2013年5月26日日曜日

Vol.1051 百日紅 -2-63



7月13日 月曜日 小雨
神山は早くに次長室に出勤をした
今朝は あいにくと小雨で素振りの練習が出来なかったが かえってそれが
よかったのか 早めに出勤できた
神山がPCで東都食品の事を調べていると 洋子も早めの出勤をした
「やあ ありがとう」
「早いですね」
「うん 小雨だし 練習が出来なかったよ」
「まあ 熱心ですね」
「だって祐子情報だと 桃子ちゃんは大変らしいよ それに由紀枝でしょ
あと祐子本人 困ったものです」
「へぇー そんなに上達しているんですか」
神山は昨夜聞いた祐子の話を掻い摘んで説明すると
「へぇー それで実践はされたの?」
「うん まあ でも楽しく無かったよ」
「えっ なんで また」
「だって うんそこです 動かさないでくださいやもっと右です だよ」
「ははは それはそうね でも大したものね へぇー 凄いわね」
「それで 私は絶対に優勝するんだだって もう自信なくしたよ」
「ふふふ お疲れ様 それでこれをPCに入れれば出てくるわ ちょっと
待っていてね 直ぐにプリントアウトしますから」
洋子は自宅で調べた URLをフロッピーに記憶させ会社のPCで
その画面を出した
「ねえ これです」
神山は洋子の席に行きモニターを覗くと確かに資金繰りのところで
イエローフラッグが出ていた
「なるほど よし 洋子 東都の田宮さんに電話してください そうだな
できればGOLの詰めを行いたいので 秘書 森部長 佐久間部長
林部長の5名が着てもらえるといいな お願いします」
洋子は直ぐに東都食品に電話をすると快く5名でこちらに来る事にOKで
「あと30分ぐらいでこられます」
「わかった ありがとう さあ資料を読んでおきます」
神山は次長席に戻り見ると 洋子の資料や香織の資料にも資金繰り悪化か
と大きな見出しで書かれていた
詳細を見てみると 社内不倫や売春ではなさそうだが そこの事はなにも
書いてなく もしかしたらバックが動き出したのかもしれないと思った
「洋子 ここ3ヶ月で売春で引っかかる社員がいるか否か調べて」
洋子は頷くと 専用サイトに入り必死に東都の人間を調べたが出なかった
「出てきません」
「うん ありがとう うーん そうしたら別の要因かな」
神山も背中にあるPCに向かい 色々と調べたが何も出てこなかった
「うーん お手上げだ 何も出てこないよ 参ったぁー」
「あっ ありました ねえ きて」
洋子のモニターを覗くと 確かに東都食品となっていた
北陸に工場を作るために土地購入費2億円が焦げ付いたと記載されていた
「なるほど それで北陸食品を巻き込みたいんだ」
「でも なんで焦げ付いたのかしら ちょっと分からないわね」
「多分 手付けでしょ それで全額払えないので 戻してもらえない
まあ素人が考えると そうのようになるね ねえ 印刷して」
洋子はそのページをプリントアウトすると神山に渡した

神山は直ぐにGプロの高橋に電話をしてデザイン一式を持ってくる様言った
高橋がGOLのデザイン一式を持って来ると直ぐに東都食品がきた
神山はみなにソファーを勧めると
「えー まずご報告します 先日 静岡県庁内にある御殿場プロジェクトへ
行きまして 最終的にOKを頂きました ありがとうございます」
「いえいえ 神山さんの努力ですよ こちらこそありがとうございます」
「で 今日お集まりして頂きましたのは このあと直ぐに契約書関係の
書類が私どもに郵送されます その時に鈴や食品と御社も正式に契約を
させて頂きたいのですが 如何でしょうか?」
田宮は普通の態度で
「ええ お願いします 12億のお支払いなどもその契約書で取り
交わされる事ですよね」
「ええ そうです」
神山はこの時 林敬子財務部長の顔色が変わった事に気が付いた
「神山さん 全然大丈夫ですよ そうそうそれに 野菜缶詰の件も順調に
事が運んでいます」
「林敬子財務部長 大丈夫ですか その本契約書では 12億円の支払い
アルタに対しての支払方法も記載されていますが 大丈夫ですか」
「神山さん 何を言いたいのですか 副社長の私が大丈夫と言っているのです
私が 権限を持っているんですよ この林ではありません 少し失礼では
ありませんでしょうか 林部長何とか言ってください」
林敬子財務部長は田宮にお辞儀をして神山に
「大変 申し訳ございませんでした 大丈夫ではありません