本日は社長の我侭で 申し訳ございません」
「はい ご光栄です ありがとうございます」
洋子がタクシーを拾うと 神山が運転手に
「後ろから2台付いてくるので 信号では離さない様注意してくださいね」
神山たちのタクシーの後ろに 時田の車 その後ろに権田の車が続いた
6人が上原の駅前寿司に入ると 女将が席を作り
「神山さん いつもありがとうございます」
「あれっ そちらは利用できないの」
「ええ 以前来られた 時田様の予約でして」
みんなが笑い 神山が
「女将 ほら時田さんだよ もう しっかり覚えて」
女将は時田を見て
「あら ごめんなさ さあ それではこちらを利用してください」
テーブルを2卓併せ 大きな座卓にし 権田と前田が座り
反対側に秋山、時田、神山、洋子と並び座った
神山が女将に注文しようと席を立つと 女将が料理を運んできた
「大丈夫ですよ 神山さん いつものように美味しいのを持って来ます」
神山は礼をいうと 女将は生ビールを運んできて
「しめ鯖はあの時と同じくらい 美味しいよ よかったね」
「ほんと ありがとうございます それで余ったら 握ってお土産」
「はいはい 心得ていますよ 大丈夫ですよ」
二人のやり取りを聞いていた時田が権田に
「社長 お聞きになりましたか」
「うん 時田君の言うとおりの男だな 大したものだ
時田君が惚れるのも分かる 大したものだ」
権田も神山の人柄に惚れていった
つまみでしめ鯖が出されると 時田と権田は美味しいを何回もいい
「実に美味しい 神山さん いつもこんなに美味しいのを食べているのかね」
「ええ 仕事ですから食べて呑んでます ここは安くて美味しいです」
「ははは 仕事か そうだ髭は元気か?」
「ええ 倉さんや催事課全員元気ですよ」
「うん いいことだ 時田君 頼もしい常務だな」
「ええ 夢を現実にしますからね 大したものです
鈴やの社員でよかったですよ 敵に廻したら 潰されます ははは」
「そうか 潰されるか うん 分かるような気がするな ははは」
3人の男たちがしめ鯖や鮮魚のつまみを食べていると
店の玄関が賑やかになり 神山が見てみるとNNの面々が入ってきた
筒井は直ぐに時田と神山を見つけ 祥子などに静かにするよう指示し
「時田副社長 ご無沙汰しています 山ちゃんおめでとう」
「やあ 筒井君か 社長がいらっしゃる」
筒井は権田にお辞儀をし挨拶をした
「筒井さん まあまあ 仕事抜きだよ そこのお店 良かったですね」
「ええ 全て山ちゃんのお陰です 助かりました」
「そうか 神山さんのお陰か うん 楽にして食べてください」
筒井は楽にしろと言われても 緊張していた
隣の座卓に案内され 席に着くが 背中合わせに権田が居ると緊張した
神山が気配を察し祥子に
「久保さん 僕からのプレゼントですよ 女将 出してあげて
それから お目出度い日なので ビールや日本酒もお願いね」
「はいよ 大丈夫ですよ じゃしめ鯖も出していいの」
「ははは もう1尾追加して 余ったら仲間に握りにしてお土産でお願い」
権田は神山の気の配り方や 周りを見る感覚が鋭いと判断し
「神山さん いつもそうなんですか」
「ええ 普段と一緒ですよ なにか? ねぇ洋子」
「社長 神山はほんと スーパーマンです でもね ふふふ」
「おいおい 余計な事言わないの もう」
「ほう スーパーマンか 大したものだ」
洋子はアレックスとの出会いやJrとの出会いなど 掻い摘んで説明し
「ほお スーパーマンだな 凄いですね 神山さん」
「あのー 社長 神山さんは辞めてください 山ちゃんでお願いします」
「そうか 山ちゃんか 分かった 前田君 山ちゃんだ 分かったね」
「はい これから人事発表も山ちゃんで行きましょう」
6人は大笑いし 箸を進めた
「ところで山ちゃん こっちはどうなんだ」
権田は小指を立てて 神山に聞いた
「、、、、、、、」
神山が答えられないでいると 洋子が
「ふふふ そこだけスーパーマンじゃないようです」
「そうか 勿体無いない話だな」
前田が
「だったら 私が誘っちゃおうかな いいかしら洋子さん」
.