部屋に入るなりアレックス夫妻は
「おお 素晴らしい なんともいえない世界だ ここで仕事しているの」
「ええ そうですね」
「いいな この感覚が必要じゃ 奇抜だけどけばけばしていない
バランスが素晴らしい」
洋子がソファーを勧めるとアレックス夫妻は座って
「このソファーは気に入っている ロスの別荘で使っているよ
気持ちがいいね」
神山も向かい側のソファーに座ると洋子は冷蔵庫から地ビールを出して
用意したグラスに注いだ 洋子が座ったところで神山が
「アレックス夫妻のご訪問に感謝をして乾杯」
神山と洋子 アレックス夫妻は部屋のデザインで盛り上がった
「この床が素晴らしい これも山ちゃんのデザインかな」
「ええ そうです 色々と迷いましたがこれに決定しました」
「床と造作と一体化していてなんとも不思議な世界じゃな」
アレックス氏は余程神山のデザイン感覚が気に入ったのか誉めた
洋子が神山にカランダッシュセットのサインを出すと
立ち上がってお尻をアレックス氏に見せる角度になると
「おお 素晴らしいお尻だ 綺麗だ」
そう言うと夫人が立ち上がって洋子の脇に立ち
「私だって まだ大丈夫でしょ」
と 二人でお尻を振って男達を楽しませた
夫人が座り洋子が神山にプレゼントを渡すと
「これは ブレザーほどの強力な権限は無いが契約書を交わす
その時に使って頂けると嬉しいので選びました」
アレックス夫妻は中を開けて驚き
「この黒っぽい部分は奥深い色を出しているね」
「ええ 日本の伝統工芸 漆加工です」
神山は漆の良さなど伝統工芸品のことを簡単に説明した
「そうすると 1000円では買えないね」
4人が大笑いしている時に洋子が紙を用意して試し書きを勧め
アレックス夫妻が書いてみると滑らかで握りが良く
「山ちゃん ありがとうございます 大切に使わせてもらうよ」
「ここに 名前が彫刻されていますよ ねっ」
「おお 凄い細かい事を日本人はするのですね ありがとうございます」
アレックス夫妻が先ほどのブレザーは何処にあるのかと尋ねたので
神山は作り付けのクローゼットを開けて見せると
「おお ここがクローゼットになっているんですね 素晴らしい
先ほどのスーツもここに有っていつでも着られるようになっている
素晴らしい しかし着替える時は」
「ええ ここで彼女のお尻を見ながら着替えています」
「おお いい事ですね 私もそうしよう 中々のアイディアだ」
洋子がそれ以上言われないように
「そろそろ お寿司を食べに行きましょうか」
アレックス夫妻と神山と洋子が立ち上がって部屋を出た
「隣りのここが催事課でつい先日まで働いていた所です」
神山はそう言い 部屋に入ると全員が揃っていて
アレックス夫妻がここにこられた事にみんなビックリし挨拶を忘れた
「おお 凄くいいデザイン事務所だ 私のところと変らない」
奥村課長がようやくアレックス夫妻に近づき挨拶をし
アレックス夫妻も快く握手をして部屋を出た
洋子がタクシーを拾って上原と行き先を告げ
神山が前に乗って洋子が婦人の隣りに座った
夫人と気が合うのかずーっと話をしていた
アレックス氏と神山は完全に無視をされていた
上原に着くと神山が先に歩いて駅前寿司に入った
女将は神山を見て奥の座敷に案内した
4人が座ると間もなくビールと鮮魚の盛り合わせが出てきた
夫人が
「美味しそう お魚の色がいいわ」
神山が皆にビールをグラスに注ぎ乾杯をした
夫人が美味しいと言って箸を盛んに動かし洋子に
「貴方はこんなに美味しい魚を何時も食べるの?」
「ええ 食べていますよ 他ではこんなに美味しくないでしょ」
アレックス氏も美味しいと言ってよく食べた
神山は日本人と違って食べる量が多いと思って女将に
鮮魚をどんどんと持ってくるように伝えると
「今日 しめ鯖が美味しいですよ 持って来ましょうか 切り身で」
神山はしめ鯖も頼んだ 洋子に
「喜んでもらって 良かったね」
「ええ 凄い勢いで食べていますよ ほんと良かったわ」
洋子はにこにこ笑って神山のほほに軽くキスをした
ビールが無くなったので冷酒を頼んだ
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