2011年5月3日火曜日

Vol.297 青葉 -7-21


本当に美味しい 美味しいを言った 神山も頂きますと断って
食べるとやはり美味しかった

「山ちゃん ここのしめ鯖は何時も食べているの?」
「いいえ 今日昼来た時が初めてです 鯖は頂いていると思いますが」
「なんだ 記憶が無くなるほど のんでんのか ここで毎日 ワシより
贅沢しているな」
「少し当りですが 記憶出来ないほど仕事をしているんです」
「わかった そうだな 舌の記憶なんて 余り当てにならんな
五感で覚えるのが一番だな なぁ 杉田君」
「ハイ 私も 五感で覚えたほうが確かだと思います
釣りとかもそうですよね 全神経を釣り竿の先に集中させ
魚をおびき寄せて釣るわけですよね そうだと思います」
「おお その若さでつりをやるのかね?」
「ええ真似事です」
「社長 翔は僕より若いのに 趣味は爺臭いんです 
その他に 囲碁だろ ゲートボールだろ そうだ 盆栽です
どうですか 35歳でこの趣味 決して悪い事じゃないですが
35歳の趣味ってなんか違うように思うんですよ」
「ほお 盆栽か いいな 眺めているだけで 気が休まるな
しかし ゲートボールとは」
「はい ゴルフをしたいんですが 高いですし集中力を磨く為です」
「ほお 集中力が身に付くかね 洋子そうか?」
「ええ しかしそればっかりではないと思いますけど
体力の衰えを補う事が主ですから しかし集中しないと出来ませんね」
「ぼけ防止に良いのは マージャンも良いって報道してました
西野理事は昔から言われてましたけどね」
「ほお ぼけ防止にマージャンか なるほど
洋子 ワシもこれから 若いのと一杯機会作って エキスを貰わないと
だめだな 何時もじじばば相手だと 若返るどころか老けて行くな」
「そうですよ 例えば 奥村課長とか 結構ためになります
昨日も勉強しましたし 後はご自身のやる気ですね」
「うん これから機会を作ろう う~ん 今何時だ」
「はい 7時です」
「うん ちょっと秘書に電話して ワシが明日の晩空いてるか聞いてくれ」
「はい」

洋子は秘書課に電話をして副社長の明日の夜を聞いた 頷き
「5時から空いていますが いかが致しましょうか」
「うんそのあと何も入れるなと言ってくれ」
洋子は その後 ご都合があり予定を入れないようとの事です と伝えた
「5時以降都合有りで伝えました」
「うん 奥村君に電話して 6時から都合つけろと言ってくれ」
洋子は催事課に電話をし 奥村課長と話をした 頷いた
「どこにしますか」
「地下 四季 6時」
洋子は 時間と場所を伝えた 
「奥村課長ったら かしこまっていましたよ」
「楽しみだな なぁ 山ちゃん」
「どんなお話しになるかお聴きしたいですね 勉強になりますし」
「そうだな おお 杉田君元気ないな えぇ」
「はい 元気はありますが 正直私の生活と違う空間なので戸惑っています」
「そうだな 山ちゃんも昼間元気無かったもんな」
「ハイ有りませんでした では 冷酒にしましょうか
それともこのまま 燗で宜しいでしょうか」
「うん 燗で頼む」
神山は手を挙げ女将を呼んだ 燗と例の細巻きを 
おつまみだから8巻きりで2人前頼んだ 

時田は酔いが廻ってきたのか赤くなってきた それでも充分話せた
「翔 いいか 今ここでした話は絶対に内緒だ いいね」
「はい 分りました しかし ここの日本酒美味しいですねぇ」
「まぁ 昨日奥村課長に送って頂いたの覚えている?」
「ええ今朝言われました すみません」
「あれだけ呑んで 今日も呑んで 大丈夫なの?」
「洋子さん 催事課のサムライはそうでないとやって行けないんです
昨夜の翔みたいに 多少は迷惑を掛けますが それが明日の
エネルギーになるんです なぁ 翔」
「ええ そのとうりです だから 愚痴がでたりします
普段 そこを乗り越えないと仕事進みませんから ねぇ 先輩」
「うん そうだね 社長 私は昨年4月にこちらに来たんですが
その歓迎会で 嬉しすぎて呑み過ぎ倒れました





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