2011年5月8日日曜日

Vol.302 鈴蘭 -1-22


下を付けては」
「ええ 私もそう思います 神山さんも上野の時は一番下でした
成績はそれなりですが 銀座に来て 部下を持って急に
ほんと急に成長しました 杉田君も部下を付ければ あのいい性格を
もっと前面に出す事ができると思います くすぶっています」
「そうだな あの子は燻っているな 大爆発をさせよう」
「そうですね ある程度成長するまで 奥山さんはあそこに
居るのが条件ですね」
「そうだな うん 30日に間に合うか 誰か居ないか」
「ええ 一人美術の若い男の子が居ます
例の山城さんが亡くなって募集をかけたとき応募してきた人なんですが
池上さんが 上野から神山さんを移動させてので 
配属を美術にさせられて 本人は最初は辞めると言っていましたが
今年に入って 腕を上げてきていると聞きます」
「わかった 携帯で 秘書室長に電話をしてくれ」
「はい しかし携帯番号は存じ上げませんが、、、」
「おお そうだった 洋子はワシの秘書ではなかった ごめんごめん」
時田は手帳を出し 番号を読み上げ洋子に掛けてもらい
「おお ワシじゃ 遅くに悪いが」
「はい こんばんわ 中村です」
「おお 銀座の美術で若い男の子で屋敷って居るんだ」
「はい」
「その子を銀座店の催事課に移す」
「はい 分りました」
「それでだ 池上君にはこれから話す 人事関係は任せた
山ちゃんと同じ30日だ わかったっな」
「はい 30日 9時30分 銀座店人事 命課で宜しいですね」
「うん」
「職級は」
「確か入社2年だから 主任は早い そのままでいい」
「はい 分りました 早速明日手配します」
「うん 頼んだぞ 極秘じゃ 美術の部長にはワシから伝える」
「はい 分りました」
電話を切ると 先ほどのように 洋子に番号を伝えて
「ワシじゃが」
「こんばんわ 副社長 どうされました」
「うん 実は催事課に若いのを入れる」
「えっ?」
「うん 催事課も山ちゃんが出て大変だろう」
「ええ」
「そこでだ 例の山城君が亡くなった時募集をした屋敷君が居るな」
「はい 美術です」
「その子を催事課に入れようと言う事さ」
「大変ありがとうございます 私もどうしたらいいか困っていました
屋敷君も昨年は落ち込んでいたんですが 今は腕を上げてきています
しかし 美術が出しますかね?」
「大丈夫だ ワシが部長に話しする 明日 君も同席してくれ いいね」
「はい 明日は出かけませんので店に居ます」
「わかった なるだけ早く連絡する」
「はい ありがとうございます」 
電話を切って暫くすると 杉田が戻ってきた
「遅かったじゃない 大丈夫?」
「はい 大丈夫です それよりここの敷地は広いですね」 
「うん?」
「ええおトイレが無いんですよ 右側に それでそのまま進んだら
外に出たんです きっとその先に有るんだろうと思って
探したんですが 副社長済みません 間に合わないので
林の中で 用をたしました もっと余裕をもって探せば
こんな事に ならなかったんですが 済みません」
「おお そうだった ごめんごめん ワシが悪かった この部屋は
出て左側 そこにある ごめんワシが悪かった」
「そうだったんですか でも広いです ここの敷地は
この部屋に帰ってくるのも不安でした」
「うん」
「ねぇ杉田君 交換条件しない?」
「なんですか?」
「実はね ここのお店 副社長の2号さんがいらっしゃるの 
勿論 奥様はご存知よ だからこの事を誰かに話してもらっては困るの
貴方の口が堅いことは良く知っているわ だから知っているのは
ここに居る3人だけなの わかる?」
「はい」
「そこで 黙っていてくれたら 貴方に凄いプレゼントがあるの どう?」
「あの~ 小谷さん以外にですか?」
「そうよ どう 喋らない自信ある?」





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