「そうか わかった ありがとう」
内藤社長もおめでたい席なので祝辞を中止する事も失礼だと思い
立っている二人に
「山ちゃん 洋子さん ワインを呑めば どう」
二人は振り返って内藤社長の言葉に頷きワイングラスを持って対応した
それでもお辞儀をするときグラスをテーブルに置いてしまうと
今までと同様になってしまった
アレックス夫妻も神山の人気ぶりには目を細めて喜んでいた
アルタ関係の業者達も来て神山と洋子に挨拶を済ませ一段落し進行係が
「それでは お時間も残り少なくなって来ました ご来賓のご祝辞を
お願いします」
進行係が一人3分程度でお願いしますと
条件を付け順番に指名をしていった
3番目の挨拶で東都食品の副社長と2日前に挙式を終えた新妻が起立して
挨拶をした
神山は伊豆で会った高柳里香が副社長と結婚していたのかと思うと
胸がわくわくしてきた
全員の祝辞が終ると終了時間を大幅にオーバーしていた
解散になると神山と洋子は出口で来賓客と握手をし見送った
催事課の杉田が
「先輩 おめでとうございます これ受付で頂いた祝儀袋です」
「おお ありがとう がんばってな」
「はい それでは失礼します」
催事課の面々が神山に握手をして帰っていった
先ほどの高柳里香の夫 東都食品の副社長が挨拶にきた
「神山さんおめでとうございます 私は東都食品の副社長をしております
田宮浩司と申します こちらは2日前結婚したばかりの里香です」
高柳里香は少し俯き加減で神山に挨拶をした
神山は高柳里香 田宮夫妻に
「先日は楽しい記念が出来ました 奥様ありがとうございます
私の鈴やも東都食品さんにはいつもお世話になっています
私の秘書が興味がり東都食品を色々と調査させて頂きました
そうしたら 奥様はご存知だと思われる事が色々と出てきまして
このままでは会社の存続が危ぶまれる状態と判断しました」
田宮は里香を見て
「何を知っているんだ 君は」
「ええ 別になにも」
神山は洋子が用意した資料を田宮に見せると
「こんな記事を信用されているんですか 嘘ですよ 全部 ははは」
神山はここだと思い山口 宏史が昨夜書いた手紙を見せると
「神山さん 済みませんでした そこまでご存知だったんですね」
「ええ ですからこの記事は全て本当の事です 先ほど言いましたように
このままでは会社が危ない 私がこの加工部門を責任を持って
再建します どうでしょうか」
「はい 一存で決められませんがお願いします 社長は父ですが
実権は殆ど私が握っています どうぞ力を貸してください」
「よろしいですね 私が加工部門の最高責任者になっても」
「はい お願いします」
洋子がこの話が始まった時に手帳にメモを取っていた
神山はそれを知っているので洋子に
「では 今の契約を見せてください」
神山と田宮が英語で書かれたメモをみて田宮が
「はい ここに書かれた通りです」
神山はあいている所にサインと日時を書き入れるよう指示し
自身もサインをし後日このコピーと正式な契約書をそろえて伺うと伝えた
「新婚旅行は」
「ええ 今は休めない状態ですので秋頃と考えています」
「はい 分りました 今後社員教育に力を入れてください
特にこの記事にあるような社内売春や社内不倫には いいですね」
「はい 注意して監視します」
「では お願いしますね 書類が出来ましたらお電話します」
「はい お待ちしております」
田宮夫妻が帰ると洋子が
「やったわね 凄いわ」
そばにいた内藤社長も
「山ちゃん 凄いね どうなっているの
あの東都食品の最高責任者だって」
副社長の時田も
「おお 山ちゃんどうなっているんだ 今度は食品か すごいな」
「でも 僕一人の力じゃないです 洋子さんが手伝ってくれたお陰です」
東都食品とのやり取りを見ていたアレックス夫妻も
「おお 山ちゃん素晴らしいね これからも頑張ってね」
「アレックスさん ありがとうございます 実はここだけですが」
.