「ええ 私もあれって思っていたので 聞いてみたら
弟さんは 婿養子されたそうよ それで勝又姓になったって」
「そうか でも 紛らわしいね かつまたでしょ」
「ふふふ そうね 呼んだら二人とも振り向くものね」
名刺を確認すると【勝間田不動産 社長 勝間田 一朗】と
【勝又建設 社長 勝又征二】になっていた
神山と亜矢子はお好み寿司を食べると神山は いつもの様に
「亜矢子 30分寝かしてください」
「ふふふ いいわよ ごゆっくり寝てね」
神山は奥の間に用意された 布団に横たわると直ぐに寝てしまった
「じゃあ スケールモデルが出来たら また連絡ください」
「はい 分かりました また泊まってね」
亜矢子は何時になく 神山の顔を真剣に見ながら話した
神山は亜矢子にタクシー代を渡し 自分もタクシーに乗った
運転手に御殿場総合病院を告げると
「あそこの若先生は そのうちに世界一になりますよ」
「へぇー 先生を知っているの」
「ええ うちのかーちゃんがガンで入院したんだけど
治してくれたんですよ それも最新技術で 凄いですよ」
タクシーの運転手が言うには まだ公表されていない 治療方法で
治療を行うといわれ 最初は躊躇したが 実験結果や副作用などの
説明を受け 金山の治療を信じ受ける事にしたと言う
みごとに治療は成功し 副作用もなく元気になったと話してくれた
病院に着くとBMWに乗り御殿場ICから東名高速に入り渋谷に向かった
銀座の次長室に着いたのは15時少し前だった
「お帰りなさい」
「やあ ただいま お昼は済んだ?」
「ええ 済ませました 土地は如何でしたか?」
「うん 広くて 少し丘になっていて 眺めもいいところだよ」
「よかったわ」
神山は6月の大竹組麻生事件の時にお世話になった先生の土地で
病院も直ぐ傍にあり 帰りのタクシーでは評判のいい先生だと言われた
事など掻い摘んで説明すると 洋子は
「それは良かったわね もう安心して生活できるし」
「そうだね 僕も嬉しいよ 少しだけ力になれて」
神山はもしかしたら ホテルを辞めるかもしれないと言った由紀枝の
言葉を思い出していた
ちょっとだけ複雑な思いで次長席に着き 少し考えていると
電話がなり洋子が取ると
「あなた ニーナ・ニーナの久保チーフからお電話です」
「はい」
「NNの祥子です こんにちわ お忙しいところ申し訳ないのですが
GOLのオープニングの件などで お時間を作って頂けませんか?」
「そうだね じゃ 今夜はどうかな?」
「はい そうしたら 上原の駅前寿司でもいいですか?」
「うん 出来れば浜野さんや安田さんも一緒に参加してもらい
色々な意見を聞きたいと思いますが 如何ですか?」
「、、、、、、 はい 分かりました では7時にお待ちしています」
神山は祥子の話し方が今までと違うので 少し気になった
洋子には参加を控えてもらうか否か考えていると
「ふふふ いいわよ 私は もしかしたらの事を考えているんでしょ」
「うん それに女性って気が付くし」
「まぁ ご自分の女性でしょ でもいいわよ 由貴さんと桃子ちゃんに
これから連絡しておくわね」
「まあ 大丈夫だと思うよ 逆にそんな事すると 由貴や桃子にばれるよ」
「ふふふ もう知っていますよ 貴方に話していないだけよ」
「えっ そっ そうなの、、、」
「私より感度がいいわよ 若いって凄いわね」
「何時から知っているの?」
「ふふふ 知らないわよ もう ご自分で聞いたら」
「あーあ もう 苛めないで欲しいな お願いします」
「上原ショップが出来る時よ あの時に気が付いたんですって」
「へぇー そうなのかぁー」
「だって誤魔化しかたが下手なのよ 同じマンションから出勤しているのに」
「そうかぁー 分かっていたんだぁー あーあ」
神山はみんなに知られていた事が分かり 少しがっかりしたが
それはそれとして それを自分に話さない由貴や桃子の態度に敬服した
「あなた 由貴さんよ」
「神山です」
「ふふふ 今 洋子さんから聞きました 全然気にしていませんよ
それより 桃子ちゃんは今日お休みで今夜は特別参加をしてくれるって
だから 寿司屋でその話が出たら 褒めてあげてね お願いね」
「そうか 先ほど久保さんとの話では 休みの件は出なかったな
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