「うん お願いします で 僕はそろそろ食品協会に行きます」
「はーい それで帰りはどうされますか?」
「うん 18時だけど 少し廻ります 洋子は仕事が無かったら
帰ってもいいよ 何かあったら携帯まで電話をください」
「はーい 分かりました」
二人は一緒に部屋を出て 洋子は本社ビルへ向い神山は地下駐車場に行った
日本缶詰産業総合協会の理事室に着くと眞鍋香織がニコニコして迎えた
「こんにちわ 今 電話をしようとしていた所です」
「ごめんごめん 鈴やでも次から次と仕事が増えてね 困っています」
「お疲れ様です ふふふ 泰子さんと上手く行っていますか」
「うん ゴルフを教えてもらえるよう 頑張っているよ ははは」
「わぁー いいなぁー それでこれが 今日の面談希望社です
で アンダーラインが顧問をして欲しいっていう会社です」
「そうか でも今回は一流どころが少ないように思えるけれど どう」
「ええ 地方の会社が多いんですが 調べましたら 結構堅実経営で
地方では有名な所が多いですよ」
「へぇー そうか ねえ この畜産 九州畜産農業ってなに?」
「ええ 豚を扱っている会社です」
「へぇー それで僕に顧問なの?」
「ええ そこは熊本を中心に九州で5箇所も農場を持っている大手です」
「へぇー 凄いね しかしね 僕が役に立つのかな まあいいか」
「ほら 向こうがそのような価値を認めているんですよ ふふふ」
「しかしねぇー 困ったものですね」
神山は眞鍋香織が作ってくれた資料に眼を通していると 牛肉農場もあり
少し笑ってしまった
「香織 ここら辺の農場関係って 農林水産でうちとは関係ないでしょ」
「でしょ そこで私も聞いたら 缶詰や加工品会社も持っているんですよ
なので その部分でお願いをしたいと言われています」
「はぁー 加工品かぁー そうするとうちの協会なんだね」
「ええ そうなってきます」
神山は集中して資料を熟読するとなるほど 香織が言っていたように
農場のほかに 自社工場で加工品の製造販売をしていた
暫く集中すると 直ぐにお昼になり香織が
「神山理事 お昼ですよ 例のうなぎが食べたいな」
「おお もうそんな時間か 分かりました じゃ支度をしよう」
神山が席から立ち上がると 香織が
「理事 これは今日まで届いた書留です 礼状は出してあります
それでもう直ぐ 建築の安堂真由美さんがここに来ます」
「うん そうすると引田さんは?」
「ええ 泰子ちゃんは引越し準備で今日明日ってお休みです」
「そうか うん 真由美も書留を持って来るのかな」
「ええ そうですよ」
「だって 明日向こうの面談なのに わざわざありがたい事です」
「ふふふ 一日でも理事と一緒にいたいの 分からないんですか もう」
「ごめんごめん うーん じゃ うなぎを一杯ご馳走するよ」
二人がソファーで笑っていると建築協会を纏めている安堂真由美が現れ
「わぁー 重い こんにちわ 理事」
安堂は祝儀を紙袋に入れ台車で運んできた
香織が降ろすのを手伝おうとした時に神山が
「ありがとう ではそのまま車に運ぶよ ありがとう」
神山は香織から貰った祝儀袋が入った紙袋をその上に乗せると3人掛かりで
蒼いBMWまで運びこんだ
神山が台車を片付けると タクシーで鈴やに向かいうなぎやに入った
「さあ ではおつまみに蒲焼と鮮魚の盛り合わせと ゆばさしと、、、」
「あと 生ビールでしょ ふふふ」
神山は仲居に話すとクスッと笑いながら注文を聞いていた
最初にゆばさしと香の物 生ビールが運ばれてくると神山が
「では お疲れ様かな 乾杯」
二人は泰子の事を話さないよう打ち合わせをしていて 神山もあえて泰子の
話はしないようにした
しかし話題がゴルフの話になると 神山は泰子のことを思い出してしまい
話をしたくなったが 喉元でとめていた
そこへ洋子から電話がはいり
「やあ お疲れ様」
「ねえ 決まりました」
「えっ 決まったって 秘書の件ですか」
「ええ そうなの」
「早いね で誰になったの?」
「本社人事の奈々子ちゃんよ どう?」
「えっ あの安井奈々子ちゃん、、、へぇー」
「そうなのよ 私もびっくり驚いているわ」
「そうしたらさ 今 うなぎを食べに着ているんだ 来ないか」