2013年5月12日日曜日

Vol.1037 百日紅 -1-62



【眞鍋 香織 殿 右のもの 本日を持って株式会社九州畜産農業
    本社顧問神山龍巳の専属秘書を任命する
   平成10年7月11日 株式会社九州畜産農業 社長 西郷 康夫】
給与手当て70円毎月18日指定銀行入金 土日祝日の場合は前営業日
賞与250万円 7月14日 12月14日年2回 14日が土日祝の場合は
前営業日振込みとする
勤怠契約書に押印すると西郷も社判を押印し コピーをとり鞄にしまった
「神山理事 これは少ないですが お礼です 収めてください」
「うん 名前に傷をつけないでくださいね お願いします」
「はい ありがとうございました」

「神山理事 ありがとうございます」
香織は神山に抱きついてキスをすると神山は
「ほら 次がある 早くしなさい」
香織は仕事に戻り 次の面談社を案内した
この会社も 苦情を話すだけでどうしたら会社を良くするという政策が
聞けず 神山も困った 
その何社か後に株式会社キングビーフとちょっと中堅の会社がきた
「私 キングビーフ販売担当常務をしています 坂田と申します」
坂田は名刺を出し深々とお辞儀をすると
「実は神山理事に牛肉の加工について 製品吟味をして頂きたく伺いました
私どもでは ご存知のようにビーフジャーキーを全国展開しております
そこで新製品開発の為にも理事の吟味をお願いしたく 伺いました」
「ははは ビーフジャーキー新製品の吟味ですか」
「って言うと それまでなんですが 現在色々と 例えば半生ジャーキーや
色々と製品を開発しています そこで是非とも本社顧問で お迎えしたいと
それでお伺いしました 如何でしょうか」
「はい 分かりました 条件があります」
「はい」
「失敗の件では私のミスと認めますがしかし 味が分からない部分での
失敗はどうなりますか 例えば ここと九州 東北など 
味ってさまざまですよ その失敗も私ですか?」
坂田は暫く考えると
「大丈夫です 肉本来の味や硬さなど 基本的な部分のご判断です」
「ははは そうこられましたね 良いですよ ははは お受けします」
「では神山理事 本日付で顧問になってください」
「しかし その後の条件を申し上げます まず 顧問就任後 いかなる事が
発生しても私に責任がない事 試食などでそちらの都合で私は動かない
などですがいいですか」
「ええ 充分です 取締役会なども欠席で結構です」
神山は暫く考え
「それでは 顧問費として月1千万円 賞与6か月分 年2回」
「はい 大丈夫です」
「それから専属秘書としてここに居る眞鍋香織を秘書とし 月70万円
賞与250万円年2回 それでも良いですか」
「はい お願いします」
坂田は持参した人事命課に日付を記入し 香織の分は神山の下に加えた
【神山 龍巳 殿 右のもの 本日を持って株式会社キングビーフ
    本社顧問を任命する
   平成10年7月11日 株式会社キングビーフ 社長 高橋 透】
給与手当て1千万円毎月18日スイス銀行入金 土日祝日の場合は前営業日
賞与6千万円 7月14日 12月14日年2回 14日が土日祝の場合は
前営業日振込みとする
【眞鍋 香織 殿 右のもの 本日を持って株式会社キングビーフ
    本社顧問神山龍巳の専属秘書を任命する
   平成10年7月11日 株式会社キングビーフ 社長 高橋 透】
給与手当て70円毎月18日指定銀行入金 土日祝日の場合は前営業日
賞与250万円 7月14日 12月14日年2回 14日が土日祝の場合は
前営業日振込みとする
勤怠契約書に押印すると坂田も社判を押印し コピーをとり鞄にしまった
「理事 これは顧問のお礼です 収めてください」
「はい ありがとうございます 頂きます ただし私の名前に傷をつけないで
くださいね お願いします」
坂田が丁寧にお辞儀をして部屋を出ると香織は神山に
「信じられないわ ありがとうございます」
「まあまあ 1年くらいかもよ でも貯まったお金は大事にしなさいいいね」
香織は目に涙を浮べ 神山にお礼を言って席に戻った

香織が化粧を直し次の面談社を案内したが現れなかった
「神山理事 次の面談社が不在ですが 如何しましょうか」
「うん ちょっと休憩にしよう」
神山は時計を見ると 15時半時になっていたので10分休憩とした
香織は急いで部屋を出ると事務所の外にある自販機で缶コーヒーを買い
神山に渡すと自分も美味しそうに飲んだ