2011年8月17日水曜日

Vol.403 薔薇 -3-28


「はい このブラウスもビジネスなので
袖の付け根が少し大きい事です 見た目はあまり分りません」
洋子はブラウスも試着し腕を廻したりし
「やはり違うわね 凄くいいわ」
「これは何枚買う?」
「そうですね 3枚もれば大丈夫です」
「そうしたら 合計してください 現金で払います」 
「はい スーツが18万円x2で36万円 ハイヒールが5万円x3で
15万円 ブラウスが4万円x3で12万円で 合計63万円になります」
神山が63万円だし祥子に手渡した
「これどうしようかな まだ買うし」
「お届けしますよ」
「うん でも居ないからね」
「催事課は」
「うん もう当てにしたら怒られるでしょ」
「大丈夫ですよ 後で人事の後輩が取りに来ます」
「そうか そうしたら 30分位だけど 置いといてね」
「はい 畏まりました」
祥子は笑顔で見送ってくれた
二人は家庭用品売場へ行って部屋に合ったゴミ箱と灰皿を買って
「洋子 もう忘れ物はないよね」
「ええ 出来れば雑巾位かしら バケツも必要ね」

神山はバケツ 洋子はゴミ箱を持って部屋に戻った
洋子は早速人事に置いてあるものを後輩に頼んで持って来る様指示をし
ニーナ・ニーナにもあるので忘れないよう伝えた
神山は催事課にある分を持ってくると言って部屋を出た
催事課に行くと奥村課長しか居なかったので挨拶をすると
「山ちゃん すごいね またやったね」
「えっ」
「ニーナ・ニーナのオープンだよ お陰でこちらも大変だったよ」
「ああ 上原組のツアーですね 今聞きました」
「何しろ 普段の倍以上の売上だよ 池上店長も喜んで
夜はここで宴会さ みんな疲れたよ おれも借り出されたんだ」
「お疲れ様でした」
「筒井さんも大喜びでもう笑いが止らないんじゃない」
「そんなに 良かったですね」
「きょうは?」
「ええ 荷物の移動です」
「そうか 見せてくれるか 部屋 だれも見ていないんだ」
「内緒ですよ」
「うん わかった」
神山は荷物を持って部屋を出て受話器を使ってドアをあけた
奥村課長は入った瞬間
「ふぁ~ なんだ凄いね なんかさ鈴やじゃないよ」
カウンターで洋子が
「いらっしゃいませ 奥村課長」
「やあ 田所さん 凄いところですね なんか別世界だな」
「ええ ここから新しい世界を創造していくんです」
「はあ~ 奇抜は奇抜だけど 落ち着いているし変な雰囲気ですね」
神山が
「はい 洋子さん これで一人目 ねぇ」
洋子は頷いて OKサインを出した
「なんだ 一人目って」
「ええ 内緒です ふふふ」
「気持ち悪いな」
「ところで奥村課長 催事課が全員集まる日はいつですか?」
「えっ どうして」
「ええ 皆さんにご迷惑をお掛けしたんで慰労会をしようと思って」
「わかった ちょっと待ってくれ」 
部屋に戻って出勤簿を持ってきた
「4日の月曜日はみんな来ているな 夜 空けるよう伝えるわ」
「洋子さん 4日月曜日 何時ですか」
「うん由香里姫のタイムカードがあるしな 6時か」
「洋子さん 4日月 18時催事課と入れてください」
「は~い 分りました」
催事課の電話が鳴ったので奥村課長は
「じゃあ お願い」
「ええ 場所は後ほど」
「では ハンガーにかけて整理するか」
神山は自分の荷物を整理してジャケットを掛けるのにわざわざ
クローゼットを開けなければいけない事に不満があった
ジャケットに入っている内藤社長から貰った封筒を開けてみると
50万円入っていてそのままの状態でボストンに入れた





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