2011年10月15日土曜日

Vol.462 薔薇 -7-32


洋子と亜矢子が話してゴテンバ グランド インへ食事に行く事になった
神山は綴れ織りのコースを上手に降りていくと
直ぐにゴテンバ グランド インが迫ってきてホテルの駐車場に止めた
フロントで神山がサインをすると椿支配人が近寄ってきて
「神山様 お疲れ様です 先ほど桜川から聞きました
どうぞごゆっくりしていってください」
「ありがとうございます 美味しいお肉が食べたくて それと
地ビールを頂くと帰りが車なので利用させて頂きます」
「はい お部屋は何時ものように一番上でございます」
「ありがとうございます では」
神山と洋子は山側3階にあるステーキハウスに入ると
「神山様 いらっしゃいませ」
ウエイトレスが笑顔で迎えたくれた
カウンターに着くと 料理長が
「先日はありがとうございます 本日のお肉はどうされますか」 
神山は洋子と相談して
「人気のお肉でお願いします」
「はい 畏まりました」
神山と洋子はまずは地ビールで乾杯をした
話題はもっぱらスーパーカーの事だった
「ねぇ これだけ軍資金があるんだったら一台位買わない?」
「う~ん 僕は余り必要ないな 仕事上も」
「そうか 子供達が喜んでいる姿を見るといいかなと」
「うん それは有るけど 今ので充分さ」
料理長が
「今日は何処にいかれたんですか?」 
「ええ 表富士宮口五合目です 気持ちよかったですよ」
「そうですね あそこに行くと皆さん何かを感じ取られるみたいですね」
「そうなんですか」
「ええ レーサーの高見澤さんて ご存知ですか?」
「まあ TVで見るくらいですが」
「あの方も あの綴れ織りを練習場にしていて お昼はここに
来られるんですよ このステーキとワインがお好きで」
「へぇ~ 初耳です」 
「五合目に行ってレースを振り返ったり次の作戦を練ったりと
何回も来られていますよ」
「普通はレース場でテクニックを磨いたりするもんですが彼は違うのですね」
「ええ フジスピードでも練習はされているそうですが
ここは精神を鍛えるのにいい場所と言われています」
「う~ん やはり何かがあるんですね」
「今日のように晴れている日はきませんね 雨の日が多いですね」
「そうですか 次回は雨を狙って来ますよ」
神山は一息ついて廻りを見渡すと日曜日の晴天と有って
3,4組のお客しかいなかった
取り皿に伊勢えびやあわびを鉄板焼きしたものが順番に盛られ
神山と洋子は味わって食べていった
バターで焼かれた魚介類をそのまま食べても美味しかったが神山は
にんにくの効いた塩だれに付けて食べた
ワインを注文すると料理長が
「お肉にあったワインで宜しいですか」
「ええ お願いします」
料理長は予め冷やしておいたワインを運ぶように伝えた
次は野菜類がバターで焼かれて取り皿に順番に盛られていった
ワインが運ばれグラスに注ぐと乾杯をした
料理長が神山と洋子の食の進み具合を見ながら焼いてくれるので
冷めた物が無く食べられるのは助かった
いよいよサイコロステーキを焼く時に料理長が
「神山様 ニンニクを少し多めに焼きましょうか」
「ええ お願いします」
料理長は用意してあったニンニクをオリーブオイルの上で焼き
オリーブオイルに香りが移った所で牛肉を焼きはじめた
ワインも進み一本を空けてしまったが迷っていると洋子が
「余ったら 持って帰れば良いじゃない ねぇ」
神山は同じワインをもう一本追加した
出来たてのサイコロステーキを取り皿に盛られると
神山と洋子は何時もよりニンニクの香りがきつかったが
美味しいと言ってよく食べた
最後にガーリックライスを出されたがここでもニンニクを
一杯使ってもらったので結構にんにく臭かった
神山と洋子はおなかが一杯になると料理長にお礼を言い
最上階に用意された部屋に入った
「ふぁ~ 二人とも臭いわ どう私」
洋子が神山の鼻のあたりに息を吹きかけると神山は
「うん 匂うね しょうがないでしょ 美味しかった





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