2011年10月19日水曜日

Vol.466 薔薇 -7-32


「はい タレより塩が美味しかったです」
「そうだね 僕も最初はタレを食べていたけど 日本酒が進むと
塩のほうが上手く感じたね」 
「ほら 先輩 塩でしょ」
「テツ この間言っただろ タレを分らなければ塩は無理なの 
もう なに聞いているんだ 高橋さんだって言ってたじゃないか」
「おいおい 屋敷君を苛めるなよ 翔だって去年確か塩が上手いって
言っていなかったけ うん言っていた」
「ふぁ~先輩 やだな 格好つけて」
「テツ 格好じゃないよ 今年はタレが美味かったんだって
先輩 去年の話はなしですよ もう」
3人は大笑いして焼肉屋に入ると日曜日なのに結構込んでいた
席を見渡すと鈴や装飾の高橋もアルバイトと来ていて神山を見つけると
近寄ってきて
「山ちゃん おめでとうございます 凄いねしかし アルタの常務
アレックスジャパンの最高責任者とは」
すると杉田が
「高橋さん もう一つあるんだ」
「翔ちゃん なに」
「へへへ 東都食品の最高責任者です」
「えっ あの 東都食品の最高責任者 で・す・か、、、」
「わかった 高橋さん 凄いでしょ 僕の先輩は」
「うん へぇ~おめでとうございます」
高橋はお辞儀をしてアルバイトのいるテーブルに戻った
神山は今までお世話になった高橋に
「翔 これを高橋さんに渡して来てくれ 今までありがとうって」
神山は1万円札を杉田に渡し屋敷と食べ物を選んでいると杉田が戻ってきて
「ありがとうございます って言っていました」
「わかった 翔 屋敷君と選びなさい 最初はビールだな」
神山はウエイトレスを呼んで大ナマを3つ注文した
「先輩 選びました」
そう言ったのでウエイトレスを再び呼んで注文したが
野菜類と魚介類が無いのでメニューを見ながら注文した
ビールが来ると3人で乾杯して
「屋敷君 翔はきつい事ばかり言うけれど心は優しい兄貴だよ」
「はい ありがとうございます」
「テツ もっと言い方があるだろう そうですね
よく 教えてもらっています とか」
「ええ よく教えてもらっています」
「まだ 日にちが浅いから慣れるのは大変だと思うよ
だけど 倉さんも優しいし のびのびとやったら良いよ」
「なっ だから言っただろ 焦るなって ねえ先輩テツが今日も
中元の事で悩んでいるんですよ 聞いたらここが分らないとか
現場に出なければ分らない事を悩んでいるんです だから
焦らないで現場で一つ一つ覚えるしかないって そうしたらテツは
よけい悩んじゃったんですよ」
「そうか 屋敷君 まず現場だ ここのデザイナーは現場に適した
デザインをしていかなければ辞めたほうがいい
勿論 今までのノウハウは有るけど有って無いようなものさ
僕もそうだし 翔だってそうだ 逆に催事課に来たばっかりで
デザインが出来たら驚くね僕は 最低3年は我慢して翔の
やる事を真似ていれば出来るよきっと 翔だって僕が来る前の
デザイナーの勉強をしてこれだけになったんだ 焦らないねっ」
「はい 分りました 焦らないで頑張ります」
話している間に翔が焼肉を焼いていて出来たところから神山の
取り皿に盛ってくれていた
「翔 お肉は自分達で食べなさい 僕は野菜と魚介類を食べるから」
「はい 先輩よく食べるのにどうしたんですか 今夜は」 
「うん 昼間に こんな分厚いステーキを食べた」
「ふぁ~ いいな 食べたいな テツ」
「ええ 羨ましいです」
「直ぐに食べられるよ 翔だってもう直ぐ課長だ そうしたら
小谷さんと結婚だ なっ」
「駄目です その話は テツは知らないから 駄目です もう」
「そうか 良いじゃないか 話したって」
「だって まだ手も繋いでいないんですよ だから駄目です」
「先輩 手も繋いでいないんですか 純ですね 意外と」
「もう 先輩がバラすから もう 絶対に秘密にしたかったのに」
「いいじゃないですか そんな先輩って好きです」
「うるさい 早く食べろ まったく もう」
神山は若い時は何でも出来ると思って羨ましく思った
「ところで 翔 翔はスーパーカーをどう思う 憧れとか」
「ええ 先輩のフェアレディーZは絶対に欲しいし あと
ランボギーニもいいし この年になっても憧れですね」





.