2011年5月17日火曜日

Vol.311 鈴蘭 -1-22


「そうしたら ここの冷蔵庫の列だけ未定で後は進んでください
冷蔵庫の高さ次第だけど その上に電子レンジを置こう
このカタログだと H1350って書いてあるから じか置きすれば
上は充分空くし 使い勝手がよくなると思う」
「そうですね わざわざ棚板で仕切ることないですよ」
「では これでいい 田所さん」
「はい お願いします 期待しているわ 楽しみよ」
「それでは 僕はこれで進めます 高橋にも伝えます 会社に戻ります」
「うん ちょっとコピーをとる」
神山は催事課でコピーをとって田中に渡した
「先ほどのコピーは孝ちゃんにも渡した だから電話で通じるはずだよ」
「ありがとうございます では会社に戻って進めます 床見本ですが
今夜 そうですね 6時頃上原に届きますので 決定してください」
「わかった お願いしますね」
「はい それでは 失礼します」
田中はお辞儀をして出て行った

洋子が
「そろそろ お昼ですよ どこに行きますか」
今日の洋子は辞令を貰った時のようにスーツ姿だった
「うん ちょっと催事課で仕事をする 部屋に来て待っていて下さい」
「は~い お供します」
神山は洋子が部屋に戻ると 市川が
「部長 先ほどは大変失礼しました」
「いいのよ それだけ皆さんが心配して下さっている訳だから」
「ありがとうございます」
神山は席に戻ろうとした時奥村が 会議テーブルに座って 
「山ちゃん 昨夜 副社長と一緒だった」
「ええ 翔も一緒でしたが 何か?」
「あっ 田所さん こんにちわ」
「こんにちわ 昨夜は済みませんでした お忙しい所」
「いえ ところで 今夜は何の用件だか分りますか?」
洋子は首を振って 
「全然 見当が付きませんわ」
そこへ店内から杉田が戻ってきた 奥村が
「翔 昨夜 副社長と一緒だろ」
杉田は 
「あっ 田所部長 いらっしゃいませ 昨日はありがとうございます」
「なあ」
「ええ 荷物を運ぶ所までは それでだけです なにか?」
「そうか」
「では」
杉田は そう言って自分の席に戻った 
「山ちゃんも知らない? どんな事か?」
「ええ 翔を食べさせましたから そこまでは」
「う~ん なんだろう 今夜 6時に呼ばれたんだ
山ちゃん 副社長とやっちゃったんだってな その事だろうと
思っているんだけど 早く謝ったほうが良かったかな う~ん」
「そう やっちゃったんだって と言われても すんだ事だから
しょうがないじゃないですか 許してくれたんだし」
「田所さん 本当に知らないですよね」
「ええ お電話でお伝えした事しか それに忘れました
副社長の秘書では在りませんから」
洋子はそう言って杉田のところへ行き
「良かったわ 120点よ」
「ありがとうございます 守りますよ 左遷嫌だから」
「分ったわ その調子よ いい」
「はい」
「それで 小谷さんの件 いい」
「あっ もう聞いて頂けたんですか ありがとうございます」
「うん 食べ物で好き嫌いはありません お魚は大好きですって 貴方は」
「大好きです」
「良かったわ 音楽は クラッシック音楽が好きと言っていたわ」
「そうか 余り聞かないな 眠ったくなるんですよ 小学校の時から」 
「だったら 眠くならない方法を聞いたら」
「あっ そうですね わかりました」
「あと 大事な事よ 今誰ともお付き合いはしていませんって」
「ありがとうございます ほんと ありがとうございます」
「それで 杉田君の事良く思っているけど
女の私から電話をするのが恥ずかしいって 言っていたわ
だから 電話をしてあげれば ねぇ」
「はい 分りました」
「今時 そんな考えを持っている子は少ないわよ 大切にねぇ」
「はい」





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