「テツの前に知り合っているの だからおれでいいの もう
テツ お願いします 壊さないで この通りねぇ」
みんなまたおおわらいをした
神山が隣りの奥村課長に
「さっきも言いましたけど いいコンビですね」
「うん 翔がああいう性格だから部屋がまた煩くなったね
聞こえるのは いつも テツ テツ だもんね
余程 部下が出来て嬉しいんだよ 屋敷君も昨夜山ちゃんに
励まされたと言って 元気を出しているしね まあ若返りだね」
神山は乾杯を忘れていて
「え~ 乾杯を忘れました 皆さんありがとうございます 乾杯」
みんなが大笑いして乾杯をした 洋子が美佳に
「面白いでしょ 催事課の人って仕事はきちんとするのに
なぜか肝心な所を忘れるのね まったく」
「ますます 杉田さんを好きになりました 大好きです」
「あら そんなに好きだったら ここでキスをすれば」
美佳は顔を真っ赤にして杉田のほほにかるくキスをして
終ると両手で顔を隠してしまった
キスをされた杉田はなにが起こったか分らずにいると屋敷が小さい声で
「先輩 そっと優しく抱いてあげないと美佳さん可哀相ですよ」
「うるさい 分っているけど 手が動かないんだよ」
屋敷が杉田の手をとって美佳を抱くようにした
ここで静まり返っていた座がまた拍手で盛り上がった
杉田が勇気をだして 口を尖らせ美香のほほにキスをしようとした時に
襖が開いて 鮮魚の盛り合わせが運ばれてきた
杉田は尖らせた口を元に戻して美佳に
「ありがとう 僕も美佳さんを好きで好きで大好きです」
美香が両手を顔から話した時 杉田は唇に軽くキスをした
こうなったらもう大変な騒ぎが始まった
みんなから杉田が野次られると美佳が怒って
「私が守ります」
と言ったり 呑兵衛と野次られると
「きちんとお家で呑みます 私が付いています」
と完全に杉田を弁護していた 神山が
「翔 良かったな 美佳さんこんなに翔の事 考えてくれて」
「先輩 ありがとうございます 田所さん ありがとうございます」
杉田は涙を流して神山と洋子にお礼を言った 美佳がハンカチを渡すと
「ありがとう でもいらない」
洋子は
「杉田君 良かったわね 美佳さんきっと良いお嫁さんになるわよ
だから その時期まで優しく大切にしてあげてね」
杉田は頷くだけで声にならなかった
神山が洋子に
「洋子さん しかし思い切った事を言ったね 驚いたよ」
「ええ 機は熟していましたから だから男は駄目なの わかった」
「はい 済みませんでした」
奥村課長が杉田に
「翔 これですっきりしただろう まあ携帯電話も高いから
皆がいない時は会社の電話を使っていいぞ」
「はい ありがとうございます」
屋敷が
「僕は聞いていませんから 気にしないでいいですよ
その代わり時々ご馳走してくださいね」
「駄目だ もう 行かない 貯めるんだ テツわかんないか
お金が無ければ 結婚できないぞ まったくこれから節約だ」
「いいですよ そんなに僕に冷たくして 皆に言おうかな」
「わかった テツ それだけは辞めてくれ お願いします おごるから」
笑いが耐えない慰労会が続いた
何時も日本酒を呑んで酔っ払う杉田が今夜はしかっりしていた
隣りの美佳もよく呑んで顔をピンクに染めていた
二人は廻りを気にしないで思う存分話していた
時々美佳が口を押さえて笑ったり楽しい時間を過ごしていた
洋子が神山に
「美佳さんとても嬉しいのよ 見て目が潤んでいるでしょ」
「うん 綺麗だね」
「そうだわ デジカメで撮影しようっと」
洋子はそう言ってバッグからデジカメを取り出して
「ねぇ美佳さん もっとくっ付いて そうよ 杉田君は笑って」
洋子は何枚か撮影してモニターで見ると
「ふぁ~ 綺麗よ美佳さん」
洋子が美佳に見せると
「でも杉田さんが、、、でもいいです ありがとうございます」
杉田の頭上少しが無い写真だったり杉田がきちんと収まっていなかった
「田所さん ぼくもちゃんと入れてくださいよ お願いします」
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