「はい桜川です」
亜矢子は頷き話していたが
「いつも急で お金だけでは済みませんよ もう少し人を増やすとか
考えて頂かないと 私も疲れます」
まだ話が続き 最後に頷き電話を切ると
「あなた ごめんなさい 明日 緊急出勤になりました ごめんなさい」
「先日もそうだったね 仕方ないじゃないか」
「本当にごめんなさい」
「おいおい 亜矢子が悪いわけじゃないから 元気出して」
「この頃 橘副支配人が可笑しいのね 何が原因だか分らないけど
若い子の小さなミスをした時に 必要以上に怒るの だから若い子は
辞めないで頑張ってはいるけど 繰り替えされると休んじゃうのよ」
「困ったね なんだろうね それで何時から」
「ええ 14時出勤です」
「まったく こちらの動きを読んでいるみたいだね」
「ほんと 嫌になるわね」
「わかったけど中途半端な時間だね」
「ええ」
「亜矢子さ このままの格好で出られるの?」
「ええ それは問題ないけど 赤パンが一枚だし」
「うん そうしたら その格好でOKなら 御殿場の病院もあるし
送っていくよ 実は車で来ているんだ だからホテルの傍まで
送っていくよ」
「うん 嬉しいけど だめ そんな事したら仕事にならないもん
だから今夜一杯して お願い」
「うん わかった」
神山は食事が終った事を呼び鈴で知らせると直ぐに若女将が来て
デザートを持ってきてくれた
「明日の朝食は7時ですが宜しいですか」
「ええ お願いします」
若女将が部屋を出て行くと今度は神山の携帯電話がなった
「はい 神山です」
「私です 夜分に済みません」
「うん どうしました」
「ええ いまアルタの内藤社長から電話があったんですが
ニーナ・ニーナの筒井副社長が今日夕方会社で倒れたと連絡が
今 入りました 命に別状は無いそうですが いかがしますか」
「うん わかった 明日12時にまでに次長室に行く 申し訳ないが
一緒に行ってくれるかな ごめんなさい」
「ええ 構いません」
「洋子は11時頃出てくれば充分だよ それと正装はしないこと
今日の格好でいいからね あとお見舞金で 2人で幾らにするかだ」
「そうですね 10万円では少ないですし かといって高額になると
先方のお返しが大変ですし」
「わかった 連名で30万包みなさい 会社や役職はいらない」
「はい 分りました」
「筒井さんは病院?」
「ええ 意識が戻っていないんですって」
「どこ」
「安田病院の新館と言われました 明日確認します」
「あそこの病院なら大きいし先生もしっかりしている 大丈夫だ
確認だけはしておいて お願いします」
「はい それから 東都食品ですが 色々と出てきました
こちらも整理して置きます」
「やっぱり 出てきたか 洋子忙しくなるぞ わかった
もう帰りなさい 今日はもう良いよ お願いします」
「はい 分りました では帰らせて頂きます」
「うん では明日 おやすみ」
亜矢子に
「なんて事でしょうね」
「倒れたって 何方ですか?」
「うん ニーナ・ニーナの副社長さんだよ
僕を可愛がってくれて 今日も人事命課前だけど挨拶に行ったら
凄く喜んでくれて 今夜 暇かって言われたから 仕事ですって
ことわったんだよ でも命に別状は無いから安心だけどね」
「よかったわね」
神山はなんでこの時間に内藤社長から洋子に電話が行ったのだろうと
不思議に思った 洋子に電話をした
「たびたび 神山です」
「はい 私です」
「うん なんでこの時間 20時なのに洋子のところに来たの?」
「済みませんでした 実は内藤社長が筒井さんに話がって
電話をしたら社員からこの事を知って
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