見るのに丁度いいと思いますよ」
「そうですね 分かりました」
「それにGプロの仕事が出来るじゃないですか」
「うん いいですね 山ちゃん お任せします お願いしますね」
「はい この件は少しの間 オフレコでお願いします」
「はい 了解です ははは しかし凄いな もう付いていけません ははは」
「それでは そろそろ失礼します」
「そうそう 山ちゃん 小田原工場から例のアンケートが戻ってきました」
内藤は野菜缶詰アンケート用紙の詰まった封筒を神山に渡した
「早いですね さすが小田原工場ですね」
「ええ パテントが絡んでいるんでしょ なので大至急って話しました」
「ありがとうございます これでGOLが楽しくなりますよ」
内藤はニコニコしながら 1階の受付まで見送りにくると杉田と美佳が
きちんとお辞儀をして待っていた
「美佳さん よかったね じゃ車を持って来るから」
神山は駐車場から車を出すと 玄関で翔と洋子を乗せアルタを後にした
次長室に戻ると神山はクリスタル大和の社長 大森和一に電話をした
「はい ヤマトの大森ですが」
「先日の神山です こんばんわ」
「ああ 鈴やさんの神山さんですね ありがとうございます
上野店さんから連絡を頂き 臨時口座開設と伺いました」
「それで 例の6客120組の件ですが 正式に発注させて頂きます
最終数字も早急に詰めて ご連絡したいと思っています」
「ありがとうございます ところで神山さま 実はまだ試作段階なんですが
あの6客中に 機械彫りがあるんですが 分かりましたか」
「いいえ 全然分からないですよ でも そうすると手彫りの良さとか
貴重さなどが薄れるんではないですか?」
「ええ 仰られるとおりですが 機械も進歩していまして 手彫りのように
彫る事が出来るようになりました 逆に機械だとまだまだ修正を
していかなければ 難しいところがあるんですが どうでしょうか
今度 お時間があるときに 会社を見て頂けませんか」
「そうですね 私の方もちょっとお話があるんですよ そうそう
お伺いしたいんですが 百貨店で入っている所は他にありますか?」
「いいえ 鈴やさんだけですよ この不況でちょっと難しいですね」
「そうですか 分かりました そうしたら こちらからご連絡します」
「はい お待ちしています 失礼します」
神山は大森との電話を終えると時計を覗いた
「洋子 そろそろ出ようか」
「そうですね では着替えをします」
洋子が着替えている間に祐子に電話をすると
「はい 分かりました 直ぐに出られるように支度をします
それから タクシーの手配もしておきますね」
「そうだね ありがとう では 10分くらいでいきます」
電話を切ると洋子の支度が終わり 次長室を出た
赤坂のスタジオに戻ると 祐子が迎えてくれた
神山は2階の主賓室で着替えると GOLのNNブースのデザインを
鞄に入れ スタジオに下りると丁度タクシーが来た
「運転手さん 青山3丁目で二人降り 僕は代々木上原までお願いします」
「はい 分かりました 交差点の少し手前で止めますね」
洋子と祐子は頷き 食後のショッピングやカクテルバーの話で盛り上がり
神山は一人蚊帳の外だった
青山3丁目で洋子と祐子が降りると 神山は洋子に
「じゃ 祐子を頼みましたよ」
「はーい 分かりました」
「祐子 今夜は分からないから 先に寝ていなさい」
「はーい ごゆっくりどうぞ 行ってらっしゃい」
タクシーが出ると 洋子と祐子は手を振って見送ってくれた
代々木上原の駅前に着くと タクシーを降りて駅前寿司に入った
時間はまだ7時前なので 祥子は着ていなかったが桃子が着ていた
奥の座敷から桃子が手を振り合図をしてきたので
「やあ こんばんわ 今夜はありがとう 助かるよ」
「ふふふ もう 突然なんだから 驚くわ」
「ごめんごめん でも ほら 若い人たちの意見も聞きたくてさ」
「またまた 顔を見たかったんでしょ もう 分かっているんだぁー」
「参ったなぁー ところで 調子はどう」
「絶好調よー 次回は優勝を争うわ 絶対に 真っ直ぐに飛ぶし
アイアンはほぼ狙い通りのところに落とせるようになったわ」
「おいおい 凄いなぁー もうこれ以上上達すると 追い越されるよ」
二人で笑っていると 女将がおつまみの鮮魚の盛り合わせやビールを
持って来てくれた
「女将 あと10分くらいで もう2名来ます お願いね」
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