「じゃ 僕は別な所があるから失礼するよ そうそう
奈々子ちゃんが命課を貰ったら ご祝儀を忘れないように」
「あっ そうですね」
「うん 部長席は施錠できる引き出しがあるので みんなから頂いたお金は
そこに入れておくといいよ」
「全額ですか?」
「まあ 半分くらいでいいよ そうやって廻っているんだよ あのお金は
だから 自分が全部貯金したりすると ご祝儀やご馳走が出来ないだろ
まさか自分の貯金を下ろすことも出来ないし その類のお金は
そのような時に直ぐに使えるようにしておくんだ ほら翔が各理事に
挨拶をした時 お札を数えていた理事はいなかっただろ だから洋子からも
奈々子ちゃんに話があると思うが 軍資金はちゃんと準備しておくんだ」
「なるほど そう言われるとそうですね 分かりました 頂いた半分だけ
貯金しましたが 残りの8千万円は軍資金として引き出しに入れます」
「クリスタルが稼動して入ってくるお金は 自由さ でも会社で貰った
その類のお金については 基本 還元しなければ廻らないんだ」
「はい 良く分かります これから気をつけます」
「うん まあ額が大きい時には半分とか なにしろ軍資金があるか否かで
行動できる半径が変わってくるからね いいね」
「はい 分かりました」
「うん 多分奈々子ちゃんにも同じことを洋子は話していると思う
それから 出来れば軍資金は 奈々子ちゃんと半々して持つといいよ」
「はい 分かりました そうします」
「うん 会社のお金には手をつけない そんな感じかな
それで足りなくなったら 僕に直接言いなさい いいね」
「そうしたら アルタで頂いたお金もそうですね」
「勿論さ Gプロが残業って言えば多少お金を渡すとか そうやって
みんなに還元するんだ」
「はい 勉強になりました ありがとうございます」
「うん じゃ 奥村課長 倉さん 失礼します」
「うん ありがとう」
「おう 頑張ってな 応援しているよ」
神山は催事課をでると 真由美と香織が待つ不二家に行った
一方 奈々子と洋子は軍資金の話をしながら買い物をした
「へぇー 軍資金ってそんなに大切なんですか」
「そうよ だって常務だっていざという時は2億も動かせるのよ」
「へぇー 2億ですか 凄いですね へぇー」
「NNのビジネススーツやカジュアルだって これで買ってきなさいって
1千万円渡すのよ 凄いでしょ」
「へぇー お買い物に1千万円ですか へぇー」
「多分 常務も軍資金の大切さを杉田君に話していると思うわ なので
ふたりで協力して 軍資金を上手に使いなさい いいわね」
「はい 分かりました でも軍資金って 理事にならないと出ないでしょ
私はないし、、、」
「大丈夫よ 部長さんですよ 色々と企業が来ますよ その時の
お金を自分のものにしないようにするのよ そうすると杉田君が
何かあった時 自由に使えるお金が一杯あればそれだけ 信用されるでしょ」
「そうか そうですね 分かりました」
「でも そうかといってケチケチしていても駄目なのよ 時々その軍資金を
二人の食事に使ったり 見聞を広めたり そうやって使うの」
「なるほど 結構 大変ですね ふふふ」
「そうよ だから大切に使いなさい いいわね ふふふ そうそう
足りなくなったら 私に相談しなさい 私も持っているから大丈夫よ」
「へぇー 先輩も持っているんですか」
「ええ 大体 半分くらいは持っているわ なので杉田君が渡して来たら
それを軍資金に廻すようにするの その時のお金を自分のものにしない
でもね あげるよって言われたら ハンドバッグに入れなさい いいわね」
「はい 分かりました」
「じゃ NNのビジネススーツを買いましょうね」
神山は真由美と香織が待っている不二家にいくと
「わぁー 漸く来られました もう 遅いんだから」
「ごめんごめん それで注文したの?」
「ええ パフェは頂きましたが コーヒーをこれからって処です」
神山はウエイトレスにコーヒーを注文した
「理事もお忙しいですね ふふふ」
「うん って言うか ほら自分で蒔いた種だけに ちゃんと育てたいんだ」
「なるほど うーん そこがいい所かな 最後までちゃんと責任持つかな」
「ははは そうかなぁー 自分では良く分からないけれどね」
3人がコーヒーを飲み終わると神山は
「じゃ ビルまでもう少しだから 歩いて帰ろうか」
3人は歩いて食品協会の入っているビルにつくと安堂真由美が
「それでは神山理事 私はこれで帰ります」