2011年8月1日月曜日

Vol.387 薔薇 -2-27

「ええ 神山さんの言う通りだと思います 青山と同じ感じですね」
「うん あといい忘れたけど ここのお肉は美味しい そうだ」
神山はウエイトレスを呼んで今日頂くお肉より美味しいお勧めはあるのか
と聞くとウエイトレスがコック長に聞きに言った
コック長が自ら神山のところに来て
「ある事は有りますが はっきり申し上げますと このワインでは
味わえません」
「分りました そのお肉を2人前4皿 それに合うワインをボトルで
1本お願いします 勿論別料金でお願いします」 
「はい 畏まりました それではサイコロステーキをお出しする時に
一緒に運ばせて頂きます ありがとうございます」
神山と洋子は顔を見合わせ 
「また 何か解き明かされるかもね」
「ええ 私もうきうきしています」
高橋と内野はなにを話しているのか分らないと言ったので
神山はお肉にも高橋と内野の性格が違うように違うと言うと
「お肉はお肉です そうかな」
「うん まあ運ばれてきたら違いが分るかな」
4人で牛肉の話しで盛り上がったがやはり明日のゴルフが主役だった
「へぇ~ 田所さん2回もホールインワン出したんですか
これでは勝負になりませんよ ねえ 山ちゃん」
「うん しかし彼女は心優しい女性だ そこらへんは手加減してくれるよ」
「ええ 手加減出来ない時が多いです それでバーディーです」
「山ちゃん もういい加減にしてよ プレーする前から負けてるよ」
内野も
「田所さん ぼくはまだか弱いんです 苛めないで下さい」
「ええ でもか弱い時にしっかりと叩き込まないと神山さんのように
りっぱな人間にならないわよ だから明日はびしびし行きましょうね」
「ねぇ 神山さん ぼく 初めてです こんなに落ち込んだの」
みんな大笑いだった

魚介類も食べ野菜類も食べいよいよ牛肉の出番がきた時に
新しいワインが運ばれてきた 神山は早速グラスに注ぎワインをなめた
今まで呑んでいたのと違い若くてフルーティーだった
洋子に確認したら同じ事を言った
高橋と内野も神山がした事と同じ様にワインを呑み
「うん このワインの方がフルーティーだ」
と言い 呑んでいた 間もなくサイコロステーキとお勧めのステーキが
テーブルに運ばれてきた
神山は最初にサイコロステーキを食べワインを舐めもう一度
サイコロステーキを食べた チェイーサーで口の中をさっぱりさせ
若いワインをなめ お勧めステーキを食べてまた若いワインを舐めた
そしてお勧めステーキを食べた 
神山は何かが違うと感じていた 洋子を見るとやはり考えている
ためしに若いワインをなめサイコロステーキを食べてみると
若いワインの味が勝りおやっと思った
では逆にお勧めステーキを食べてワインを呑むと牛肉の味が勝っていた
そうするとワインの味と牛肉の相性かと思った
神山はコック長に
「こちらのお勧めステーキの方が仕入れ値段が高いですよね」
「ええ そうです」
「倍くらい違うんじゃないですか?」
「ええ よくお分りになられましたね 仰られるように全然違う肉です」
「そうすると このお勧めステーキは牛肉が持っている味が濃い訳ですね」
「ええ すごいですね その通りです」
「だから 味を飽きさせない為にフルーティーなワインで口を
さっぱりすると そんな感じですかね」
「ええ その通りですよ いい牛肉は味が濃厚です そこで言われたように
味を継続させるのにマイルドなワインよりフルーティーなワインが
合います 一般的には しかし牛肉の味をより好まれる方のワインは
マイルドなミディアムボディーなど あとはヘビーボディーなワインでも
濃厚なワインがあります そのワインで召し上がる方もいらっしゃいます」
「ありがとうございます 少し勉強になりました それと別料金は
ここでお支払いしますので伝票をお願いします」
「はい ありがとうございます しかしそうやって食べて頂くと
大変嬉しいです」
「いえこちらこそ」
神山と洋子はなるほどと思い もう一度食べてみた
やはりお勧めステーキのほうが美味しかった
高橋と内野は訳が分らなかったが神山がコック長と話をしている
内容と照らし合わせながら食べると神山の言っている通りだった

高橋と内野は
「ねぇ 山ちゃん どうして分ったの」




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