2011年5月2日月曜日

Vol.296 青葉 -7-21


「了解 彼女が来るまで帰れないわけね それまで時田さんと?」
「うん 翔だけじゃね」
「早く行ったほうが良いよ」
神山と高橋は分かれた 時計を見ると6時過ぎだった
祥子に電話をした 
「神山です 今日はありがとうございます」
「いえ こちらこそありがとうございます」
「何時になりそう?」
「やはり青山出るのが 8時頃かな」
「わかった 僕は接待で寿司屋に居ます 現場は10時頃まで 
居るので 現場についたら 携帯に電話を下さい
照明が綺麗なのと 昨夜の小物準備してあるので渡します」
「ふぁーうれしいわ 現場で電話します では」

神山は電話を切ると寿司屋に入った
時田達は一番奥に座っていた 大将にクーラーBOXを返し
「あまりに美味しいから 今日来るって それで来ちゃった」
「お聞きしました ありがとうございます 皆さんお待ちですよ」
「はい」
神山は
「大変遅くなり申し訳ございません」
みなにお辞儀をした  それを見ていた洋子が
「ねぇ 私の勝でしょ はい 千円頂戴 あなたが言ったんですからね」
「なんだ 僕は賭けの対象物か?」
「そぉ 杉田君が 先輩は柔らかい挨拶ですよって
きちんとしないですよって 言われたの だから私はきちんと
遅くなって申し訳ございませんって言うわよっていっても聞かないの
そしたら 杉田君が よし田所さん賭けましょう
1万円でどうですか だから私が負けたら1万円だすわ
その代わり杉田さんは1千円で良いわって話」
「なんで僕が 変な挨拶すると思った」
「だって 先輩いつも 呑み会の時 変な挨拶ばかりじゃないですか」
「ばかもん 時と場所を考えろ 社長大変申し訳ございません」
神山が頭を下げ謝った 杉田も頭を下げた  

「山ちゃん もう許してあげろ 充分 分っただろう なぁ杉田君」
「はい 済みません 馬鹿でした」
頭を上げた神山は
「翔 もう分ったな 頭上げろ」
杉田は恐る恐る 頭をあげた
「なあ 僕が変な挨拶している時は 僕だけでない 奥村課長
倉さん 身内で遊んでいる時じゃないか そこを見極めないと
失敗するんだ わかった」
「はい 以後気をつけます」
神山は1万円をだし 洋子に 
「洋子さん 済みませんでした 私がしっかりと教育していませんでした
これは 千円では済みません 同額の一万円を私がお払いします
どうぞ受け取ってください」
「しかし 先輩」
「うるさい 勝負に負けて 掛け金まで負けてもらって
なんとも思わないか 翔」
「わかったわ 頂くわ ふぁ 嬉しい 神山さんからもらっちゃった」
「田所さん 済みません 副社長 申し訳ございません」
また 頭を下げた 翔は今度は泣き出した
「杉田君 君がへまをすると 上の人間 又上の人間 と言うように
責任をとる訳だ 分るかね 
その逆に 良い事をすれば 上の人間が誉められ 又上の人間が誉められ
最後は自分が皆から誉められるんだ わかるかね」
「わかります すみませんでした」
「なあ 翔 僕だって一杯失敗はしている だけど二度までは
許される しかし三回失敗すると 今度は許されるんじゃなくて
自分の居場所がなくなるんだ 覚えといたほうが良い
社長のお言葉も胸に刻みなさい いいね」 
「よし では楽しくいこう なあ杉田君」
「そおよ 若いんだから さっきみたいに元気だしなさい」
「はい」
「いいよ いつまでも泣いていろ 全部食べるからな後で文句いうな」
「だめです 食べます だって先輩 何時も美味しいの食べてるって
聞きましたよ 僕なんか 社食なのに ずるい」
「わたった 食べなさい ただし社長にお断りするんだぞ」
「はい」
翔がようやく元気になって 副社長頂きますと 言いながら食べては





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