2011年5月10日火曜日

Vol.304 鈴蘭 -1-22


あるでしょ その地ビールを御殿場アウトレットで展開するわけさ
そのとき アルタが入って宣伝とかをするわけ 権利を取るわけ
そうすると 他のお店では相当のロイヤリティーを払うわけです
どう いけるでしょ」
「うん 素晴らしい 内藤に話すね いいでしょ」
そう言い高橋は内藤に電話した 色々と話 頷き終わった
「内藤社長 大喜びだよ そうすれば 椿さんのところへ5%
行っても うちはぜんぜん儲かる話しだって 手土産が
一杯過ぎて大変じゃない」
「うん 地ビールだけではなく 地酒も考えたんだけど
そこまで手が廻るか分らないからね 目の前にあるところからと思ってさ」
「神山さん 素晴らしいわ 伊達に御殿場に行っていないのね」
「うん というよりやはり美味しい物を食べたら記憶に残るでしょ
それを又 食べたいから そこに行く訳だから活性化に繋がるよね」
「そうですね でもこのしめ鯖は これでお終い そこですよね」
「うん そうしたら横浜の崎陽軒のように 真空パックが出来る物とか
しかし 真空パックは味が落ちるしね~ 難しいね」
高橋が 
「どうも済みません 硬い話しになちゃって」
「でもたまにはいいでしょ」
「私も勉強なりました」
3人それぞれ勉強したみたいだった 
「山ちゃん 久保さん 久しぶりに早く帰ります」
神山達は大将に挨拶をして 寿司屋で別れた

神山は祥子に
「今日はこのまま帰ろう」
「そうね 私 明日会社終ったらそのまま名古屋に帰るから
あんまり遅くまで遊べなかったの だから良かったわ」
「そうだよな 多少の仕度もあるだろうし」
「ええ」
そう言ってまだ肌寒い夜道を歩いた
朝も静かだが夜は更に静かだった
部屋に戻ると祥子が 抱きついて来た
「ねぇ そのシャツも戦略の一環?」
「まあそうだね どうして?」
「いえ 凄くお似合いよ Tシャツも素敵だけど
このシャツ着ると少し偉くなったみたい」
「ありがとう うれしいよ」
「そうしたら ちょっと着替えてくるよ」
「は~い 待ってます」
神山は部屋に戻ると着替えをして FAXを見ると田中から
【神山部長 こんばんわ 今日はありがとうございました
大変助かりました 明日午前中に次長室で詳細について
打ち合わせをさせて頂ければ幸いです
尚 今日決定した図面も送らせて頂きました
詳細はPCのメールに添付しました
コピーで出して頂ければ わかると思います アルタ 田中】
神山は後で見る事にして祥子の部屋に入った
祥子は着替えを済ませルームウエア姿で神山を待っていた
神山は祥子を抱き寄せると
「ごめんなさい まだ だめなの ほんとごめんんさい」
「うん 仕方ないよ 休み無しで働いているから体調が崩れたんだろ」
「ほんとごめんなさい」
「わかったよ」
「ねぇ 久しぶりに バーボンでも呑もうか」
「おお そうだバーボンがあったね 呑もう」
「さっき高橋さんも言っていたけど 毎日こうやって過ごせないのね」
「ハハハ しかし一時でしょ それに1ヶ月も会えない訳でないし
考えすぎだよ 祥子だってこれから忙しくなるし 御殿場の
話が進めば ここに居る時間すくないだろ」
「そうね 御殿場アウトレットは何時から動くの?」
「うん アルタで30日に辞令が交付される それから打ち合わせが
始まって そうだな 祥子達は実際に動くのは来年だと思うけどね」
「そうなんだ」
「うん 敷地の話も聞いていないし まだぜんぜん分らないよ 僕は」
祥子がバーボンを作ってくれたので乾杯した
「美味しいわ だけど不安があるの」
「なに」
「うん 美味しいの色々なところで食べると 
私の食べて貰えなくなるような気がしてるの」 
「そんな事は無いでしょ 普通に食べるよ」
「ほんと 食べてくれる?」
「ああ 大丈夫だよ 心配しなくていいよ それはさ どこどこのが





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