2011年8月19日金曜日

Vol.405 薔薇 -3-28


「今 自分が言っただろ」
「ああッ またはまった もう」
「まあ ほんと良かったな」
神山はまた引き出しの中を整理し始めた 杉田が寂しそうに
「先輩 僕が居ない時にお願いします 辛いですから」
神山は
「そうか わかった ごめんな」

そう言いダンボールを纏めていると内線が掛かってきた
神山が躊躇していると杉田がでて
「はい 催事課の杉田ですが」
「私は隣りの田所です 今の応対は120点よ」
「えっ 試したんですか ひどいな~ このごろ直しているんですよ」
「そうね いいわよいまので 試したんじゃないの 神山部長は居ますか」
「はい 代わります  先輩 洋子さん」
「うん ありがとう はい神山です」
「いま納車です 至急パーキングまで来てくださいって 西野理事から」
「わかった なにか持っていくものは」
「ええ 会社だから不要と仰られていたわ」
神山は翔に
「ついてくるか 納車だ」
「いきます」
神山と杉田はパーキングの事務所に駆け足で向った
洋子は後から歩いてきた
(まあ 駆け足して 嬉しいのね 
いいわね男っていくつになっても無邪気になれるのね)
フェアレディーZが置いてある場所に行くと西野理事が
「早く来たよ ビックリした」
「ありがとうございます 綺麗だなこの曲線」
「山ちゃん こちら今回お世話になった日産の方だ」 
神山と日産の部長が挨拶を終ると 簡単な説明がされた
全てを聞き終わると 部長が
「これが車の鍵です 以上で終わりです」
西野理事がちょと一回りしてくればと進められたので
助手席に洋子を乗せて走った しかし込んでいる道なので
3速で充分だった ハンドルは敏感に反応してくれて楽だった
1周してくると西野理事が
「どうだ山ちゃん なにか問題点は無いか?」
「ええ いまのところ無しです ただトップを入れていないから
分りませんが 今日 静岡へ行きますから試します」
「わかった では部長さん ありがとうございます
また なにか発生しましたらご連絡いたします」 
西野理事は神山に
「では 大切に頼んだよ」
「はい 分りました ありがとうございます」
西野理事が戻っていくと洋子が
「ねぇ 首都高を1周しましょう 時間はあるわ」
「うん そうしよう じゃあ 翔 悪いけど 次ぎ乗せるから」
「はい 分りました 行ってらっしゃい」
「最初は私が運転していい?」
「うん 構わないよ 途中で降りて交代しよう」
「そうね」
洋子はフェアレディーZの運転席に乗り込むと体を包んでくれる
シートに満足をしていた 
エンジンを掛けると
「良い音ね 素敵だわ」
洋子は直ぐに発進させ巧みなハンドル捌きで直ぐに高速に入った
トップに入れて走り回っているとあっという間に渋谷にきた
下に降りて運転を交代するとやはりトップで走ってもまだまだ
余力を残していた 暫く走っていると銀座の出口が迫ってきて
下に降りると鈴やの前にあるホテル禅の地下駐車場へ止めた
「いいわね この音好きよ」
「うん スムーズにシフトが出来るね」
話していると警備員がこちらに来たので名刺を渡し
「これからお世話になります よろしくお願いします」
警備員も帽子を取って挨拶をした

「さあ お昼はどうする」
「ええ ニーナ・ニーナさんは2時でしょ」
「うん 時間はまだ2時間以上あるな そうしたろしゃぶしゃぶはどう」
「ええ いきたいわ~」
神山と洋子は近くのしゃぶしゃぶに行った
夜は高いが平日の昼間はランチタイムで美味しいお肉を
格安で提供している店で女性客にも人気が高い





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