「ええ できます」
「よし ワシはしっかり聞いたぞ 副社長からの命令だ
ここに3人で来た事 2号のこと 全部忘れてくれ いいな」
「はい 分りました 命令ですね 絶対に喋りません」
「おお 頼もしいな」
「偉くなると2号さんも持てるんですか?」
「おおそうじゃ だから早く偉くなって 2号でも3号でも持ちなさい
もし 誰かがここの事や2号の話が出たときは君は左遷だ いいか」
「はい 分りました」
「よし それでは綺麗に片付け帰るか」
「副社長 今夜はここではないんですか」
「ははは ワシも 君のようにもてて困っている 分るな」
「はい」
そう言って 呑む物は呑んで 片付け始めた
時田たち3人は玄関を出て 車に乗った 杉田はどこを走っているのか
分らなかったが 人に話すなという事なので覚えなかった
人通りが多くなり千駄ヶ谷の駅に着いた
杉田と洋子はここで降りて 洋子は車に乗って杉田は駅の改札に向かった
神山達3人は野菜やキスの天ぷらも普段余り食べていないので箸が動いた
「山ちゃん アルタの常務でしょ おめでとうございます 遅れました」
「えっ常務?」
「ええ久保さんも驚かれたでしょう 山ちゃん常務ですよ」
「ねぇどうなっているの?」
「うん 今日昼にある出来事があってさ それでです」
「但し書きがあるんです 意匠担当常務です これには訳がありまして
常務以上は株主総会で決められます しかし山ちゃんのこの担当が付くと
社長が独断で決める事が出来るんです だから名簿には載りますが
そう言う部分で正式でないわけです しかしお給料は
常務のお給料が出ますよ 月に確か200万円だったと思います
勿論 税込み金額です その他に自由に使えるお金が自由費がありまして
毎月お給料と同額 200万円出ます これは本当に自由に使えまして
レシートもいらない性格のお金です ただ常務以上になると
会社経費で何かを買う事が出来ないんです 例えば僕らが
PCを購入する場合 会社経費で購入なんですが 山ちゃんは
その自由費で購入しないといけないんです あとタクシーチケットも
山ちゃんが用意しなければいけなくなります だから結構
自腹切る人も多いですよ」
「へぇ~ そんなに有っても」
「ええ だってゴルフに行けば10万はするでしょ4人で そのあと
車代としてタクシーチケットを使ったら そんなもんじゃ済まないでしょ」
「そうだね その自由費は誰が貰うの?」
「ええ 本社給与で 秘書の方が受け取る原則になっています
だから山ちゃんの秘書の方が受け取ります
秘書ですがアルタからは付きません その代わり鈴やさんの
秘書の方がうちの秘書も兼ねると言う事です」
「うんその話は聞いた」
「担当部長で役職は担当常務 神山 龍巳 専属秘書 です
お給料は 確か100万円だったと思います」
「彼女 喜ぶだろうな なんせ 化粧品も全部買え変えたし
結構お金掛かるもんな」
「そうよ お金掛かるわ だってこれからお付き合いする人たちって
ある程度のところで会食されるわけだから 幾らあっても足りないわよ」
「ええ 久保さんが言われる通りですが 今回こちらでのポジションは
余り相手を意識しない所なんです はっきり言いますと
接待は殆ど無いと思われます ただなんだこの人間はと 言われないよう
色々な所へ行って頂き 見聞を広め それで仕事を納めていく
例えば ワインでもピンキリがありますが ある程度 上級のワインなど
口に含んで 会話が成り立つ そう言う部分があると思います
実際の仕事は仕事でありますが 先方と上手く話し優位に纏めていく
事も重要な仕事です 鈴やさんで食堂を出されますよね」
「早いね 情報が」
「ええ 多分私が担当になります で そのデザインコンセプトなど
先方と話していく間に その食べ歩きですかね 情報が必要に
なってきて 生かされる訳なんです ですから自由費があるようで
無いと思いますよ 仲間と一緒に試食をしたり 全部出す訳ですから
直ぐに飛んじゃうじゃないかなと思っています」
「そうだね こうやっていつも同じものを同じ人と食べるわけには
いかないし 大変だね」
「そうですね だけど内藤が助けてくれますよ 大丈夫ですよ」
「一つ思っている事があるんだ」
「何ですか」
「うん 絶対内緒だよ 実はゴテンバ グランド インの地ビールが
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