えられないので神山が洋子の資料をみなに見せた
驚いた田宮は
「えっ そんな 2億も焦げ付かせたんですか えっー」
「若社長 本当にごめんなさい 分からないうちに何とかしようと
色々と手を打ちました しかし急に2億は戻ってきません ごめんなさい」
神山は一息ついて
「林さん 一昨日食品協会の面談を行いました そこで北陸食品工業の
村上妙子さんとお話をしまして 顧問を引き受けました 最後にお手紙を
頂きました これです どうぞ」
神山は林に渡し
「しかし 調べると営業成績や色々な角度から調べても どう考えても
北陸食品さんが 傘下に入るのは可笑しいと結果が出ました 勿論 素人が
調べる事ですから 詳細は分かりません しかし このように土地購入費が
焦げ付き2億円て出ていれば 誰でも判ります 林部長 どうされますか
はっきり申し上げて 資金繰りの危ない会社と鈴や食品は手を組みたく
無いですし 如何でしょうか 折角御殿場もOK出されているんですが」
「神山さん この村上様の言われている事は本当です しかしわかって
ください GOLに参加したい為のことです」
「分かりました では2億円どの様にされますか」
「ええ いま必死に探している所です でも見つからないのが現状です」
「もう直ぐ正式な契約書を取り交わすのに 2億のマイナスでは
鈴や食品の時田社長もうんとは返事を頂けないと思います」
「神山さん 鈴や食品さんで 何とか立替をして頂けませんか 返済は
弁護士を立てて計画的に行いますので」
「時田に内情を説明し 御社の立替をするんですか」
「ええ その方法しか生き残れません 申し訳ございません」

神山は一息ついて
「なぜ北陸食品さんの直ぐ傍に工場を建てたいと思われたんですか」
「ええ あそこは漁港が直ぐ傍で それこそトラックで魚を運ぶ距離では無く
すぐに工場に入れることが出来る立地条件なんです それで私の一存で
土地の手付金を支払ったんですが その後に別な会社がそこを購入しようと
動きかけたんです それが北陸食品さんです そこで私は合併すれば
両方の会社が上手く行くと思っていたんですが そのうちに北陸さんが
合併は少し待ってくださいと そのようなお返事を頂 この始末です」
「田宮さん どう思われますか」
「言葉がありません 申し訳ございません しかし私も私財を出しても
とてもそこまでのお金はありません 困りました」
神山は暫く考え 預金通帳を持って来た
「洋子 小さくていい メモをください」
神山は洋子からメモを貰うと 現在の残高が分かるようにした
「林部長 ちょっと宜しいですか こちらに来てください」
神山は林に現在の残高を見せると林は驚き目を丸くした
更に神山は次長席から 5千万円持って来てテーブルに置くと田宮に
「田宮さん 私は林さんにお見せした預金があります それはほんの
一部に過ぎません 私は鈴や食品副社長と言う大変な地位にあります
GOLを潰すわけには行きません そこでこの通帳から2億5千万円を
出資します 現金で5千万円出資します 合計3億円です
ただし 回収はしません ご安心ください しかし慈善事業ではありません
チェック機能も働いていません 私を副社長として向いいれてくだされば
この3億円は差し上げます 如何ですか」
田宮は林を見たが頷いているので直ぐに
「神山さん お願いします 副社長でお迎えします」
「条件 手当て給与込みで月1千万円 賞与なし それから軍資金ですが
現在の300万円でOKです しかし専属理事秘書として田所洋子
手当給与込み月500万円 賞与なし これで如何でしょうか」
「はい お願いします 本当にありがとうございます」
「では洋子 早速契約書です お願いします そうそう 私の給与振込みは
スイス銀行とする 毎月15日 土日祝日の場合は前営業日とする
この文章も入れてください そうそう田所洋子については別途定める
これでいいでしょう お願いします」
洋子は直ぐにPCで契約書を製作すると神山に渡した
神山は漏れがないか 何回も読み直し田宮に渡した
「神山さま OKです それで副社長は株式総会の承認が必要です」
「ええ 株主の皆様に 宣伝をしておいてください お願いします
宣伝が行き渡らない時には この事実が明るみに出て行くだけです
それから副社長と専属秘書の人事命課は本日付けです いいですか」
「はい 午後になりましたら命課をお持ちいたします」
神山は5千万円を田宮に渡し 契約書にサインを求めた
田宮がサインをすると神山がして記入日をいれ 立会人で洋子と里香がし
最後に林もサインをした
「洋子 ではこれをコピーしてください」