2011年3月5日土曜日

Vol.238 青葉 -4-18


「お食事も一般の方と違い特別料理をご準備させて頂きます」
「はあ 食事も、、、 だけどあのチケットはなに?」
「ええ ホテル協会の許可を頂き 一流企業様にご購入して
頂いているチケットでございます」
「そうか」
「ええ チケットに番号が入っていたと思いますが その番号で
ランクづけが分ります ホテルではスタンダードのお部屋
ご提供のみで あとご購入金額でスイートになるか
特別料理になるかなどランク分けされます
お食事はチケットのお客様は特別料理ですが
さらに上のランクがございます そのような部分を各企業様に
ご購入して頂いています」
「ちなみに 私のプラン普通にお支払いすると
おいくら位でしょうか?あっ大体でいいですよ」
「ええ 大体ですが」
そう言うと電卓をはじき
「大体ですが お一人様 約6万円ですが このホテルの会員様に
なられますと僅かな金額を追加されるだけで 本日のプランに
ご変更できます こちらがパンフレットでございます」
「はい 分りました ありがとう パンフは頂きます」
神山はエレベーターを待つ間パンフを開いて金額をみて 驚いた
(会員権が500万円 凄いな)
何回かよったら元が取れるんだろうと 計算したら二人で
利用するだけだったら166泊出来る 
しかし じじ ばば まごまご と大家族で 1週間利用となると
10シーズンで元が取れる計算になった
神山は高いものか 安い物か判断できなかった

部屋の前でベルを鳴らすと 直ぐに亜矢子が出てきて
「お帰りなさい 遅かったわね」
「うん 食事の時ワインを頼めるか聞いていたんだ」
「当然 あるでしょ それで?」
「神山様のプランは1本無料で付いていますって」
「へぇ 凄いわね 赤字にならないのかしら」
「からくりがあったよ これ」
神山はパンフを見せながらフロントで聞いたことを伝えると
亜矢子が
「そうすると あなたはそのお金を一杯出してチケットを買った
業者さんから貰った訳なんだ 凄いわねそこの業者さんどこ?」
「うん アルタの内藤社長さ」
「へぇ 凄い アルタさんも 会員制ホテル業界から
認められているんだ そして そのチケットを貰ったあなたは
アルタから認められている」
「うん まあ そこでこの会員権を買った場合に10年くらい
利用すれば元が取れる計算なんだよ」
「ええ 大体そのように設定されているわね 実はうちもあるの
リゾート部分が ただプールとかテニス場はこれからですけど」
「へぇー知らなかった と言うより聞く機会なかったし
それで金額?」
「うちは高いわよ 1200万円で販売しているけど
権売業者では 今1500万円で取引されているわ」
「えっ 1500万円 高いと言うか分らないな」
「しかし あなたも会員よ だってカード受け取ったでしょ」
「うん」
神山は免許書入れからカードを取り出し
「これが1200万円 へぇー
そうすると売ると最低でも1000万か」
「うん普通はね だけどあなたのは譲渡や売買できない会員なの」 
「なんだ でも凄いね それだけの価値があるんだ このカード」
「ええ アルタさんでは 社長が一般の会員権で
奥様 おばあちゃんや 家族の方は あなたと一緒よ」
「へぇ~ 凄いね」
「結局 正会員様に対し5枚までかな 非売のカードを作れるのは」
「まあ 一緒に居れば問題ないし フロントで告げれば問題ないけど
カードがあれば いちいち正会員に断らなくても利用できるしね」
「ええ そうゆうメリットは有るわ
だから 貴方は選ばれたエリートなの 自由に使えるわよホテルを」
「そうか いつ行ってもいつもの最上階?」
「ええ 貴方の場合は最上階よ」
「そうすると アルタはアウトレットの仕事が有るけど
どうするのかな 人数が大変でしょ」
「基本的にはスタンダードを利用して頂いくし
ベッドも増やすと思うわ」
「そうか それで僕が行くと 最上階で、、、ちょっと可哀相だね」
「仕方ないでしょ慈善事業じゃないから
アルタさんも分ってくださるわ」  
「そうすると 僕はどう言う事になるんだろう?」
「いいの あなたは 椿が認定したんだから だから同じ
VIPカード会員でも 貴方のほうが上にランクされているの
だから 最高級のVIPなの わかる?」
「いや全然」
「ほら 椿オーナー自ら認定したから上なのよ
もっと分りやすく言うとね 正会員さんはゴールドカードなの
その下がシルバーカードなの 貴方はプラチナカードでしょ
だから上なの」
「でも 譲渡が出来ない限定会員な訳だ」
「そう だから威張っていていいのよ 好きなこと出来るわ」
「もういいよ 君をゲットしたから」
「まあ だから内藤さまのお仕事でも 椿が絡んでいない時は
普通のシルバー会員の扱いになるわ この間のように
椿が絡んでいれば プラチナ会員と同じよ
まあゴールドも一緒だけど」
「うん分った これからも亜矢子の顔を見に時々行こう」
「うん 待っているわ」
亜矢子は神山に抱きつき 唇を合わせた
神山はさっきから大きな音が気になっているので
「ねぇ やけに音が響かないか まあ寝るのに気にならないけど」
「ごめんなさい わたしが使っているの お化粧室で乾かしているの
多分乾いたと思うから ちょっと待っていて」
亜矢子は立ち上がって 化粧室に入り洗濯物を持ってきた
ショーツを丁寧にたたむとクローゼットのバッグにしまった
化粧室の乾燥ボタンをOFFにすると静かな部屋に戻った
「さっき露天風呂から帰ってから洗ったの 
貴方がよごしたパ、ン、ツを」
「ごめんごめん 乾燥機の音だったんだ 乾いた?」 
「ええ ちゃんと乾いていたわ」





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