2011年3月22日火曜日

Vol.255 青葉 -5-19


「おう 辞めさせられたな おう そっから出るか」
「ええ 勿論 催事課ではと言うより 銀座店では出せませんからね」
「ははは 奥ちゃん良く調べているね」
「はい これも組合の仕事ですから そこで東京本社でだす訳です」
「うん そうしよう よし僕は副社長に伝えておく
人事関係は本社から持ってくるんだな」
「ええ 銀座の人材を使いません」
「分った 銀座がお金 人 と関らなければワシはOKじゃ」
「ありがとうございます それで次長室なんですが まさか今のままでは
仕事が出来ないので この会議室の後ろが開いているので
そこで仕事をしてもらえば こちらも助かるんですが 如何でしょうか」
「そうだな 奥ちゃんがそれでいいとなれば OKだ」
「倉さんはどうですか?」
「おう いいね その方がある部分仕事しやすいだろう」
「勿論 会議なんかは この部屋を使ってもいいし 
この上の会議室もあるし 山ちゃんも会議室があれば 困らないと思う
店長 よろしいでしょうか?」
「わかった 早速 準備をしてくれ 待遇が悪いとアルタに行かれるぞ
アルタはこの至宝を狙っているからな 奥ちゃん頼んだぞ」
「はい 山ちゃんは鈴やで守ります 手放しません
そう言う事だ 山ちゃん この後ろに山ちゃんの部屋が出来る事
専属の秘書がつく事 最後に待遇を良くするから 離れないでね」
奥村の最後の言葉で店長 倉元 神山 奥村自身笑った
店長が
「奥ちゃん もう良いかね 開放してくれるかね」
「どうもありがとうございます お忙しい所 すみませんでした」
「では 山ちゃん 頑張ってな 頼んだよ」
店長は手を振って部屋を出て行った みなお辞儀をして見送った

部屋に残った3人は今後の仕事の進め方を協議した
神山は今まで通りと言ったが これからは重要催事だけ手伝う
勿論 余裕がある時には手伝ってもらう
「山ちゃん これは肝心な事だけど いままで銀座店の中で行動する場合
店長の判を貰っていたけど これからは本社秘書課で貰う事になる
もっとも書類を出せば殆ど判はもらえる なにしろ次長だからね
秘書課も嫌といえないんだよ
それから人事考課は副社長になる もっとも理事の場合 部長と違って
そんなに厳しくないし大丈夫だよ それから出勤簿はなくなる
ただ 秘書には伝え連絡取れるようにする 勤怠関係は本社人事になる
以上 何か質問はあるかな もちろん倉さんも」
「おう オレはない ただ催事の出勤簿から消えるのが寂しいな」
「ええ しかし次長が催事課では可笑しいでしょ」
「おう そうだな」
「僕も有りませんが しかし、、、」
「うん しかし、、、とは?」
「随分と手回しが良いなと感じていたんですよ」
「うん 前から考えていたのさ 勤務にしてもイレギュラーな時間が多いし
本人と連絡をとっても こちらの仕事が出来ないとか 
今後 絶対にそのような時が来ると思い 情報を探しておいたさ
それが今回こんなに早く役に立ったわけさ
山ちゃんと同じだよ 情報を先取りすれば優位に話が出来るし
懸案を纏める事が出来るんだよ」
「ありがとうございます 勉強になりました」
「さあ それでは仕事をしよう」

奥村は部屋を出て席に戻ると店長から電話が来た 何度も頷いていた
「由香里姫 店長と副社長の本社に行ってくる」
「はい 行ってらっしゃい」
神山と倉元が席に戻るとき 市川が
「山ちゃん じゃない部長 凄いじゃないか この若さで理事なんて」
「たまたまだよ 市ちゃんもがんばれよ」
今度は由香里が
「凄いわ やっぱり私が見込んだ通りね 凄いわ」
「先輩 凄いですよ 僕にとっても嬉しいですよ 胸張れますよ」
「うん だけど余計な事はしゃべるなよ 昨日みたいになっても
もう助けられないからな いいね ねぇ倉さん」
神山はウインクをして 倉元に振った
「おう そうだぞ これからは助けてくれる人がいないぞ
オレも忙しいからな 翔のことに付き合えないぞ」
「そんな 誉めたのに そこに行く訳ですね すみません」
「そうよ だって奥村さんだって 返す事出来なかったでしょ
たまたま神山さんが知っていたから笑い話で済んだんじゃない
もっとしっかりしてよ ほんと神山さんの爪の垢でも飲んだら」





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