2011年5月30日月曜日

Vol.324 鈴蘭 -2-23


メリハリをつけて踊った 1曲終るとのどが渇いたのでカウンターに
戻ると洋子がキスをした 相手の女性も軽くほほにしてきた
神山は外人のカップルにビールは呑むかと尋ねるとOKと答えたので
4人でビールを呑んだ 
みんな楽しく話をしている時に 外人が
「私は 御殿場で大きい仕事ををする為に来たが情報を集める事が
出来なくて日本の会社に負けてしまったんだ 日本の情報伝達は
素晴らしい物がある」
これを聞いた神山と洋子は聞き流し 記憶した 洋子が
「私達は早く御殿場アウトレットが出来る事を楽しみにしている二人だ」
と 外人夫妻に伝えると 
「大丈夫だよ その会社は優秀な人材がいると聞いた
任せておけば 損をさせる事はしないとはっきりと言った 私たちは
日本だけでなく世界にマーケットを持っている 今回のように
負けたのは初めてだ しかしアルタはいい会社だ いい人材を
確保したと言って自慢していた 熱意に負けた 任せるつもりだ」
洋子が外人に
「アルタはよく聞く会社で大きいし経営も安心できる 大丈夫だ」
そう伝えると
「私も分っている 早くエキスパートにあって話をしたいんだよ」
神山はアルタに任せておけば大丈夫ですよ 
いい報告がすぐに届きますよ 日本には何時まで居るのか聞いてみると
明日アメリカに帰る 次に来るのは何時になるか分らないと言った
しかしエキスパートが決まったら直ぐに来るよ
その時ここで会えたらいいね と言って婦人と店を出て行った
神山と洋子は顔を見合わせ 大変な人と会ったねといい
「あの人アレックスグループのアレックスではないかしら
何年か前に再婚して奥さんはモデルさんだったと思うわ」
「そうすると 次回会った時話がスムースに行くね」
「ええ 今の感じだと 悪い印象はもって居ないし スムースに
行くわよ絶対に 貴方が彼女と踊っている時 
彼は君のご主人は紳士的な踊り方をすると言って
大変誉めていたわ アレックスグループだったら 良いわね」
神山と洋子は暫くアレックスグループの話をしていたが さきほど
踊ったせいか 洋子が疲れたと言ったので店を出た
表参道に出るとまだ人通りは多かった 洋子が持たれかかって
「ねぇ貴方の住居兼事務所を調べたいな~」
「なんで」
「だって 秘書として当たり前でしょ だめなの?」

神山はその言葉に負け 上原のマンションに帰った
洋子はそのマンションの大きさや広々とした庭に驚き
部屋に入ると 本当に事務所のようでびっくりした
「ここで寝起きしているの?」
「ああそうだよ だから滅多に無いけどFAXが夜中に飛び込んで来ると
あの音でビックリする事もあるよ」
神山はそう言ってビールを用意しテーブルに座った 
洋子はカーテンを開けガラス戸を開けた
「ふぁ~ 気持ち良い まだ寒いけど気持ちいいわ」
神山は洋子の後ろに行って両手を巻いた 洋子が振り返り
「ねぇ 信じる?私 初めてなの」
神山は答えに困っていると 
「やっぱりな~ 信じてもらえないよな~」
「違うよ 黙っていたのは 洋子を傷つけない言い方があるか
言葉を探していたんだ 勘違いしないでくれ
それに僕は 例えバージンで無くとも軽蔑はしない」
洋子はほんとと聞いて 唇を合わせてきた
「ほんとうさ 過去は過去 そんな事に拘っていたら 身が持たないよ」
「そしたら優しくしてくれる?」
「勿論さ」
そう言ってキスをした
「さあ 分ったから ここに座ってゆっくりしようよ 落ち着かないかな」
「ええ ビールを頂くわ」
洋子は一口飲んだ時に 美味しいと言って咽を鳴らして呑んだ
「このビールがゴテンバ グランド インの地ビールさ そして
これを御殿場アウトレットで販売権をアルタが獲得して 膨大な
利益を生むんだ そのアイデアを出したのが僕です」
「凄いわ もうそんな事しているの すごい」
洋子は立ち上り神山に後ろから抱きつきキスをした
「そんな事もあって 実は今朝内藤さんから500万貰った」
「ふぁ~ ほんと 信じられないわ」
洋子が言うので 神山はその札束を見せた
「ふぁ~ ほんと 凄いわね あなた」
「別に凄くないよ いつもどうしてとかなんでって思う時あるでしょ





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