「うん 食べてたら そう感じたんだよ 何も無いよ」
「分らないな なぜそんな所に気が付くのかも」
「僕なんて なに食べても一緒ですよ」
「うん それで商売も出来る しかし本物を扱う事は出来ないし
食べさせる事も出来ない まあコンビニやファーストフードだね」
「そんな また落ち込みですよ」
「そう言えば 明日 池越えがあったね なんか夢に出て来そうだよ
誠二君が 池ポチャって」
「なんですか 失礼な 絶対に落としませんから」
「失礼しました ねぇ池ポチャなんてすること無いもんね」
「今まで 7,8回ですが」
「何処で落としたの」
「ええ 千葉なんですけど 大した事無かったんですよ
だけど 変に力んで 池ポチャでした」
隣りで洋子が笑っていて 堪えきれずに
「誠二君 まんまと神山マジックに引っ掛かったわね 明日落とすわよ」
「また田所さんまで そんな」
「だって 誠二君が嫌な場面を今も思い出しているでしょ」
「ええ」
「ゴルフってメンタルでしょ 明日そのキーワードを引き出せば
貴方の体は動かなくなって 池ポチャよ」
神山と洋子は顔みて大笑いした
これも作戦の一つだった 別に打ち合わせをしていないが
洋子は神山が何をしたいか敏感に感じ取ってフォローした
話は尽きなかったが明日があるのでここでお開きにした
神山は別料金の伝票を持って精算して皆で部屋に帰った
普段なら21時30分という時刻は飲み歩いている時間だが
今日は早めに解散した
帰り際に明日の確認をした
「そうしたら 7時30分に出れば充分間に合うね」
「了解です」
部屋に入ると洋子が
「先ほどのお肉はお幾らですか」
「うん 1枚5千円だった だからまあまあのお肉だね」
「うんそうですね 美味しかったですよ サイコロより」
「ワインは安かったな 4千円かな」
「ええ 若かったわ でもあれはあれで美味しかったわ」
神山は冷蔵庫から地ビールを出して洋子と呑んだ
暫く話をして今日は早く寝ようかと申し出ると洋子も頷いた
一つのベッドだと又 寝られなるから別々に寝た
神山が6時30分に目覚ましをセットしてベッドにもぐった
4月27日 月曜日 快晴
神山は目覚ましの鳴る前に起きていた 洋子を起こさないように
冷蔵庫から地ビールを出した ベランダに出てタバコを吹かしながら
地ビールを呑んだ 朝日を浴びて気持ちよかった
神山はタバコを吸い終わると部屋に戻ってシャワーを浴びた
お湯を熱くして体をしゃきっとさせた
充分な睡眠のお陰でからだはよく反応した
まだ6時なので早いかと思ったが洋子の寝顔を見ると
はっとする位 亜矢子と似ていた 神山は今後
注意しなければ いけないと思った
神山は洋子のデジカメで寝顔を撮影した
洋子はシャッターの音で目が覚めた
「おはようございます どうですかぐっすりと寝られた?」
「おはようございます ええ 早いのね」
「だって 8時間だよ まあ普段が普段だから今日は丁度いいかな」
「もうシャワー浴びたの?」
「うん 絶好調さ」
神山はストレッチを見せ充分に体が動いている事を伝えた
「ふぁ~ やだな 自分ばかり 私置いていかれたわ さっ おきよっと」
洋子もすぐにシャワーに入り 体をぴりっとさせた
「昨夜聞くの忘れたけど朝食 孝ちゃんと内野君 どうするのかな」
「ええ 私たちはどうする?」
「今ごろ サンドイッチなんてないよな」
「聞いてみれば 何かあったら食べたいわ」
「うん聞いてみるよ」
神山は7200番を廻すと亜矢子でない子が出て
「神山様 どうかされましたか?」
「うん 朝食を忘れまして 何かあるかお聞きしたいんですが」
「はい おにぎりとおしんこうがございます」
神山は洋子におにぎり おしんこうだがいいかと聞くと頷くので
「では おにぎりとおしんこうを2人前お願いします
お味噌汁は有りますか」
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