2011年10月13日木曜日

Vol.460 薔薇 -7-32



5月3日 日曜日 晴れ
昨夜はよほど疲れていたのだろうか 部屋に戻りベッドに入ると
直ぐに寝てしまった ジャケットもテーブルに置いたままだった
カーテンを開けると晴れていて気持ちが良かったが
もう少しこの部屋でのんびりしていたかった
時計を見ると10時を指していて神山はシャワーを浴びた
神山は冷蔵庫からビールを出して気持ちいい風が流れているテラスで
タバコを吹かしビールを呑んでいた
FAXが数枚来ている事を思い出して読んで見ると
アルタの高橋からだった
【4日朝9時から部屋の鍵の取替えに入ります 次長室で
使用している 形式にします 引越し荷物は殆ど無く
新品が各運送会社から運ばれてきます 朝10時から
入ってきます 作業届は提出済です 
私は8時30分ころから入っています 以上 高橋】
もう一枚はニーナ・ニーナの筒井だった
【先日はお忙しい所 お見舞いにきてくださり ありがとうございます
私は本日退院をしました 4日の月曜日から出勤をします
本当はオートモの祝賀会に出席をしたかったのですが
誠に残念です 久保さんから写真を拝見させて頂きました
お似合いのスーツで喜んでいます
では ご連絡まで 筒井】
後は解決した物件ばかりだったのでゴミ箱に捨てベッドに横になった
アルタのなかでGプロジェクトが動いているのか気になり
高橋に電話をした
「はい 高橋です」
「孝ちゃん 神山です 休みの所済みません」
「いえいえ」
「ところで Gプロジェクトだけど FAXは貰ったけど 社内はどう?」
「ええ 昨日ようやく決定しました 僕のブースが3人になって
他のブースは2人づつ付きます それでまあ 流れによって他のブースを
手伝う事になりました Gプロジェクトのメンバーは変りませんが
その中で 少しでも手が空いたら他を手伝う このスタンスで行きます」
「わかった ありがとう それと選抜隊は?」
「ええ 聞いてください 山ごもりもいれば 海に行くのも居ますよ
それで 使い切れなかったらどうするんですか?」
「う~ん 使い切って欲しいな それだけの事を見つけて欲しいから」
「ええ 分るんですが 貧乏症で済みません」
「うん だから海でも良いが 何かを見つけるんだよ
例えば ホテルの一番高い部屋に泊まったりとか そうすれば
何かが見えるはずだよ」
「了解しました 山ちゃん 今日は」
「うん 秘書を休ませたからどうしようか迷っているよ」
「そうしたら ゆっくりと休んでください」
「うん では」

神山は部屋に置いてある自分のお金を調べると2600万有ったので
そのうちの2000万を銀行に預けに行く仕度をした
普段と変らない格好で外へ出てみると太陽がまぶしかった
ニーナ・ニーナのブティックには寄らないで駅の傍にあるATMを利用した
身軽になってニーナ・ニーナを覗いてみると浜野が気が付き
「神山次長様 いらっしゃいませ」
「よう 元気だね どう」
「ええ 怖いくらいに順調です 銀座で出ないものが出ています
それも高額品が多いですよ」
「良かったじゃなか それと筒井さん 退院したんだってね」
「ええ 昨日しました 喜んでいましたが
次長の祝賀会に出席出来なくて残念がっていましたよ」
「うん まあ また呑めるからね ところでチーフとは
上手くコミュニケーションは取れている?」
「ええ あれ依頼きちんと出来ています 丁度1週間ですね」
「そうだね 良かった まあ頑張っていれば上はきちんと見ているよ」
「ええ 頑張ってこのお店を盛上げます」
「うん では」

と神山は言ったが行くあてなく歩いていると高橋が言っていた
山に行ってみようと思いつきタクシーを拾って銀座に向った
タクシーの中から洋子に電話するとで外出できると言い
待ち合わせ場所を代々木の部屋で待っていて貰い
駐車場についたら電話すると約束をした
銀座に着くと車をホテルの地下駐車場からだして代々木に行く前に
ハイオクを満タンにして向った
代々木までは道路が空いていて直ぐに着き駐車場から電話をすると洋子が
にこにこしてやって来た
「こんにちわ やっぱり出かけるんだ」





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