「どこに行きたいんだ」
「ええ 北海道でのんびりしたいと思っています」
「そうか 分かった 最高級のところを探すよ 心配するな」
今までの話を聞いていた屋敷が
「先輩 良かったですね 凄いですよ 僕も仲間に胸を晴れます」
「うん そうだね ありがとう」
「先輩 神山先輩のように早く偉くなって 僕の時もお願いしますね」
「もう テツはそればっかりだ」
4人は大笑いして 箸を進めた
「翔 それで新婚旅行は何日ぐらいを予定している」
「ええ 4泊5日でしょうね それ以上休むとテツに席を取られますから」
「そうだな そうしたら その日はオートモ宿泊で 翌日北海道だ
で 何処を見て廻りたいのか 考えている?」
「いえ まだ詳細は、、、でも 小樽とか函館とか 色々です」
「そうすると ツアーもいいけど ちょっと忙しないな うん分かった」
神山は屋敷にも寿司を食べるように進め 翔もお腹が一杯になった
「やっぱり先輩と一緒だと 気を張らないで食べられるからいいです」
「いつもそうだろ いまごろ」
「ええ でも先日美佳のご両親と お寿司屋に行ったんですよ
その時 こうやって食べられなかったです 美佳が心配して
それでようやく食べたんです」
「ははは 翔らしくないな」
「だって 先輩 知らないお寿司屋でいくら取られるか 心配でしょ
例え それがご馳走でも あとあと僕の父親ですからね」
「そうだね うん でも大丈夫だろう そこを踏まえてお寿司屋だろ」
「そうですかね 僕は貧乏性だから 分かりません」
「そうだな まあ よかった」
神山たちは綺麗に食べると洋子が精算しタクシーを待った
次長室に戻ると神山は洋子に
「ごめんごめん 渡すのを忘れるところだった」
神山は昨日借りた 500万円分のギフトカードを返した
「洋子 北海道でタクシーを借りるって高いのかな」
「全然見当が付かないわ 聞いてみますね」
「うん 貸切で朝9時から夕方5時でいいでしょ」
洋子はPCで札幌のタクシー会社に電話をすると 貸切り乗車は
出来るが 運転手が変わる事もありえるとの返事だった
「一日3万円から5万円ですって」
「へぇー 結構な金額だね そうしたら挙式が近づいてからにしよう」
神山は明日のニーナ・ニーナの打ち合わせ資料に目を通した
前回との変更点はブース自体が変更になり 以前の箱ではなく
ARXブースと同じように円柱の建物にし
細かいところ2,3箇所に説明を書き加えた
仕事に集中していると内藤から電話があった
「山ちゃん 先ほどの挙式と披露宴費用ですが」
「はい」
「それで 引き出物ですが 山ちゃんの処で揃えると
売り上げにもなるでしょ」
「そうですね ありがとうございます」
「それで ホテルの方には500万円を振り込んで頂けますか
引き出物は 掛かった分を折半でどうでしょうか」
「ええ そうしましょう では振込先を教えてください」
神山は内藤からホテルオートモの振込先口座を聞き確認した
「山ちゃん 美佳ちゃん 大喜びで泣きっぱなし 仕事にならないから
早く返しました 大変ですね ははは」
「そうですか そんなに喜んでいるんですね」
「ええ 突然私の部屋に来て もう涙が止まらないんですよ
それで 受付が2人いたので 自宅に帰しました」
「まあ 人生最大のイベントですからね 気持ち分かりますよ」
神山と内藤は久しぶりに嬉しい話をし電話を切った
「ちょっと銀行に行ってきます」
神山が出かけようとすると洋子が
「軍資金を使ってくださいよ」
「うーん、、、」
「だって もう引き出しに入らないですよ あなたの気持ちで充分ですよ」
「そうかな、、、」
神山は洋子の言うように 気持ちがあれば同じお金と割り切る事にし
洋子から預かった500万円を持ち 銀行でオートモの口座に振り込んだ
神山は催事課の部屋に入ると 奥村課長が
「山ちゃん 凄いね 今 翔から聞いたよ」
「ははは 内藤さんと二人でプレゼントです まあ二人の門出だから」
「しかし ビックリだよ オートモだと一杯包まないといけないな」
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