2011年7月31日日曜日

Vol.386 薔薇 -2-27

暫くすると亜矢子が部屋をノックし洋子がドアを開けた
亜矢子が洋子の浴衣姿を見て
「まあ 素敵 和風も良くお似合いですよ」
「ありがとう 桜川さんもきっとお似合いだと思うわ」
二人はまんざら社交辞令でもなさそうな雰囲気だった
洋子が伝票の説明をし終ると亜矢子が先ほどの手紙を見せてくれた
それは筆で書かれた達筆な文字で神山は
「ふぁ~ 綺麗な字ですね うん ありがとうございます」
洋子も
「素晴らしいわ ありがとうございます 桜川さんがお書きになられたの?」
「ええ 何とか書かせて頂きました 良かったですお気に召して頂きまして」 
「それで 合計はお幾らかしら」
「はい 少々お待ちくださいませ」
亜矢子は電卓で計算して 
「286300円です」
「はい 分りました」
洋子は財布から 29万円出して お釣りを貰った 神山が
「済まないけど 日本酒 一升瓶2本と地ビール3ケースを明日
車に積み込む事は出来ますか?」
「ええ 直ぐに積み込めるよう手配いたします」
「そうしたらその分を今お支払いします」
「ハイ 52000円です」
洋子は財布からお金を出して亜矢子に渡した
「ありがとうございます 領収書は明日商品につけて置きます」
「どうもありがとう 助かります それで届くのは 28日でいいのかな」
「ええ 28日に届きます」
「ありがとう」
「では失礼致します」
亜矢子は丁寧にお辞儀をして出て行った
洋子が神山に
「桜川さんって 素敵な女性ね いつ見てもさっきも言ったけど」
「うん 素敵な女性だね」
「ねぇ 追加した分はどうするの?」
「うん あれは悪いけど代々木だ リラックスの為に買った
もちろんリラックスするのは僕だけじゃないけどね」
「やだ 変な言い方して 嫌い もう」
部屋の時計を見てみると7時20分を差していた
神山は少し気になり 7200番を廻した
直ぐに亜矢子がでて
「神山様 どうされましたか」
「うん ここの宿泊代とか ワインなんかはどうなっていますか
って言うのもワインを呑むと思うんです あまり椿さんに甘えてばかり
いられないからお聴きしたんですが」
「ええ 大丈夫ですよ ご安心下さい」
「いいのかな でもご好意だから分りました ありがとうございます」
「はい 失礼致します」
神山は電話を切って洋子に
「ここの素泊まりで2万円だよ それプラス食事だもんな」
「大丈夫でしょ ここ大きいし 経営がしっかりしているわ」
「えっ どうして」 
「うん 色々と調べるのが好きだから Webで会社内容を調べたわ
そしたら堅実経営ね リゾートでしっかり会員を抱えているし」
「ほう 凄いね よく調べた よしではいこう」

神山と洋子は部屋を出て山側3階のステーキに行った
入って見ると高橋と内野が先に来てビールを呑んでいた
「ごめんごめん 遅くなりまして済みません」
「ええ 遅いです もう3本目です 美味しいですね」
今夜はカウンターではなくテーブル席だった
神山と洋子が座ると地ビールが出てきてまずは皆で乾杯した
「山ちゃん 僕は幸せだよ 上原はさっき何も無いってね それで
ここの現場は早く終るし 山ちゃんと仕事していると幸せだよ」
「そうですよ だって8時に終って食事より全然違いますからね
まあ 一杯 ぐっと空けて」
神山は地ビールを呑んだが 直ぐに
「誠二君 僕はここのワインを呑みたいからこれが最後ね ありがとう」
「そうか 地ビールだとおなか一杯になりますよね 分りました」
そんな話しをしていると魚介類の鉄板焼きが出てきた
神山はワインを注文しチェイサーも洋子の分と一緒に頼んだ
「出来れば クーラーBOXにアイスを入れてもらうとありがたい」
ウエイトレスは早速ワインクーラー準備してくれた
神山はワインをグラスに注ぎ改めて味を吟味した
やはりミディアムボディーのワインだった
隣りの洋子に言うと





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