2011年3月19日土曜日

Vol.252 青葉 -5-19


「やったわね あな、、、神山さん」
「やあ 山ちゃん 凄いじゃないか」
部屋の皆が声を掛けてきた
神山は訳が分らないのできょとんとしていると
「おう 山ちゃん 凄いな大スクープを よく発見した」
「そんな その件ですか たまたまですよ」
「おう しかしなそれを直ぐにアルタに知らせるとは大したものだ」
「ええ まあ 自分も大変になるので それでアルタに伝えたんですよ」
奥村が近寄ってきて
「先ほどアルタの内藤社長が来られて大変喜んでおられた」
「来たんですか ここに」
「うん 佐藤部長と一緒に来られた」
「へぇ~ なんでそんなに、、、」
「店長に会われる為に来たんだ」
「へぇ~」
「そうだ みんな居るから ちょっと会議室へ来てくれ 由香里さんも」
催事課全員が会議室に入ると 奥村が
「コレはまだ正式ではないが 決定するのでそのつもりで 極秘です」
神山は今後アルタの出向社員扱いと成る事 待遇は常務
鈴や銀座店にも 席を置く待遇は理事と成る 
アルタの仕事内容は御殿場アウトレットの全般デザインを含めた
統括アドバイザーになることを話した
催事課皆はびっくりした 倉元は知っていたので驚かないが
「おう 山ちゃん オレを抜いたな 凄いぞ こんなの初めてだ
店長も驚いてさ 大喜びだったぞ おい 凄いよ」
倉元の発言を受けて奥村が
「鈴や始まって依頼の出来事です この若さで 理事になり
さらに先方の待遇が常務とは聞いた事がありません
山ちゃんは今後御殿場アウトレットを中心に動いて貰います
実は御殿場アウトレットに鈴やも食堂関係で出店予定が
ありましたが 先ほど出店が正式に決まりました
我社の出店は一部には知られていましたが 公には成っていません
しかし 本日から正式に稼動します
統括責任者 神山理事 施工管理アルタです
以上 ご報告いたします
山ちゃん いや神山部長 おめでとうございます」
奥村課長の話が終るとみんなから拍手された
神山自身実感が湧かないが 要は今までよりアルタの仕事をして
業績をあげていく事がねらいだと思っていた

報告終った奥村が 
「いや 山ちゃんじゃない神山部長 凄い 店長を動かすなんて」
「そんな 何もしていないですよ 向こうで常務と言われても
結局は今までの仕事プラス アルタの仕事が増える事でしょ」
「まあ そうだが 比重を今までよりアルタに置く事が条件に成っている」
「そんなの 難しいですよ」
「そうだな しかしアルタが考えられない事を山ちゃんじゃない
神山部長が提案していって 進めていく事なんだよ
具体的には24日の配車の件26日の配車の件 今日の午前中の件
全て内藤社長に報告されている
そのように臨機応変 柔軟な思考 迅速な決断 を評価された
勿論デザインは最上級評価だよ
一番は顔の広さだろう 人脈を大切にしているので
そこが最大のポイントじゃないかな」
「へぇ~ そんなもんですかね」
「そこが一番大切さ 山ちゃんじゃない神山部長」
「いいですよ 山ちゃんで 皆さんも山ちゃんで良いからね」
鈴やの理事は店長 店次長 部長職が理事で
部長職は 理事と部長と別れている
今 倉元や神山 その他店内の部長は職級は部長で理事は一人も居ない
「尚 皆に一言 絶対に漏らさないで欲しい この人事はアルタを含め
色々と手続きがあり 4月30日 木曜日朝発令 アルタも午後発令
よって 30日は大変な一日になるが 皆さん協力してください
それから 今の上原の電話番号は必要以上絶対に教えないように
アルタの仕事が絡んできますから 住所もいいですね
それで 山ちゃん この時ばかりはスーツにしないか?」
「おう 奥ちゃん いいじゃないか そのままで
銀座はそれで通してきたんだし 服が辞令貰うんじゃないぞ」
「そうですね 分りました」
「倉さん ありがとうございます」
賑わっている時 部屋の電話がずーっと鳴っていた 直通だった
由香里が急いで部屋を出て受話器を上げると 筒井からだった
「山ちゃん 筒井さんからですが」
「分りました」





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