2011年10月28日金曜日

Vol.475 薔薇 -7-32



「明日 10時頃 静岡県庁国土開発課 山城さんで予定をいれて」
「は~い 分りました 女性ですか」
「うん なんで?」
「いいえ あなたは女性に弱いから 心配したのよ」
「もう 仕事 仕事」
「お仕事で 私をこんなにしたでしょ もう」
「さあ 仕事 静岡県庁の人脈を分る範囲で調べて」
「は~い 分りました 出来ていますよ とっくに」
「ありがとう もう」

神山は冷蔵庫からビールを出して呑んでいると副社長の時田が部屋に来た
「おお ここが山ちゃんの城か いいな もう呑んでいるのか」
「いらっしゃいませ ええ今洋子さんにこけにされて はい」
神山は冷蔵庫から地ビールを出して時田に渡しソファーを勧めた 
「うん どうだった 県は」
「ええ 明日午前中のアポを取りました 実は」
神山はGプロで見せたスケッチを時田に説明しながら見せると
「うん 山ちゃんの言うように県の見解が必要になってくるな」
「ええ それで発案者が必要になってきたわけです
今聞いた所 プロジェクトチームが出来ているとの事でした
今回は山城さんの意見を聞いて作戦を練った上で改めてと考えています」
「うん そうだな ワシに出来る事あったら相談しなさい」
「はい ありがとうございます」
「しかし うまいなこの地ビールは」
「ええ この地ビールの販売権も鈴やで取ろうと考えているんですが
今は御殿場アウトレットを先行させてからと考えています
御殿場アウトレットの販売権はアルタが取りましたから
アルタを刺激しないよう動こうと思っています」
「うん 内藤社長を怒らすと元も子も無くなるしな」
「ええ 難しいタイミングですね」
「うん そうだな」
神山は時田がビールを全部呑んだのを見てもう一本出し勧めた
「どうだ 山ちゃん 洋子とうまく行っているか」
「ええ よく働いてくれています」
神山はアレックスジャパンのファイルを出して
「これ 全部洋子さんが速記で記録して作ったものです 素晴らしいです」
「そんなのはわかっている そのほら男女としてどうかと聞いているんじゃ」
洋子が
「大丈夫ですよ おじ様 神山さんて優しいの
もういつもキスをしてくれるわ」
時田は顔をほころばせて
「そうか よかった うん 頼んだよ山ちゃん では」 
神山は時田を見送ると洋子にお辞儀をして
「ありがとうございます 助かりました」
「わかった もう 私を大切にしないとおじ様 怒るわよ」
「わかったけど いつも大切にしているでしょ」
「だから」
洋子は顔を真っ赤にし 小さな声で
「だから ほどほどにしてください お願いします」
神山は洋子にキスをして抱きしめたが 程ほどにしてあきらめた
仕事に集中をしていると5時が近くなったのでタバコを吹かし
「洋子 そろそろ止めよう 5時になるよ」
「ええ 明日の資料も出来ています OKです」
神山はタバコを灰皿に捨てると洋子が部屋の外にある洗い場で
綺麗にしてきた 神山はゴミ箱をやはり部屋の外にある大きな
ゴミ箱に捨てて部屋に戻ってきた
「では Gプロへ行こうか」
「ええ その前に着替えるわ スーツに」
「えっ なんで」
「だって その方がけじめがつくでしょ」
洋子はそう言ってまた神山の前で着替え始めた
神山は窓の外を見ていて
「普通のビジネススーツでいいよ わかった」
「ええ もういいわよ こっちを向いても」
神山が振り向くと洋子はわざとスカートをたくし上げてお尻を振った
「もう 心臓に悪い 何がやさしくしてねだよ こっちだよほんと」
「まあ 嬉しくてしょうがないんでしょ ほら」
神山はこんなふうにしてしまった自分に情けなかった
「いくよ」

洋子はいつのまにか化粧をしていて驚くほど綺麗だった
5時を少し廻ってGプロの部屋に入ると高橋が
「山ちゃん 遅いです 3分待ちました」
皆で笑った





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