2013年5月5日日曜日

Vol.1030 百日紅 -1-62



7月11日 土曜日 快晴
神山は早い時間に次長室に行くと直ぐに杉田の部長室へ向った
アルタの田中幸三が現場で大工の指揮を取っていた
「やあ 幸三ちゃん 早いね」
「あっ 神山さん ええ図面があるので楽ですよ」
部長室は次長室と同じ作りにしたので 小田原工場でも早く作ることが出来
既に床パネルは敷かれていて 建具の墨だしが行われていた
「この床もなかなか素敵だね」
「ええ 次長室の時の最初の配色ですね」
シルバーメタのPタイルを張ったコンパネで床を作り アクセント目地に
ミラーのステンレスが輝いていた
「部屋の幅が5mですが 内寸で4700なんです」
「うん そうすると 次長席よりだいぶ狭いわけですね」
「ええ そうなります」
「しかし 4700あれば充分でしょ 大きな会議はGプロで行えばいいし
この部屋ではせいぜい 5人から8人位入れば良いと思うよ」
「そうですね そのつもりで家具も探し もう直ぐ届きますよ」
「わかった ありがとう でも早いね」
「ええ 渋谷の輸入家具専門店にありましたから そこから入れます」
「ああ あのお店ね 安くていいものが揃っているものね」
「ええ 図面があるので 凄く助かりましたよ 直ぐに選ぶ事が出来て」
「うん ありがとう」
大工が田中幸三を呼ぶと直ぐに大工と墨を確認し 神山に
「神山さん 入り口床ですが 次長室と同じように処理をしておきますね
それと Gプロの部屋との境は 小口を仕上げておいて 扉はGプロに
開くようにしておきます」
「そうだね その方が床の処理が簡単だね いいよ」
床が出来上がったので 後は箱物を備え付けるだけになっていた
「それで 受付カウンターはどうされるんですか?」
「って言うと?」
「ええ 一緒に造っているんですよ なので設置すると思っていたんです」
「そうかー、、、 うん 持って来てよ それで新たに秘書が出来たら
そこに座ってもらうよ それで電話設定も同じにしてね」
「そうすると 入り口のホリゾントも一緒でいいですね」
「うん 一緒で構わないよ そうそう プレートは部長席にしてアルタの
名称も入れて良いよ その方が分かりやすいし」
「ええ そうですね そうしようと思い これがそのデザインです」
【鈴や 販売促進部 専門部長 アルタ 専門部長】と2段で表現された
プレートをみて 神山は
「この部長の後ろに席を入れてください」
「そうですね 部長席ですね 了解です これで直ぐに製作します
それから照明ですが 既存だと暗いので こちらで追加します」
「うん ありがとう 助かるよ」
神山は田中にお礼を言うと次長室に戻り 杉田の秘書の事を考えた

洋子が出勤してきて神山に挨拶すると
「洋子 翔の秘書だけど どうしようか?」
「えっ だって部長でしょ 秘書は付かないわよ」
「うん そこで、、、今 部長席を見てきたら洋子と同じカウンターが
来るようになっていて うーん 考えているんだ」
「えっ カウンターまで来るんですか」
「うん 僕が細部まで検討しなかったから 出来上がっているんだ あーあ」
「まあ 早いですね へぇー」
「それで 今 考えていたんだが アルタの纏めと翔の秘書を兼ねた人物が
一人いると 今後仕事もしやすいと思ったのさ」
「へぇー そんなぁー でもどうなのかしら」
「うーん 何かいい方法はないかな? ほらそうすれば翔のスケジュールや
アルタのスケジュールを把握できている秘書がいれば いちいち本人に
伝えなくても仕事が スムーズに行くでしょ」
「そうね 分かるわよ どうかしら 鈴やでだれか居るかしら、、、」
「そうなんだよ でも秘書兼纏め役が居れば楽になるよな」
「ええ 分かるわよ そうね これから大森さんの所とも緊密な連絡を
するようになるし その度にこちらでは困るし」
「だろ 時田さんに相談してみようか」
「ええ その方がいいわ じゃ私 電話してみますね」
「うん お願いします」
洋子が早速時田に電話をすると 部屋に居るのでOKだと言われた

神山は洋子と二人で時田の部屋に入ると
「おお 山ちゃん どうしたの また洋子といっしょで」
「ええ 実は無理なご相談で伺いました」
「うん」
「杉田君の部屋を作っているんですが 秘書を置く事が出来ないか否か
って申し上げますのは まず杉田君のスケジュール把握 Gプロ面々の