神山と祐子は婦人靴売場で夏らしい白いハイヒールと麻で編んで作られている
靴を買った ここも商品券をつかい6万円支払いをした
二人はGパンの丈直しを受け取ると12時になっているので神山は
「食事はどこに行こうか」
「今日は そうですね お寿司を食べたいです」
「うん わかった」
二人はホテルの地下駐車場にいって荷物を赤いポルシェに積むと
タクシーで銀座築地 寿司屋いせ丸に向った
暖簾をくぐり戸を引くと女将が驚いて
「あらっ 祐子ちゃん まあ」
「あら おばさん ご無沙汰しています」
神山が祐子に
「なんだ 親戚なの」
「ええ でも今は殆どお会いしていないんですよ わぁ~でもビックリ」
「まあ しかし大きくなったね~ それにどこのお嬢様かと思ったわ」
二人は手短に近況を報告して祐子が耳打ちすると女将の顔が赤くなって
「ふふふ 良いじゃない 貴方が決めたんだから ねっ
それに神山さんだったら大丈夫よ 優しいから でも思い切ったわね
分ったわ 今日はお二階のお部屋でゆっくりしなさい」
女将は二人を二階の特別座敷に案内すると神山に
「神山さん この子は本当にいい子なのでお願いしますね」
女将はニコニコしながら襖を閉めて出て行った
「僕もビックリだよ 祐子が女将と親戚だなんて」
「父のお姉さんにあたる方で 再婚されてここに嫁がれたんです
でも お店の名前を聞いていなかったから分らなかったんですよ」
「そうか お父さんのお姉さんか」
「ええ だから小さい時から良く遊んで貰いましたよ」
二人が話していると襖が開き女将が何時ものようにおつまみの
鮮魚の盛り合わせや天ぷらなどとビールを運んでくれた
「神山さんはここの部屋は初めてですよね」
「ええ お初ですよ」
「内緒ですよ皆さんには 鈴やさんでは3人目かしら ふふふ
あの襖の向こうに床が用意してあります お昼寝でもしていってください」
「ありがとうございます」
この二階の特別室は二部屋有るが階段が別々になっていて簡単な化粧室も
付いている座敷で襖の奥は8畳と狭いが逢瀬を楽しむには充分な広さだった
「あと 食べ物で何かございましたら 電話でお申しつけ下さい」
女将はにこやかな顔で二人に挨拶をして出て行った
「しかし ねえ祐子 なんでこの部屋にねえ」
「ふふふ 私告白したんですよ 神山さんにバージンを差し上げたって」
「えっ~ そんな~ おいおい 大丈夫かな」
「ええ ああ見えても口は堅いですよ 大丈夫ですよ ご安心下さい」
「それで ここか なるほど でもね朝頑張ったしね」
「ふふふ 私は大丈夫ですよ まだまだ」
「おいおい 元気が良いな でも食べようよ ねっ」
二人は祐子の事や神山の知らない若い女の子の事など話しながら食べた
ビールが無くなると日本酒を頼み話が弾み楽しかった
食べ終わると神山は祐子に
「ねえ どうするこの奥は」
「ねえ なんとなく落ち着かないわ」
「そうだよね まあおばさんに謝っておいて」
「ふふふ そんな事全然気にしていないわよ 男人よりさっぱりしているわ
その代り見込んだ人には尽くすわね 昔からそうなの
だから離婚の時もすぐに離婚をしたわ 早かったわねほんと」
「そうだね 女将はいい人には儲け度外視して尽くしてくれているよ
なんとなく分るな でもいい人と出会えたね」
「ええ でもこれからちょくちょく来れないしな~」
「なに言っているんだ 僕が居ない時には来れば良いよ
お金が足りなかったら 僕の名前で食べればいいよ」
「わぁ~ ほんとですか 嬉しいわ ありがとうございます」
神山は会計を済ますと祐子が女将に耳打ちすると
「まあ 使わなかったの まあ頑張ってね ふふふ」
神山は女将に
「気を使ってくださってありがとうございます また祐子ときます」
「はい 神山さん可愛がってあげてね」
「はい では」
二人はタクシーで次長室の入っているビルに行った
神山は赤いポルシェをホテルの地下駐車場からだすと祐子を乗せて
赤坂のスタジオ行くとガレージに止めた
玄関を入ると神山は祐子に
「祐子 悪いけれど30分寝かせて欲しい」
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