2012年5月13日日曜日

Vol.673 ゆり -10-43



大温室には所々に扇風機が置かれていて神山はそこで涼んでいた
動物がいるところに行くと30羽近くいるピンクのフラミンゴが
曲に合わせてショーを行っていた
日曜日とあって小さな女の子がフラミンゴの動きを真似て
一緒に踊っている姿はとても可愛らしかった
「祐子も小さい頃はああやって遊んだんだろうな」
「ふふふ 男の子のおちんちんを引っ張っていたわ」
「おいおい こら」
二人は顔を見て笑った
神山は雲行きが怪しくなって来たので祐子に
「少し早いけど 戻ろうか」
「ええ 降られると傘が無いから大変ね」
神山と祐子は駐車場から車を出して再び緑のトンネルをくぐり熱海に向った
熱海駅に着くとデパートの駐車場に車を止めて折りたたみ式の傘を買った
赤いポルシェに乗ると小雨がタイミングよく降ってきて
「わぁ~ 助かったわね」
「ほんと 車に乗るまで待っていたようだね 助かったよ」
熱海から直ぐの伊豆来ノ宮 喜多屋旅館に着くと車を玄関に着け祐子を
降ろした 車を駐車場に止めると神山は走って玄関に入った
「わぁ~ こんなに濡れちゃったわ」
「大丈夫だよ 着替えがあるし 干しておけば乾くよ」

神山はフロントでカードキーを受け取ると部屋に戻った
部屋に入ると神山は直ぐにシャツを脱ぎ ハンガーに吊るし鴨居に掛けた
浴衣に着替えると祐子も浴衣に着替えてテーブルに落ち着いた
神山は冷蔵庫からビールを出して二人のグラスに注ぐと祐子に
「お疲れ様でした」
そう言ってビールを呑みタバコを吹かした
ガラス戸をあけると 生暖かい空気が入ってきたが気持ちよかった
「祐子 露天風呂に入って遅い昼寝をしようよ」
「ええ いいですね」
二人は浴衣を脱いで祐子は神山の腕に乳房を押し付けながら
一緒に外に出ると神山はお湯で簡単に流した 祐子が
「向こうをむいていて」
そう言い 体を隅々まで洗い流し神山の横に座った
「ここって 雨が降っても絵になる場所ね」
「うん 24時間OK 365日OKじゃないかな」
神山は祐子の乳房を優しく撫でたり乳首をすったりして時間を過したが
「そろそろ出ようか」
「ええ だいぶ気持ちよくなったわ」

二人は何も纏わずに抱き合って夕寝をした
目を覚ますと17時になっていた
「祐子 もう5時になったよ」
「ふぁ~良く寝ました ありがとうございます」
神山は浴衣を着ると冷蔵庫から最後のビールを出し
フロントに連絡をして補充を頼んだ
暫くすると冷たいビールが運ばれ冷蔵庫に仕舞われた
神山は自分と祐子のグラスに注ぎ呑んだ
「美味しいね」
「ええ こうしてあなたの顔を見ながら呑むと余計美味しいわ ふふふ」
「好きな人と一緒が一番だよね そう思うよ
だって 昔接待で高いウイスキーを呑まされても美味しくなかったよ」
「ふふふ そうよね 幸せだわ」
「そうだ 昨日買った宝くじの抽選は今日だったよね 夕刊を見よう」
「えっ でも今日は日曜日だから新聞は無いでしょ」
「そうか 忘れていたよ ははは」
「もう いやだ忘れるなんて」

二人が話し込んでいると18時になったのでお食事処に行くと
受付がニコニコして神山を席まで案内して
「生ビールをお持ちして宜しいですか」
「うん お願いします しかしよく覚えていますね」
「ふふふ 素敵な男性はすぐ覚えるんですよ では少々お待ちくださいませ」
ウエイトレスが生ビールと料理を運んできた
「では 乾杯」
祐子はニコニコしながら神山のグラスと合わせると美味しそうに呑んだ
「まあ 神山さん この器みて素敵」
「本当だ 昨日の色に鮮やかなグリーンの線が入って綺麗だね」
「ここって こうやってお客様を飽きさせないように工夫しているのね」
「うん 良く考えているね そうだよな 飽きさせないか」
神山は御殿場アウトレットの事を思い出し 今もそれに取り組んで
いかに飽きさせないで何回もリピートさせるか考えていたが
今回はいい考えを思いつかなかった
祐子が心配そうな顔で神山を見ていたので今の仕事を分りやすく





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