2013年1月4日金曜日

Vol.909 紫陽花 -11-56



由紀枝と祐子は後ろの座席で鼻歌を歌いだし 神山もハミングした
蒼いBMWは小田原に戻り 北上して東名高速に入った
御殿場ICをおりて直ぐに由紀枝のマンションに着くと祐子が
「由紀枝さん 今度は東京でゆっくりしようよ」
「ギャハァー ありがとう でも空気がいいところがいいわね」
「そうね ではプランを練りましょうね」
「はーい 神山さん ありがとうございました」
神山は頷くと車を出した
由紀枝は神山の車が見えなくなるまで 手を振っていた

神山は東名高速をいつもの様に巧みなドライブテクニックで
遅い車を追い越し渋谷ICで降りると 洋子の自宅傍に行った
「ありがとうございました」
「うん お母さんに言われたら 上手く誤魔化してね」
「ふふふ 大丈夫よ では明日」
「洋子さん ありがとうございました」
「祐子さん 余り苛めないでね ふふふ」
「はーい」
神山は車を出すと 赤坂のスタジオまで直ぐだった

「祐子 お疲れ様でした 夕食は寿司屋に行こうか」
「上原ですか」
「うん」
「わぁー 着替えますね」
祐子は楽しそうに自分の部屋に入り 着替えをした
神山も主賓室のシャワーで汗を簡単に流し 着替えをした
呼んだタクシーが門扉に来ると 上原に向かった
駅前寿司屋の暖簾をくぐると 由貴と桃子が居て神山に気が付くと
「神山さーん 大変よ」
「やあ こんばんわ どうしたの」
安田桃子は周りを見て 小さな声で
「先週買った宝くじだけど 1等と前後賞が当ったの」
「よかったじゃないか 宝くじを信じない桃子としては驚いたでしょ」
「それで 一人で2億円なんて 罰が当るわ 神山さん半分受け取ってね」
「いやいや 罰は当らないよ 誰にも話さなければね
だから全て桃子のものだよ 大切に使いなさい ねぇ由貴」
「でもね 私と同じで 半分は受け取って 桃子も是非って言うので」
「うん 分かった それでいつ換金にいくの」
「ええ 明日休みなので 午前中に行こうと思っています」
「そうしたら 朝一番でどうだろうか」
「ええ お願いします」
「僕が桃子のところに迎えに行くよ 但しお昼は付き合えない いいかな」
「ええ 全然大丈夫よ 私 明日はゴルフの練習だから ふふふ」
「8時半にマンションに行きます」
「はーい 分かりました」

上原で食事をした後 祐子と神山は赤坂のスタジオに戻った
ソファーで寛いでいると カトリアーナから電話が入った
「やあ こんばんわ どうしたの?」
「神山さん 大変よ 先日買った宝くじだけど 当ったわ」
「えっ よかったじゃないか」
「ほんと それで1等の8千万円と前後賞が8千万円なの」
「大切に使いなさい それからこの事は 誰にも話しては駄目だよ
お金目当ての人間が寄り付くし 破滅するのは自分だよ 大丈夫?」
「ええ 大事な時に使うようにします」
「うん 絶対に話しては駄目だからね 本当だよ
僕の周りで みんな当っている でも誰も話さないだろ それが大事だよ」
「へぇー みんな当っているんだ 分かりました」
「うん 普段 足りない時に少し使うならいいけれど
何か 高額なものを買い出すと 分かるからね いいね」
神山はまだ若いカトリアーナに 失敗しないように忠告をした

「神山さん 凄いですね カトリアーナも桃子ちゃんも」
「うん でもみんな話したことがないでしょ それでいいんだよ
急に金遣いが荒くなると 直ぐに分かるからね」
「そうね 私は全然手に付けていないわ って言うより 使い道ないもん」
「そう それでいいんだよ そうしないと絶対に破滅するよ」

6月29日 月曜日 曇り
神山は6時に起きると少し体がだるかったが 熱いシャワーを浴び
体をシャッキとさせると テラスで缶ビールを呑んだ
昨夜は祐子の求めるままSEXし 最後は二人とも疲れ果て寝てしまった
祐子が起きてきて 朝食を食べるといつものように朝寝をした
30分し起きると





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