2011年3月12日土曜日

Vol.245 青葉 -5-19


2階は先ほどの屋天風呂と同じフロアだった
ここに そんな施設があるとは思わなかった
指定された カラオケBOXを通り過ぎると 扉が開いている部屋が
いくつか有ったので覗いてみた
マージャンや卓球 一番端はタタミ敷きの大広間があった
ここは屋天風呂を 日帰りで利用した人の休憩室になっていて
売店も用意されていた
カラオケBOXは 5部屋あるが使われているのは2部屋だけだった
夏休みや週末などは 結構順番待ちで大変だろうと思った
「ごめんなさい」
亜矢子はお化粧をしてきたのか輝いていた
「あまり時間は無いけど 亜矢子の歌を聞かせてよ」
「そんなに上手ではないわ 私 でも楽しいわ」
ちょこんとキスをした
神山はキスの感触で分った リップを塗っているので綺麗になったと
亜矢子は先ほどのワインを持って来ていたが 美味しいと言って
独り占めしていた
最初は景気付けに神山から歌った ジュリーの勝手にしやがれだった
亜矢子も途中から 雰囲気に乗って立ち上がり 手拍子をとっていた
歌い終わり座ると
「すごい かっこよかったわ すてきよ」
亜矢子は またキスをしてきた
「ありがとう 古い歌でこのくらいしか 自信なかったんだ」
「ううん 歌詞に気持ちがこもっていたわ 素敵よ」
亜矢子が 選んだのはユーミンの歌だった 2曲連続で歌った
神山は手拍子をとっていたが つい先日祥子が歌った曲だったので
ちょっとばかり複雑な思いをした
「ごめんなさいね 最初から静かな曲を歌って」
「ううん 綺麗な声に聞きほれていた 上手だよ高い声も無理なく
伸びていたしさ 低い声も綺麗だったし ほんと」
亜矢子は 素直に喜びワインをちょこっと口にした
神山はビールの自販機が この部屋の外にあったので買い求めた
「さあ次はあなたよ」
「古い曲ばかりで悪いから 英語の歌でも良いかな下手だよ」
神山はリストから 英語の曲を2曲選び歌った
そこでも亜矢子は笑みを浮かべながら 真剣に神山を見ていた
歌い終わり ビールを呑むと亜矢子に 次は何を歌うか聞くと
「そうね ドリカムにしようかしら」
そういって リストが開かれているところから選曲し
「ねぇ 3曲でもいい?」
「うんOK その間探せるし」
亜矢子は リモコンのスイッチを押すとメロディーが流れ
字幕がでると 殆ど見ないで歌っていった
神山は選曲しようと思ったが 亜矢子の姿に見とれてしまった
二人は交互に歌っていると 楽しく時間を忘れた
神山が歌い終わると スクリーンに25時終了の案内が出てきて
「わぁ 折角盛り上がったのに あなたフロントに言ってきて」
「なんて?」
「うん 朝まで歌わせろって」
「それは幾らなんでも 無理でしょ」
「では帰りましょ なぁーんだ もう つまらないなぁー」
亜矢子は立ち上がる時 神山の大事な所をポンと叩き立ち上がったが
ちょっとよろけた
「大丈夫? 相当呑んだもんな」
「大丈夫よ では帰りましょう」
亜矢子の顔が赤く染まり色っぽさが増した
気持ちいいのか 自分の歌った曲を鼻歌で歌っていた

「あなた ほんと上手よ大好き」 
部屋に戻ると そう言い寝てしまった
唇を合わせても反応が無く 乳房を触っても反応が無かった
神山は秘所を触って 起こしても機嫌を損ねるだけだとして止めた
テラスに出てタバコを吹かしビールを呑んだ
ビールが美味しく直ぐに1本を開けてしまった
カラダを動かしたので 汗が気になり亜矢子を起こさないよう
静かにシャワーで 汗を流し再びテラスに出た
夜空に輝く星を見ていて 上原はどうしているか気になり電話した
「神山ですがこんばんわ」
「こんばんわ 高橋ですどうされました?」
「うん今 夜空を見ているんだけど気になって現場はどうですか?」
「大丈夫ですよ もうすぐ上がりますよ それより山ちゃんは」
「うん大丈夫ですよ 小田原の件は筒井さんと会社に連絡しました
喜んでいたよ 筒井さん」
「分りました あと何かありますか?」





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