2011年5月29日日曜日

Vol.323 鈴蘭 -2-23


呑んだりしていた 店内が暗くてよく分らなかったが 慣れると
外人客も結構来ていた 飛び交う言葉は英語だった
「ここはね ストレスが溜まったりすると来るんですよ
ほら英語でお話ししているでしょ だから分りやすいの 会社で
もやもやした時なんて 日本語じゃなくて英語で整理したほうが
頭の中で整理しやすいのよね そうゆう時に来るわ」
「そうなんだよ 日本語って結構難しいんだ 言った事と違う意味で
伝わるし それを弁護するとややこしくなるし」
「でしょ そういう時は英語に限るわ」
神山と洋子が話していると 何を呑むか聞いてきたので
洋子はトマトベースのカクテルを頼み神山はマテニィーを頼んだ
外人が洋子に何かを言っていたが 首を振ると去っていった
同じ様に別の外人が来てあからさまに誘っているので
神山が この女性は私の妻だよ ごめんねと言ったら お辞儀をして
去っていった 洋子のファッションはそれほど洋子自身を出して
みなを魅了しているのかと改めて感心した 洋子が
「さすがね 私の奥さんは最高よ 彼女って言うと更に突っ込んで
俺のほうがいいだろ 楽しませてやるって来る訳 しかし
奥さんだと 手を出さないわ どこで覚えたの」
「日本だって同じじゃないかな ただ必死に出てきた言葉だよ」
「ふぁ~嬉しい 守ってくれているんだ 嬉しいわ 幸せよ」
洋子は神山にキスをした 神山も答えた 周りから指笛が鳴ったので
離れたが さっきの外人が神山に幸せの乾杯だと言ってグラスを合わせた
マスターが気を利かせたのか曲が変りロックが流れた
店の真中は踊れるように空いていたので外人達だけではなく日本人も
一緒になって踊った
洋子は神山の手を取って輪の中に入って踊った 洋子は
上手にリズムを取ってツイストを踊っていると さっきの外人が 
君の奥さんは上手だ お尻が魅力的だと誉めたので 僕もそれで
結婚したが 今はそのお尻の下にいるんだ 大変な毎日だと答えた
外人は 俺もそうだ いいお尻だったから結婚したら君と同じさと言って
笑いあった 外人は洋子のお尻に自分のお尻をぶつけ わざと
跳ね返され驚いた仕草をした 今度は神山も同じ様な仕草をして大袈裟に
跳ね返されると周りに受けた 楽しく2曲くらい踊ると 洋子は
「あ~ 楽しい ほんとうに楽しいわ 貴方がいるから」
洋子は神山にキスをした 神山は
「さっきの外人 洋子のお尻が魅力的だって言っていたよ」
「ほんと」
「だからね 僕もそれで結婚したけど 今は尻に敷かれてるよって
そうしたら オレもそうだ尻にしかれているってさ」
「だから お尻をぶつけて来たのね なにしてんのって思ったけど」
「このお店楽しいね 時間を作ってこよう」
「ええ 今度はもやもやのストレス発散じゃなくて
あなたとエンジョイする為に ねぇ」
洋子はまたキスをしてきた 少ししてまた流れる曲が変った
今度はバラードだった 真中でゆっくり踊り始めるカップルが居た
今回も洋子が手を取り神山を連れ出し 洋子は踊り始めると
両手を神山の首に巻きつけてきた 神山もしっかりとリードしていると
足運びのリズムが合ってきて 周りのカップルは神山と洋子を
よけて踊ってくれた なんとか無難に踊っていると 洋子がキスをして
そのまま踊り 神山も必死にりーどして踊り終わった 
曲が終ると周りから指笛が鳴り止まなかった
「普段出来ない事出来るから 楽しいわ あなたが一緒でなかったら
こんなに楽しい時間はないわ」
神山と洋子はカクテルの御代わりを頼んだ
「久しぶりだな こんな開放的になるなんて」
「やっぱりいいわね 毎日は病気だけどたまにここで開放感にしたると」
「ここは紳士的だからいいよ 多分けんかは無いでしょ」
「ええいつきても紳士的よ いつだったか日本人が私を口説きに来たの
そのときは 英語でやり返したら 向こうも英語を使ってきたの
それで 英語のなまりで話したら分らなくなって退散したんだけど
帰るとき その人がどこの国の方ですかって聞いて来た訳
だから私は ここに住んでいるのよって答えたのね その人
本当の外人だと思ったって 失礼しましたって帰っていったわ」
「洋子はそんなに上手なんだ」
「上手じゃなくて 話せるほうが正しいかな」
「そしたら同じだ 僕も単語を並べているだけだ 洋子と違うけどね」
店内の曲がジャズからロックに変った 今度は踊りに行かなかった
二人で呑んでいるとさっきの外人が彼女を連れてやってきた
すごく均整が取れていてモデルのようだった 外人が
お尻が魅力的な私の妻が君と踊りたいと言っているんだ 踊ってくれ 
と 頼まれ神山は洋子に断って踊った 
均整が取れているせいか見ていても惚れ惚れした 踊りはけっして
上手ではないけどリズムに乗っていた 神山も必死で躰を動かし





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