「ええ 長期療養の部分で 温泉治療なども頭に入れた構想です」
「なるほど ここはお水が美味しいし 温泉もいいですね」
「ええ 土地の優位性を最大限に引き出してあげようと思います
そうすれば 患者さんの負担も軽減されますしね」
「うん そうですね いいお考えですね 賛成です
亜矢子さん 如何ですか 僕は賛成ですね」
「ええ お願いします」
亜矢子は神山の顔と金山の顔を見ながら ニコニコし頷いた
「では 金山さん 桜川さまに土地を販売してよろしいですか」
「ええ お願いします 神山さんの友人なら大丈夫です」
金山は亜矢子と握手して
「それでは 病院で手続きをしましょう」
不動産屋は 急いで車に戻り 書類の確認をした 金山が
「桜川さん以前にも お話があったんですよ でも 購入する人物と
話をすると どうしても手放したくなくて、、、」
「そうですよ やはりご自分が気に入った人に 販売したいですよね
私もホテルで勤務していますから ある部分分かります」
「へぇー ホテルなんですか 何処ですか」
亜矢子はちょっと躊躇したが
「あそこに見える ホテルです」
「わぁー ゴテンバグランドインじゃないですか
凄いところに勤務されていますね 私はまだ利用した事がないんですよ」
「まあ 是非一度きてください お待ちしていますよ ふふふ
そうそう 私の母が肺が悪くて 今度先生に診て頂きますね」
「いいですよ どうぞ来診してください 長泉に県立がんセンターが
出来る予定ですが 出来ると そちらにも行くようになります」
金山と亜矢子が自己紹介をしていると 不動産屋の車につき乗車した
御殿場総合病院の6階の一部屋が 副院長室になっていて
不動産屋の用意した書類に亜矢子が署名や押印をした
「それでは桜川さま 現金を頂いた時点で 桜川さまの登記をします
それで よろしいですね」
亜矢子は神山を見ると 頷いているので
「銀行振り込みをします 口座を教えてください」
不動産屋の社長は 会社の口座を亜矢子に教えると
「ありがとうございます」
不動産屋が 改めて金額を提示した
「あれっ 先ほどより随分と安いじゃないか 大丈夫かね」
その言葉に 金山と不動産屋の社長は頷いて
「気持ちのいい お客様なので 金山さまが下げて頂いたのと 私どもも
下げさせていただきました」
先ほどは1㎡ 35000円の提示で 総額2億8千万円だったが
最終金額は1㎡ 30000円になり 総額2億4千万円と4千万円も
安くなった
「社長 この3万円の中には 社長の取り分も含まれているんだね」
「はい 神山さま 今回は薄利でご提供させて頂きます 大丈夫ですよ」
不動産屋が 入金確認後の手続きなどを終えると12時になっていた
「神山さま 如何でしょうか 昨日と同じですが 寿司屋では」
「私は構いませんよ 亜矢子さんは時間大丈夫ですか」
「ええ 今日は空けてありますから 大丈夫です」
4人は 金山に挨拶をして 部屋を出ると駅前寿司に向かった
不動産屋社長の弟に神山は
「この設計だと あそこの土地の傾斜に合うか否かですね どうですか」
「ええ 事前に調査をしていますので 殆ど誤差はない筈です」
御殿場駅前寿司の離れでは 不動産屋社長とその弟 建築会社の社長と
神山と亜矢子の4人が亜矢子邸の図面を見ていた
「そうしたら スケールモデルを作って頂くと 亜矢子さんも
分かり易く 修正点も指摘しやすいと思いますが 如何でしょうか」
「そうですね そうしましょう では早速製作します
出来上がりまでに1週間ほど お時間をください」
「はい 了解しました なるべく大きい方が見やすいと思います」
「ええ 出来るだけがんばって見ます」
不動産屋の社長とその弟は軽くビールを呑み定食を食べ終わると
「では 神山さま 桜川さま お先に失礼します」
「うん 分かりました ではスケールモデルの出来上がりを楽しみにします」
「はい それと ここのお勘定は 私どもで持ちますので
ごゆっくりとお食事をしてください」
「はい ではお言葉に甘えさせて頂きます」
不動産屋の社長とその弟は神山と亜矢子にお辞儀をして部屋を出て行った
「亜矢子 良かったね いい家が出来そうだ」
「ふふふ 貴方のお陰よ ありがとうございます」
「でも 社長の姓が勝間田なのに弟さんが勝又になっているね」
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