伝えておいて頂くと助かるわ」
「分ったわ しかし洋子の立場だとわざわざ連絡しなくてもいいのに」
「でもなんとなく気持ち悪いでしょ 分っている時はちゃんと
連絡しておいた方がなんとなく気が休まるし」
「そうね わかったわ ところでいまどこ 少しにぎやかだけど」
「ええ 神山さんと青山のレストランよ 美味しいわよ」
「あら ごちそうさま では」
洋子は電話を切ると
「先輩がまだ残業していたわ それで23日のお休み言ったら
わざわざ言わなくていいわよって それから神山さんと一緒って言ったら
ごちそうさまって 言われちゃった」
「事実だからね ねたまれたかな」
神山はビールはもういいのでワインを頼んだ
「どのワインが喜ばれていますか」
マスターが
「出ているのは このワインとこのワインです ステーキの時呑まれるのは
後からご紹介したワインですね」
「そうしたら 今のお勧めワインとステーキを下さい そうだそうしたら
お勧めのステーキはどれですか」
「はい 一番上のステーキですが 良く出るのはその下のステーキです」
「わかりました では各一つづつお願いします」
「はい かしこまりました」
マスターが厨房へ行くと 洋子が
「そんなに食べて大丈夫」
「いや 半分ずつさ 2枚なんて食べられないよ 洋子もだから食べて
感想を聞かせてよ」
「は~い わかったわ これから運動をしないといけないわね
美味しい食べ物ばっかりですもん」
「うん 僕は運動しているけど 洋子は今までと環境が違ってくるから
からだが慣れるまでしんどいよ 3ヶ月位辛抱だね」
「そうね がんばるわ」
二人が話していると先ほどのマスターがやってきて
「今 内藤ご夫妻が来られました そこにいらっしゃいますが」
「ありがとうございます」
そう言って 立ち上り洋子も付いてきた
「社長 ありがとうございます 色々と気を使って頂き嬉しいです
本当に助かります でこちらが私の秘書で田所洋子さんです」
「初めまして 田所洋子です この度はアルタさんの部長に
して頂き 感謝しております」
田所はお辞儀をして挨拶を終えると名刺を渡した
「ありがとうございます こちらが私の家内です」
「家内の真奈美です よろしくお願いします」
「山ちゃん ほんとうに申し訳ないな」
「えっ」
「れいの常務室だよ 本来我社で用意するのが当たり前なんだが
どのように配置換えしても スペースが無くて お恥ずかしい限りだ」
「いえ 逆に色々なとこに部屋があると分らなくなりますから
大丈夫ですよ 気にしないで下さい」
「うん ありがとう そうすると部屋入り口の壁にはアルタを入れる?」
「う~ん 入れても別に問題ないでしょ 鈴や本社次長室
アルタ担当常務室 神山 龍巳で まあ肩書きの世界ですが
実力がないとどうにもなりませんし いいんじゃないですか 前代未聞」
「そうですね そうしましょう あと地ビールの件 ありがとうございます
椿さんにお話をしたら喜んでいまして すぐに決まりました
助かりますよ 椿さんのとこもビール工場を大きくしているんです
この話があって 追加する事も言っていました」
「よかったですね」
一応二人の話が終ったので内藤はマスターを呼んで
「神山さんから予約が入ったら 必ずキープして欲しい
近いうちに 我社の常務になられるお方だ お願いします」
「はい 畏まりました 先ほどもお話ししましたが 先日奥様が
ご招待された方だと思い出しまして キープいたしました」
「ではお願いしますね 田所さんは美しい方ですね 神山さんに
ピッタリです 時田さんも仰られいましたよ 才色兼備だって
いまのこの格好も板についているし センスも抜群にいいですね」
「ありがとうございます これは神山さんに選んで頂いたんです」
「あっ そうですか 山ちゃん凄いね ぴったしだうん」
「この仕事着は今朝ので購入したんですよ ありがとうございます」
「気にしないで下さい 足りなかったらいつでも言って下さい
30日の辞令交付後は私に直接話をしてくださいね」
「ええ そうします」
「よかったわ ここで会えて は~いこれプレゼントよ 本当は
30日の辞令交付の後と思ったの それで今日時間が空いたから
ウインドーショッピングしていたら目に付いたのよ 入社記念かしら」
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