2012年5月9日水曜日

Vol.669 ゆり -9-42



「はい 畏まりました お待ちしております」
若女将が出て行くと祐子が抱き付いて来て
「ふぁ~神山さんと二人だけになれた ねえお風呂に入りましょ」
「うん さっぱりしよう」
祐子は神山が脱いだ物をハンガーに丁寧に掛けて自分も脱いでいた
神山は浴衣を着ないでそのまま露天風呂に入ると
祐子に冷蔵庫のビールを頼んだ
「はい 分りました」
祐子はバスタオルを巻き 缶ビールを持って来て一緒に湯船に入り
もうすぐ夕日が沈む景色を堪能した
「綺麗ね 幸せだわ 神山さんありがとうございます」
「うん 祐子が可愛くて美しいからだよ」
二人は肩を寄せ合って傾く夕日を見ていた
神山はビールを呑み祐子のおでこにキスをすると
「ふぁ~ 何しているの もう キスはここにお願いしますよ ふふふ」
祐子は人差し指で唇を差した
神山も祐子も会って間もないのにこんな展開になるとは思っていなかった
しかし祐子はおばさんが特別室の提供という待遇をしているのだから
この人に付いていれば間違いは無いし
逞しいし頼りになるし優しい人物と思った
ただSEXの事を思い出して顔を赤くしていると神山が
「祐子 大丈夫か? 逆上せたのかな」
「ええ 少し涼みますね」

祐子は湯船から上がると縁に腰掛けて神山の頭をなでていた
「祐子 そうしたら出ようか あまりこのまま居ても体に良くないし」
神山が立ち上がると祐子は神山に抱きついてキスをして
「ねえ 神山さん 嬉しいの だけどどうしたら良いか分らないの」
「うん なにが?」
祐子はますます顔を赤くして小さな声で
「神山さんに喜んで貰いたいけど 分らないんです」
「祐子 大丈夫だよ 焦らなくてもいいよ こうやって居るだけで充分さ」
祐子は神山の目を見て
「本当ですか 私 何も知らないの だからごめんなさい」
神山は祐子を強く抱きしめ焦らずゆっくり大人になりなさいと思った
「さあ 祐子お嬢様 出ましょうか」
「もう いやっ」
二人は笑って湯船を上がるとバスタオルでお互いの体を拭き浴衣を着た
祐子がブラジャーを着けようとしているので神山が
「祐子 ノーブラ ノーパンがいいよ」
「えっ でも」
「ふふふ 僕が歓ぶからそうしておくれ」
祐子は困った顔をしたが諦めて裸に浴衣を着た
「ほら 全然可笑しくないよ 若い時はなんでもチャレンジをして
失敗したらやり直せばいいんだよ でもノーブラ ノーパンは成功だよ
美しいよ 見ていて嫌らしくないよ」
「ふぁ~ 嬉しいわ」
自分で部屋の姿見を見ていると神山が後ろから抱きつき
首筋にキスをされると祐子は
「ねえ やめて お願いします」
神山は更に続けると祐子は
「神山さん あそこが可笑しいの 濡れているのよ だから」
神山は浴衣の合わせ目から手を入れてみると確かに濡れていた
「ごめんごめん これじゃあ歩けないよね」
神山はティッシュで拭こうとすると祐子は腰を引いて
「だめ 神山さんに触られると出てくるから自分で拭くわ もう」
神山は祐子に謝って
「大丈夫ですか? 歩けるかな」
「もう これからご飯なのにもう 絶対に触らないで下さいね」
「うん わかったよ さあいこうか」
祐子はテーブルに置いた腕時計をして神山に抱きついた
二人は丹前を羽織ってお食事処に行った

受付でカードキーを見せると受付嬢が席まで案内してくれた
神山は着席すると生ビールを注文するとすぐに運ばれてきた
料理も直ぐに3,4品が運ばれ用意された
「では 乾杯」
「は~い いただきます」
祐子は神山の顔を見ながら楽しそうに食べた
「わぁ~ 美味しいわ 冷えているけれど美味しい」
神山も食べてみたが確かに美味しかった
丁度前菜に当る料理で2週間ほど前に由紀枝ときた時同様美味しかった
器もあの時と変っていて今回は何の飾り気も無い楕円のガラスだった
しかしガラスの中に色が入っていて群青から鮮やかなスカイブルーの






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