「由紀枝 待っていたの あそこで」
「ええ だってあなたに早く逢いたいでしょ ふふふ」
今日の由紀枝は先日強羅のホテルで買ったモテリコのワンピースを着ていた
「由紀枝 ワンピースは強羅で買ったワンピースだよね」
「そうよ ありがとうございます 気に入ったわ」
「なかなか似合っているよ 美しいよ」
「わぁ~嬉しいわ」
久しぶりと言っても五日ぶりの再会だが由紀枝は1ヶ月や2ヶ月も
逢っていない恋人のように甘え話をした
山中湖の先日来た湖畔のホテルに着くと由紀枝は両手で神山の腕を
掴み歩いた ステーキハウスに行くと受付が席を案内してくれて
神山は生ビールを注文した
「神山さん おつまみに牛肉の生を頂いたでしょ 私 また食べたいな」
神山は受付嬢に事情を話をするとニコニコと笑顔で答えてくれた
生ビールが運ばれると由紀枝は自分からジョッキを神山に向けて
「わぁ~嬉しい~ ではぁ 再会にかんぱ~い」
神山は由紀枝のジョッキにカチィーンと音を鳴らし生ビールを呑んだ
「私ね 神山さんから携帯にいつ電話がくるか待っていたの 寂しかったよ」
「ごめんごめん こちらも大変な事が起きて 引越しをしたよ
そうだ 今度家に来るといいよ 迎えに来るよ」
「わぁ~嬉しいわ でもどうしたの」
「うん 今までのマンションはほんと広いけどワンルームで
事務所兼住居だったんだ 寝ていてもFAXの音で起こされたり
それが大きいく広い2階建ての一軒家に移ったんだよ」
「わぁ~ 凄いわ ほんと 楽しみだわ」
二人が話していると先日のウエイトレスが牛肉の生とサラダの盛り合わせを
持ってきてニコニコしてテーブルに置くと神山がワインを注文した
「それで準備は出来たの」
「ええ もう大丈夫ですよ 着替えとかはバッグに入れるし
今日の分は洗濯機で洗えば明日まで乾くでしょ
お台所はもう使わないから全てダンボールに仕舞ったわ
だから 今日引越しをしても大丈夫よ 本当になにもないから
増えたのは神山さんに買って貰った下着類だもん」
由紀枝は話しながらナプキンを首に掛けて服を汚さないようにした
神山もナプキンを首から下げてサラダや牛肉の生を食べた
ウエイトレスはコースの魚介類の鉄板焼きと野菜の鉄板焼きを運んできた
由紀枝は料理より神山と逢えた事が嬉しくて
何時ものように料理の評価がなかった
それでもステーキが運ばれると早速一口食べると
「神山さん 美味しいよ」
そう言い味わい食べていた
二人が綺麗に食べ終わると神山が受付で清算したが
TJ(トラベラーズ ジャパン)カードを利用しているので0円だった
由紀枝が遊覧船に乗りたいと言うので山中湖を1週して芝生に寝転んだ
「由紀枝 どこかにアイスクリームないかな」
由紀枝はきょろきょろ探して
「あっ あそこに有るわ 行ってくるわね」
「ああ 僕も一緒にいくよ」
この日は来ノ宮で雨だったが お昼前から快晴になり
山中湖でも外にいると少し汗が出た
アイスクリームを買うと神山は早速ペロペロと食べ始めると由紀枝が
「ふふふ 今夜は私がペロペロするね」
神山と由紀枝は顔を見合わせて笑った
「由紀枝 30分寝かしてくれる」
「ええ いいわよ 本を読んでいるから」
神山は由紀枝の太ももを枕代わりにして眠りについた
目を覚ますと由紀枝もうとうととしていて神山が
「由紀枝 起きたよ おい」
由紀枝は日傘を抱えていたが神山の声に驚いて
「わぁ~ 寝ちゃったごめんなさい」
神山は体を起こすと由紀枝にキスをして笑った
「ごめんなさい さっきまで起きていたのよ 本当よ」
「ふふふ さっきって さっきか」
また笑ってキスをした
まだ日が高かったが神山は由紀枝のマンションに戻る事にした
駐車場から車を出して由紀枝を乗せると車内が熱くてクーラーを掛けた
窓を開けて走ると直ぐに由紀枝のマンションに着いた
部屋に入ると綺麗になっていて
「由紀枝 バスタオルなんかはどうするの」
「ええ そこでしょ引っ越すのは だから使っても明日ビニール袋に入れて
向こうで洗濯すれば大丈夫よ だって引越しに2時間有れば終るでしょ
そうしたら洗濯物も干せるし 大丈夫よ」
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