「はあー 内藤さんのところか ははは これは大変だな 山ちゃん」
「ええ 門出を精一杯盛り上げてください お願いします」
「うん 山ちゃんに言われたら なんでもするよ ははは
そうだ 理事にちゃんと宣伝しておきなさい いいね杉田君」
「はい 分かりました ありがとうございます」
時田は中村部長を呼び 小さな声で指示をだすと
中村はにこやかな顔で頷き 直ぐに部屋を出ていった
「秋山君 シャンパンもうないか」
「ございますが」
「うん 開けて来てくれ 今日は目出度い日じゃ」
時田は杉田と屋敷にソファーを勧め シャンパンが来るとみんなで乾杯した
杉田は時田と以前話しているので 物怖じせず接する事が出来たが
屋敷は緊張し シャンパンをジュースのように飲んでいた
神山が注意しようとした時 杉田が気が付き
「テツ このお酒はジュースじゃないんだ 味わって飲むんだ もう」
「はい でも 緊張していて はい 分かりました」
やり取りを聞いていた 時田や秋山は神山の後釜が出来たと思った
暫く飲んでいると中村が戻ってきて時田に
「用意して頂きました 一様に驚かれていました」
「ははは そうだろう 若いのにオートモとは あっ ははは」
杉田は自分の事を言われていると思ったが 感知しない事にした
「じゃ 山ちゃん 理事のところへあいさつ回りしてきなさい」
「はい お心配りありがとうございます 翔 挨拶だ」
杉田はやはりと思い
「時田社長 ありがとうございます 23日はお願いいたします」
二人で深々とお辞儀をして部屋を出ると フロアから拍手が沸いた
屋敷が神山の隣を歩いているので 杉田が注意して
「テツ 主人公は先輩なの テツは下がるんだよ もう」
神山が各理事に挨拶し終わると 杉田が
「私 催事課の杉田です この度 結婚をすることになりました
これには 神山先輩や田所先輩のお力で 縁を作って頂き結ばれる
運びになりました さらに式場も甘えさせて頂きました
ご招待状を持参させて頂きますので ご検討をお願いいたします」
「うん 分かりました 頑張ってください
山ちゃん よかったね 頼もしい若者が育ってくれて」
「ええ 是非 ご出席をお願いします」
「大丈夫だよ 開けておきます そうそうはい お祝いです杉田君
式場は また別だから 安心しなさい お小遣いだ 大切に使いなさい」
神山と洋子 杉田と屋敷はこのように全理事を回り 次長室に戻った
「翔 ありがとう よかったな 理事に覚えて貰って」
「はい ありがとうございます」
「これから がんばってな」
神山はそういうと席の引き出しから 5万円を出して杉田に渡し
「屋敷君と 美味しいものを食べなさい」
杉田は部屋に戻ると 理事や部長から貰ったお小遣いを見て驚いた
全部で1600万円もあり どうしたらいいか分からず神山に電話した
「ははは 大切に使いなさい そう言われただろ
それから みんなに言いふらさない事 お礼は会った時にすればいい」
「はい 分かりました」
奥村課長が現金を見て
「翔 どうした そのお金」
「内緒ですが ちょっとだけお話しますね」
杉田は掻い摘んで説明すると
「あーあ 山ちゃんと理事のところに挨拶に行きたいなぁー」
「課長 時田さんと仲良くならないと 駄目ですよ」
「な なに 時田さん 翔 副社長だぞ あーあ もう翔に抜かれた」
「おう 翔 時田さんと話してきたか」
「ええ お小遣い頂きました」
「ははは それは立派だ 大したものだ いくら貰った」
「ええ50万円です」
「えっ おう50万円か 呑みに行こう」
「駄目です 大切に使いなさいって 時田さんも神山先輩も言っていました」
「おう いい先輩を持ったな もう いいなぁー なぁ奥ちゃん」
「ええ ほんとですよ でも山ちゃんは凄いですね
次長常務で全店でトップ3ですよ 池上店長を抜いて 鈴や食品でも
副社長 アルタでも副社長 出世街道超スピードですよ」
「ニーナ・ニーナでもアドバイザーで副社長と同格だろ たいしたもんだ」
「ほんと 催事課の器じゃないと思っていましたが これほどとは」
そんな話をしていると池上店長が部屋に入ってきた
「奥ちゃん ちょっと」
催事課の会議室にはいると
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