2013年1月28日月曜日

Vol.933 紫陽花 -12-57



「そんな 先輩だって 美しいですよ ほんと 美佳がいつも言っています」
「まぁ お上手なこと 神山に似てきたわね ふふふ」
「おいおい 早く降りてください 車を向こうに置いて来るから」
「はーい 翔君 降りましょ」

2人が車を降り駐車場に止めると 美佳がエレベーターまで案内し
一緒に社長室まで来た
「やあ 山ちゃん 早いですね さあどうぞ」
内藤がソファーを勧めたので 4人が座ると神山は絵巻グラスをだした
「ほぉー 素晴らしい 大したものですね 初めてみました」
神山が持参した缶ビールでビールを注ぐと 向こう側の絵が見え
「うーん 素晴らしい こうすると幻想的な世界に引き込まれますね」
「ええ この大きさのグラスなので この絵柄が生きていると思います」
「分かりました それではこれで進めましょう
そうそう 肝心な本人達の意見を聞かないといけないですね」
「翔は先ほどOKですが 美佳さんは如何ですか」
美佳は翔の顔を見て
「凄く嬉しいのですが こんなに甘えていいのか迷っています」
「そうですか 山ちゃんどうしましょうか」
「そうですね 甘えられる時は甘えた方がいいと思いますが、、、
例えば 甘えられない時に甘えられるか そう考えると どうだろう
スタートラインをこれからの生活に少しでもプラスの位置において
そこからスタートした方が 何かのときにプラスに働くと思うが」
「そうよ 美佳さん 折角オートモで挙式でしょ 折角だから甘えなさい
これは上司の命令です いいですか」
美佳は杉田の顔を見ると 頷いているので
「ごめんなさい お言葉に甘えさせて頂きます ありがとうございます」
美佳はそこまで言うと 目に涙を浮べ 杉田の胸の中で泣いてしまった
「まぁ 美佳さん 嬉しいのは分かるけれど お仕事よ さあ
もう しっかりしなさい また泣いて内藤社長を困らせると 降格よ」
美佳はこの言葉が効いたのか 杉田の胸から離れくしゃくしゃの顔で
「はい 先輩ごめんなさい 山ちゃんごめんなさい うぇーん」
「美佳 しっかりしろよ もう 泣くなよ でも良かったな」
「うん ぐすぅ ごめんなさい 翔ちゃん 嬉しくて ぐすぅ」
神山と内藤はニコニコと見ていたが洋子が
「さあ お二人は外でお化粧をなおしなさい」
きょとんとしている翔に
「美佳さん一人じゃ可哀想でしょ 付いていてあげなさい ふふふ」
翔と美佳はみんなに挨拶をして部屋を出ると神山は内藤に
「内藤さん ではこれで正式に発注します」
「数はどうされますか」
「ええ 最低120組 最高200組と伝えてありますが
早めに連絡した方が 先方も仕事がしやすいでしょう どうでしょうか」
「そうですね わかりました 私の方も急いで人数を確認します」
「分かりました 私の方も人数を詰めます お忙しいところお願いします」
「ははは 山ちゃんの事だからそうくると思っていましたよ」
「ははは 想定内の事ですね」
「ええ そうです」

「ところで 内藤さん これを御殿場で出しませんか」
神山は2年後のシドニーオリンピックに併せ アレックスジャパンが
世界限定販売をする オリンピックマークの入ったクリスタルグラス
「うちのメリットは?」
「グラスのデザインです」
「うーん そうすると どの位売れるか未知ですね」
「ええ そこで GOLで先行販売するんですよ アレックスだって
利益があり スポーツに関係していれば 販売はしやすいでしょ
それにオリンピックマークの使用権利も獲得しているので
このグラスに使うのも 問題ないはずですよ」
「そうすると このグラスはいくらですか」
「ええ 1客2万円です プラスデザイン料2万円 五輪権利料1万円
アレックス利益2万円 合計7万円で6客42万円を50万円で販売」
「うーん 1000個限定で 2000万円ですかどうでしょう、、、」
「世界限定なので 1万個でどうでしょう そうすれば2億です
アレックスが本腰入れたらすぐに売り切れますよ どうされますか」
「分かりました やりましょう しかし山ちゃん 凄い事考えますね」
「次の冬季五輪がアメリカでしょ そうすればもっと出ますよ
そうそう 販売方法にもひと工夫すれば もっと売れますよ」
「例えば?」
「ええ 各競技ごとにシリアルナンバーを振るんですよ バラで買えば
大変な金額ですよ」
「あっ そうか そうすると大変な事になるね」
「でしょ なので セットはほどほどにして バラに力を入れて
予約販売でもなんでも出来ると思いますよ GOLではその動きを





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