神山はカードを受け取り部屋に入りカーテンを開くと
海がすぐそばまで迫っていて景観は最高だった 亜矢子を呼び
二人でテラスに出て 海を暫く見ていた
「私のホテルからも 駿河湾が見えるけど こんなに近くないわ
凄いわ 気にいちゃった」
亜矢子が下を見てみると 10M位有る崖の上に建てられていた
「ねぇ あなた下を見て 道路の向こうは直ぐ海よ」
神山も一緒になって下を覗いて見た
「凄いね こんな所に建てるなんて」
部屋に戻り浴室を覗いて見ると
シンプルに造られ思ったより広かった
テーブルに置いてあるホテル案内を見ていると『貸切露天風呂』が
載っていた 亜矢子を呼ぶと冷蔵庫からビールとコップを取り出し
神山の所へ来た コップにビールを注ぎ終ると
「さあ ようやく二人きりになれたわ 乾杯」
神山はビールを呑みながら『貸切露天風呂』の事を指した
「いいわね 行きましょうか まだご飯まで時間有るでしょ」
「うん 有るよ」
フロントに電話をすると 今利用中なので6時からの利用に
なることとフロントに鍵を取りに着て欲しい事を告げられた
「ねぇ あなた 利用時間が30分って書いてあるわ」
「まあ 30分も浸かっていたら のびちゃうよ」
神山はそう言うと 亜矢子にキスをすると亜矢子は
唇を薄く開け答えた 亜矢子が立ち上がり
ジャケットをクローゼットにしまった
「ねぇ あなたもジャケットを 脱いで着替えましょう」
神山はジャケットを脱ぎながら Gパンも脱いで亜矢子に渡すと
「そのTシャツ 明日も着る?」
「ううん 着替えは持ってきているから」
神山は亜矢子の手を自分の元気になった所へ導くと
「だめでしょ これからお風呂に行くんだから
私だって我慢しているのに ほんと元気なんだから」
そう言って神山の大事なところをポンとたたき
「ねえ 海を見ていて」
神山は用意してある浴衣を着て テラスのほうに向かった
海の向こうには まだ日が沈みそうもないが
確実に時間を刻んでいた
テラスに出ていると 亜矢子も出てきて 一緒にながめた
フェンスに寄りかかった神山に亜矢子も同じ格好をして
「ねぇ ほんとに私でいいの?
それにこんなに素晴らしいところを?」
神山は亜矢子が何を考えているのか分ったが 正直な気持ちは
「うん きみがいい だからこうやってきたんだよ」
と しか言えなかった
亜矢子は説明不足を非難しなかった けど今を大切にしようと
いつも考えているので それだけで充分だった
逆に『大好きです 結婚しましょう』と言われる方が
もっと辛くなるだろうと 考えた
亜矢子は気を取り直して
「ねぇ 時間大丈夫ですか?」
時計を見るとあと5分ほどで6時になる
「よし フロントに行こう」
神山と亜矢子は部屋を見渡し出た
フロントで鍵を受け取ると 丁度先客が出てくる時で
軽くお辞儀をし 貸切露天風呂に入った
普段は男女別々の露天風呂としてあるが
夕方5時から深夜24時まで貸切露天風呂として開放されていた
朝6時からは 男女別々の露天風呂となる
神山は浴衣を脱ぎ簡単にたたむと亜矢子が慣れた
手つきでたたみ直し乱れ籠に入れてくれた
亜矢子も浴衣を脱いだが下には何も着けていなかった
神山は自分が下着を付けているのを恥じ 急いで丸めて籠に入れた
ガラス戸を開けると簡単な洗い場があり その向こうには
タタミ12畳ほどの広い露天風呂があった
神山と亜矢子は広い湯船の端で抱き合った
「いいわ~ こんな経験初めてよ ほんとよ」
「僕も初めてが多くびっくりしているよ」
神山は疑問だった浴衣の下に何もつけていないのを聞いてみた
「だって 電車の中であなたに助けられたら それだけで、、、」
「なにかしたかな?」
「まだ素性も知らない 私に大金をくれたでしょ」
「うん まあ元々亜矢子のもんだし」
「そんなあなたに ジーンと来て、、、それとキスしたでしょ」
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